見出し画像

4月初日、初期研修医にまず伝えている事

今日カラ2カ月間、外科デオ世話ニナリマス。

若輩モノデハゴザイマスガ、ゴ指導ノ程宜シクオ願イ致シマス。


4月初日から数日間のガイダンスの後、皆さんは各科の病棟に移動し、
(麻酔科、ERなどは別ですかね)
そこで挨拶を行い、チームや上司となる先生が決まると思います。


社会人として初っぱなである、4、5月に回ってくる研修医の先生達には、
まず以下のことをお願いしています。

  • スタッフに挨拶をすること

  • 分からなかったら、すぐにその場で調べること

  • 上級医・指導医に聞くときは、まず調べてから聞くこと

  • 『分からない』、『出来ない』コトは、必ずそう伝えること


基本的なコトで、当たり前だと思うかもしれませんが、
なぜワタシ達がこれらを大切にしているのかをお話します。


【スタッフに挨拶をすること】
医師同士であれば、4月から研修医となった先生は挨拶することでしょう。
しかし、病院内は看護師、看護助手、薬剤師、放射線技師、
理学・作業療法士、クリーニング、清掃員、病棟クラークなどなど、
多職種で成り立っています。
すれ違うスタッフに挨拶し、良好なコミュニケーションを築いてください。
困ったときに、助けてくれる場合も多々あると思いますよ!


【分からなかったら、すぐにその場で調べること】
初期研修医の皆さんは、今日まで多くの試練を乗り越えてきたため、
プライドが高めであると思います。
例えば、知らない薬を処方するとき、
ナースステーションに薬の本は置いてあると思いますが、それで調べず、
ひとり図書館や自分のデスクで調べてから戻ってくる先生はいませんか?
努力を見せない姿勢も素晴らしいと思いますが、時間がかかりますよね。
可能であればその場で調べて解決し、
調べたことをメモに残して、後で勉強するようにしてください。
現場が困っているコトは、なるべくその場で解決するようにお願いします。


【上級医・指導医に聞くときは、まず調べてから聞くこと】
コレは、最初は右も左もわからないため、難しいかもしれません。
カルテの使い方や、モノの置き場など、業務内容に関してであれば、
慣れてくるまでは、指導医が先に教えてくれることもあるでしょう。
(チャンスなので、必ずメモして持ち帰るようにしてください。)

コレはそういった内容のことではなく、
例えば、カンファレンスでの症例提示に当たっている場合、
情報収集しているときに解らない言葉や略語がカルテに書いてある場合や、
臨床経過での治療内容、今後の治療予定などから疑問が見つかった場合は、
まずは自分で少し調べてから質問するようにしてみてください。
こうすると、徐々に先生たちの質問の『質』が高まりますし、
ワタシ達からすれば、より答えやすくなります。

忙しいため時間が無く、聞いた方が楽な場合もあると理解していますが、
聞くだけで全てが完結するようなやり方では、
今後の先生たちの能力向上には繋がらないとワタシ達は考えています。
是非、心がけてみてください!


【『分からない』『出来ない』コトは、必ずそう伝えること】

これは本当に大切なことです。
『やったことがない』ことも付け加えると良いかもしれません。

これらの言葉は、あまり人には言いたくない言葉ですよね。
背伸びしてやってみようとすると、良くないことがほぼ起こります。
(やってみよう、やってやろうという気持ちは、評価していますよ!)

ワタシ達の世界では、『一か八か』 は、ほぼ『八』の結果となります。

皆同じような経験があり、痛い目に遭いながら成長を重ねています。
経験年数の分、色々なコトを学んでいるため、
この選択(一か八か)に迫られない方法を、常に選んでいると思います。

ですので、無理をしてやる必要は全くありません。

『分かる人』『出来る人』に連絡し、必ず来てもらってください。
(忙しそうかな、という気遣いはいりません。)

この場面では、結果によって不利益を被る可能性があるのが、
患者さんとなることが多いと思いますので、連絡を宜しくお願いします。

無理して1人で解決することなく、
『分からない』『出来ない』『やったことがない』 と、
これらを背伸びをせずに周囲に伝えてから、指導医に連絡をとりましょう!
その後指導医と一緒に経験したら、次からは自力でお願いします。

こうしていただけると、ワタシ達との信頼関係も深まる事でしょう!

余談ですが、ワタシが学生時代に先生から聞いた話なのですが、
皆さん、ゼークトの組織の話をご存じでしょうか?
(興味があるようなら、少し調べてみてください)

この話の内容は、組織の人材は
『有能な怠け者』
『有能な働き者』
『無能な怠け者』
『無能な働き者』
の4種類に分けられる、と述べられているようです。

この分類の中で、組織の足を引っ張る存在は『無能な働き者』と言われ、
ココの分類に入らぬよう、しっかり初期研修で研鑽を積むようにと、
激励されたことを今でも良く思い出します。
(卒業式にいただいた言葉だったかもしれません)

しかし、長く指導しながら色々見ていると、スタート地点は皆ここです。
始めは何もわからないけど、やる気がとてもある先生が多いと思います。
ワタシの心に刺さった言葉であったので、
「こうならないように」と思って日々やっていましたが、
最近では、全員最初は一緒なんだなと、考えるようになりました。

能力を向上させるには、経験を積み上げなければならないため、
時間が必要となりますが、必ず実ります。
ですから、2年間、逃げずにしっかりと経験を積み上げる事が出来れば、
『有能な』グループに、ほとんどの先生が自然と属すことになるよう、
信じながら指導しています。


甘えずに普通にやれば、脱することは必ずできますので、ご安心ください。
先輩方も皆そうだったと思われます。


そして、ワタシから皆さんに送る言葉はコレです。

『実ルホド頭ヲ垂レル稲穂カナ』

充実シタ、研修生活ヲ願ッテイマス!

この記事が参加している募集

スキしてみて

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?