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好きな曲は好き~スーパーカー/パスピエ~

はじめに


今日はパスピエの『スーパーカー』という曲についてお話しします。

私はMVよりも先に曲を聴いてきたので、曲メインのお話になりますが、このMVも興味深く考察し甲斐があるので、ところどころでお話ししていきます。



知っていた君


イントロはピアノメインのように聴こえるため、軽やかな印象の方が強いです。
でもコードのせいでしょうか、なんとなく寂しげでぼんやりした印象もあります。

そうそれはまるで嘘みたいな
ドラマか映画のような話
同じ顔名前声をした
君じゃない君に出会う

ここの歌詞だけで想像できるのは、
“ある人に数年ぶりに会ったら、別人のように変わっていた”という出来事です。
しかし、ただの友人、ただの“ある人”ではないような気がします。
それは、再会したことが『まるで嘘みたいなドラマか映画のような話』なのですから。
きっともう会えない、もう会わないと決めた人だったのでしょう。

同時に、“思い出のある人と本当にそっくりの人と出会った”というドッペルゲンガーも考えられます。
しかし、MVでも突然飛び出した女性に驚きつつも、結局女性を乗せて車が走り出すところから、完全な他人ではない関係であると考察しました。
そのため、前者の設定で考えています。

突然の出来事驚いてるのは
僕だけなんだけど
目が合った時間が一瞬止まって
巻き戻された

この歌詞から、『僕』は驚きつつも現状を受け入れようとしている様子がわかります。
きっと、止まったように感じた一瞬の時間の中で、その人との思い出が勢いよく『巻き戻され』ているのでしょう。

ここの後半から入って来るギターによって、サビへの勢いが増して言っているように感じます。
なんだか怪しい雰囲気ですけど、ワクワクです。


僕らの星を覚えてる?

ここからサビです。
ギターのリフが激しく音が変わりつつもエコーでぼんやりしているので、夢の中のような、
幻想世界のような気分になります。
勢いはあるのに、幻想的、不思議な感覚です。

スーパーカーに乗ってどこまで行けるのかな
いつも考えていたなそうだろ
知らない街の景色も怖くない
地図につけた印は光らない星

ここでは再会した『君』によって思い出された思い出のことだと思っています。
きっとずっと昔、『僕』と『君』は
「スーパーカーに乗ったら、(遠いところ)までどれぐらいで着くのかな」や
「スーパーカーってやっぱり早いのかな」
なんて会話をしたのではないでしょうか。
そうだろ』という歌詞が再開した『君』に共感を求めているように思えます。
『僕』はきっとそんな会話を思い出しているのでしょう。

知らない街の景色も怖くない』なんて歌詞の無敵感、無双感、純粋無垢さが
幼さを感じさせます
それぐらい、『僕』と『君』が別れたのは昔のことだったのでしょうか。
それとも歳はとっていても、そんな純粋なことを言い合えるぐらいの仲だったのでしょうか。

また、『地図につけた印は光らない星』はどういうことか考えてみました。
私は印は、妄想上・想像上のものではないかと考えました。
ただただ、「大人になったら、あんなことしたいね」とか「お金がたまったらあんなところに行きたいね」ってぐらいの人生における目標みたいなものです。
ただ、どんなに他人から見て机上の空論であっても、本人たちの中ではただの印ではなく、星マークを付けるほど重要な夢だったはずです。
その印が光らないということは、この2人はその目標を達成することなく成長してしまった、ということなのでしょうか。
星は光るもの」という先入観があるため、一見すると矛盾しているように見えますが、
叶っても叶わなくても、手書きの星でも、本人にとって星は星です。
間違ってはいません。
ただ、叶わなかった星だったので、光らないと言っているのではないかと考えました。

そうこれはきっと夢なんだ
瞬き一つで消えてしまう
伸ばしかけた手をぎゅっと握って
不自然にこらえてた

再会した時間軸に戻りましたね。
再会したことが本当に予想もしなかったことなのでしょうね。
その存在が幻じゃないって確かめたいけど、確かめたら幻だってわかる気がして怖い、そんな葛藤が伝わってきます。

また、これはもっと一般的な行動としてとらえることができると考えました。
例えば恋愛関係において、恋人同士ではないもののいい雰囲気の二人がいたとき、お互いがお互いに好意があると考えているけれど、それを直接聞くのが怖い。
なぜならば、そうじゃなかった時恥ずかしいからです。

そのため、ここの部分では1番から継続して『僕』が再開した『君』で
頭がいっぱいになってしまっている様子が伝わってきます。


僕の星は見えている

会いたいと思うと余計に遠くて
わかっちゃいるけれど
我儘だなんだと言われてもいいから
名前を叫んだ

ここで時間軸がわからなくなりました。
会いたいと思うと余計に遠くて』??
今目の前で再開しているのでは??
ということはここの歌詞は過去のことか??
…という思考になったので、ここは過去の『僕』であると定義しました。

名前を呼ぶだけではなく、『叫ぶ』ほど『君』と再会したかったということがよくわかりました。

これ以上は何も思いつきませんでしたが、これを読んでいる皆さんは何か思い付くことがありますでしょうか??
ありましたら是非Twitterやコメント欄にお願いします!


変わらないであの日の君でいて

スーパーカーに乗ってどこまで行けるのかな
いつも考えていたなそうだろ
知らない街の景色も怖くない
地図につけた印は消えない星

2番のMVは『君』と『僕』が昔やってみたかったことを現在叶えている様子でしょうか。
でもなぜだか全然楽しそうじゃないですよね。
別人のような君』だからでしょうか。
それでは『僕』が名前を叫ぶほど会いたかった『君』とはどんな人だったのでしょうか。
MVから考察するに、
ボーリングが上手いったら笑ってくれて、
運転しながらジェスチャーを交えながら話しかけたらこっちを見てくれている人で、
運転席になんか座らない人だったのでしょうか。
難しいですね。

見たことのない場所で
懐かしい声がずっと
聞こえるよ 聞こえるよ
忘れたって何度だって
思い出せばいいんだって
向かい風 吹いてても
辿り着いてみせるから

別人のようだと感じながらでも、
昔の面影を探して一緒に居てみたいという気持ちが絶えないのでしょう。
そう思う自分を信じたくて、でも今目の前で『君』を見ている自分の感覚も否定できなくて。
変わっていそうでも、実は変わっていないでほしい。
そんな縋りつくような希望が伝わってきました。

そしてここのCメロでMVの展開が一気に変わりましたね。
女性がシャワーを浴びている間に、“一人称”が手形のついた女性のものと思われる服を発見しました。
これはただの手形ではなく、血で汚れた手形でしょうか。
そしてどこかへ(警察?)連絡しようとする“一人称”の手を止める。

スーパーカーに乗ってどこまで行けるのかな
いつも考えていたなそうだろ
連れてくよ隣には君を乗せて
地図につけた印は光らないのに
見えないのに
消えない星

再会した『君』に昔の面影を探すことをやめないままでいるようだと思いました。
地図につけた印は光らないのに見えないのに消えない星』ということは、
『君』が『星』であると考えました。
前半の文章では二人で立てた純粋な願いなのではないか、と書きましたが、
歌を通して『星』の意味がかわったように感じます。

『君』という星のように自分の中で印象的な存在は消えないけど、
あの日のように輝いていなくて、光っていない
でも、『僕』の中で『君』は消えない。
ということを示しているように思いました。

MVでは“一人称”が女性に殺される?ような描写が出てきます。
2番の途中から、時々ハンドルを持った女性が映っていたのはこれの伏線だったようです。

変わってほしくなかったけれど、変わってしまっていた。
そんな『僕』の自己中心的な欲望さえも感じさせる曲だと思いました。

さいごに


この曲は聴き始めてから4年間ほどMVを見ずに過ごしていました。
その後MVを見てそのストーリーに驚いた記憶があります。
MVの解釈が人によってばらつくことはあまりないのかなと思いますが、曲の解釈は人によってそれぞれでしょう。
ぜひ感想をお聞かせください。

ここまで読んでくださってありがとうございました。
♡励みになりますありがとうございます。

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