見出し画像

玉三郎@クラシックTV

毎週木曜の夜9時からEテレで放送されている、クラシックをカジュアルに楽しめる音楽教養番組「クラシックTV」
ピアノが上手い芸人?とまで言われて親しまれているピアニスト、きよりん こと 清塚信也さんが軽快に進行します。
昨日のゲストは、坂東玉三郎さん。言わずと知れた名女形で、人間国宝にも認定されている方です。

クラシック音楽もお好きなご様子で、昨日の番組では何やら懐かしい気分になる「比較文明論」的な分析もあり、とても見ごたえがありました。
かれこれ30年以上も前の大学受験時代、現代国語で触れる機会がたびたびあった、加藤周一とか小林秀雄とか山崎正和といった辺りの先生方の評論を久々に思い出す時間に…。

玉三郎さんの言葉の中で、私の記憶を刺激したポイントは二つありました。

「『型』ができた者が(それを)破るから『型破り』って言うんで、『型』がないのをやってるのは『型無し』」と祖父や父が言っていた
というお話は、かなり昔に、やはりテレビで話されていたのを覚えており、玉三郎さんの芸への向き合い方の基本にある教えなのだろうなと思います。私にとっても、頭の中の引き出しに収められている箴言の一つです。芸事に限らず、様々なことに応用できる考え方でしょうね。

もう一つは、西洋と東洋の踊りの違いを語ったくだり。
バレエなどの西洋の踊りは、重力からの解放を目指すのに対し、東洋の踊りでは、重力を使って重力に入りきっていながら、見ているうちにそれが無くなっていく…

西洋は踊り(バレエの跳躍等)だけでなく、宗教においても、天国と地獄の捉え方など、考えの基本が垂直方向
東洋では踊り(すり足を多用)以外にも、仏教で「西方浄土」というように水平方向を重視するのが基本。

そんな趣旨の文明論を昔読んだ記憶がいまだに残っていて、読書の時の解釈など、ものの考え方に影響を及ぼしているのかも?と、今更ながら気づいた次第です。

今回は、少々理屈っぽい話題になりました。
いつも心に種まきを!
ということで、岩波書店のシンボル・マーク、ミレーの「種まき」を冒頭に載せてみました(^^♪



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?