見出し画像

2回目のフィリピン・ゼミ合宿。現地の子どもたちとの交流をメインに。

 みなさん、こんにちは。今回は、2回目のフィリピン・ゼミ合宿を振りかえってみます。今から11年前のことです。

 2回目も9月中旬(9月18日~9月22日、4泊5日)に行い、「都市貧困地域の視察と子どもたちとの交流」というテーマで計画しました。元気な現地の子どもたちに触れてもらい、何か感じてもらい、生き方あり方を考えてもらえたらなと思って準備しました。今回は日本に関するプレゼンを旅程に入れず、その代わりに現地の方と交流する機会を増やしました。参加学生が10名でした。この時の参加人数が最多です。

 前回と同様に、セブパシフィック航空を利用して、航空券代を約32000円に抑えました。前回の反省点を改善するため、行動範囲をマニラ首都圏だけに限定し、空港から宿泊施設までの移動については、運転手付きワゴン車を2台用意してもらいました。

 参加人数が多くなりましたので、現地のNGOスタッフの方や日本人のスタッフの方にもサポートをして頂きました。

 1日目と5日目は移動日、2日目はパヤタス、3日目はトンド、4日目はマニラ観光 でした。

【1日目】入国審査付近を手際よく通過したかったので、事前に参加人数分の入国カードを用意しておきました。しかし、参加者はアルファベットを綴るのは苦手だったことに気づきました。参加者から私に、「入国カードを書いてほしい」というリクエストが多く、参加者10名の入国カードを書いた記憶があります。自分で名前は書けてもフィリピンの滞在先住所の記入が難しいと感じたのでしょう。参加者の審査官との会話も心配だったので、私が審査をはじめてに終えて、参加者の様子を見守っていました。引率を続けていくと、自分がとるべき行動のタイミングが身につきます。

 無事入国審査を終え、スーツケースを引き取り、空港玄関入口付近の駐車場で待っていたワゴン車2台に分乗して宿舎に移動しました。

【2日目】前回と同様に、ゴミ管理事務所、デイケアセンター(保育所)を訪問し、現地の子供たちと交流しました。近隣の小学校も訪問しました。参加者はすれ違う児童たちへのあいさつを元気よく行っていました。とてもいい光景でした。子供たちの元気の良さに圧倒され、涙ぐんでいた人もおりました。その方は不登校の時期があったそうで、子供たちから強い生命力を感じたようです。

 今回の移動は、公共交通機関をつかわずに、ワゴン車をレンタルしました。上の画像はマニラの交通渋滞の様子です。コスト面はもちろん、現地の生活に触れるにはジプニーやバスの利用した方がよいのですが、学生の日頃の様子から、安全をかなり重視して、運転手付きワゴン車に決めました。停車していたジプニーに乗せてもらう機会があり、その時、学生が喜んでいたことを覚えています。

【3日目】トンド地区の訪問です。いわゆるスモーキー・マウンテンといわれた場所です。パヤタスはスモーキー・バレーです。ここでも、NGO団体を訪問し、子供たちと交流しました。参加学生と比較的年齢が近い若者とも交流することができ、お互い写真を撮っていて、楽しいそうにしておりました。近くのショッピングモールで、少し自由時間もとりました。

【4日目】マニラ観光です。インタムロス地区(リザール記念館・リザール公園・マニラ大聖堂)と、サント・トマス大学(University of Santo Tomas)、マニラオーシャンパークを訪問しました。午後はマカティ(アヤラセンター)で自由行動の時間をとりました。

 配慮の必要な参加者がいたので、ショッピングモールでの買い物をサポートしました。日本製の時計を買いたかったようです。女子学生は服を買ったり、男子学生はフードコートでいろいろなものを食べ比べしていました。このような時は、あまり私のサポートを必要としないのです。人は興味・関心をもっていることに取り組むときは、一人で何でもやろうと思うのでしょう。参加者の安全と、集合時間・場所を守ることを祈るだけです。

【5日目】宿舎をあとにして、比較的空港に近い、SMモールオブアジア(MoA)に移動しました。搭乗手続き開始までの時間を、自由時間として、ここで過ごしました。

 自由時間が終わり、現地の人のお別れの際に、サプライズがありました。それは、参加学生が、現地NGOスタッフの方に寄せ書きの色紙をプレゼントしたことです。英語を少し勉強した人なら、すぐに気づくような英文法や英単語の誤りがありましたが、一生懸命に英作文した様子が伝わってくる色紙でした。引率して良かったと思えた瞬間でした。日本ではあまり積極的に行動することはなかったので、参加者の自発的な色紙制作・現地の方へのプレセントしたことを、私はとても喜びました。

 あとで聞いた話ですが、昨晩、辞書を使いながら、夜遅くまで色紙制作に取り組んでいたようです。フィリピンの子どもたちとの触れ合いで、正しい英文法・単語を使うことができなくても、何か感じたのではないかと思います。この期の学生は、学外で外国籍の子どもたちへの学習支援ボランティア活動に参加しておりました。帰国後、さらに一生懸命にその活動に参加するようになった人もいました。

 フィリピンに引率することで、参加者の良い点を新しく気づくことができます。しかし、改善点もあります。今回の改善点は、宿泊施設をチェックアウトするとき、大量のごみがでていたことです。それらは、まだ使える参加者の服や靴です。それをNGOの方が持って帰り、現地の若者にあげると言った時、「私自身、まだまだ準備不足」と強く感じました。当時、SGDsの取り組みが普及していれば、そのようなことはなかったでしょう。旅程・計画においてはそれなりに準備できていたかもしませんが、事前学習を充実させなければならないと思いました。

 今回の参加者も病気・けが等がなく、帰国できたことは何よりです。

 この6カ月後に勤務先が移動になり、次回のゼミ研修旅行は別の大学で実施することになります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?