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北京留学日記 其の一

1995年の7月、上海から北京に移り住んだ。
景色や気候が大阪から北海道に引っ越したような感じだった。
私の新しい学び舎、北京体育学院は、頤和園よりまだ北に位置しており、北京市内の地図にギリ載っていた。
空が高くポプラ並木の葉が陽光を反射してキラキラと光っていた。
だが!寮はなんの風情もない鉄筋3階建てで、中はとても汚なかった😥
あてがわれた部屋は、前居住者の遺留品が引き出しの中に残り、扉の建て付けも悪く、開閉するたびに、床を擦る音がする。
シャワールームもお手洗いもキッチンも元から汚い上に使い方も汚かった。一気にブルーになった。
とりあえず、部屋を掃除して、遺留品を捨てた。シャワーはあまりの床の汚さにビーチサンダルを履いて浴びた。寮の清掃担当は若い男の子と女の子で、彼らにとって掃除とはとにかくホースから放水して、壁から床から水浸しにすることのようだった。彼らが朝洗面所やトイレを掃除する前に行かないと、くるぶしまで浸水する有様だった。
上海の寮との差に衛生的に耐えられるか不安になった。

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