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今晩、私の寝室にはあいつの歌声が聞こえない

今晩、私の寝室にはあいつの歌声が聞こえない。

天井の照明を消し、布団に横になる。消灯と同時に壁付けの常夜灯が点灯して、天井に大きな影を作る。

その影はまるで、巨人のようだ。今から寝るというのに、それに興奮したあいつは、大声で歌う。毎夜、毎夜、「自由の翼」を。

今から寝るっつってんだろという思いとは裏腹に巨人化した自分の影に陶酔したあいつの歌唱を止めることはできない。そして、そんな状況でも隣で女はあっさり眠りにつく。

あいつの歌唱の合間に女の寝息が聞こえる。あいつは歌い終わると満足そうに私に語りかける。

「ユミルの苗字知ってる?」と。毎夜毎夜あいつは寝入るまで進撃の巨人クイズを出題し続ける。

これが息子とたぬきちのナイトルーティーンだ。夜なんだから大声で歌うのは辞めて頂きたいと常思っているが、そんな息子の「自由の翼」が今日は聞こえない。

そう。今日はたぬきち達親子にとっては初のサッカーの合宿に参加している。事前に知らされている予定表では21:30に就寝とある。今晩、息子は「自由の翼」を歌うことなく眠りについただろう。いや、やっぱり歌っているかもしれない。

あんなに引っ込み思案で、学校の外では声をかけてくれた友人に挨拶を返すこともできなかった彼が、「サッカーを習う」と自分で決め、「合宿に参加したい」と今回の1泊の合宿に参加することを決めた。

先日YouTubeのおすすめに斎藤ひとりさんの講演会のサムネが表示された。過保護にしている娘の社会人生活を心配する母親の話だった。

ひとりさんはその母親に「あんた地獄に行くよ。地獄にいる人はみんな心配してるんだよ。人は寿命がくるまで死なない。心配という名の低いエネルギーを娘に注ぐな。心配するっていうのは娘の魂を自分の魂をそして神を信じていないんだ。」とそういうことを話していた。

確かに、心配こそ愛のようだが、まるっきり反対で、信じていない「不信」の状態。「あなたの事を信じていない」これが愛であるわけが無い。

息子の自由の翼を親が折ってどうする。うんと自由に羽ばたいてくれ。

でも母は「自由の翼」を聞いてから寝ようと思う。


アピールもままならず、あまり目に留まることのないたぬきちの有料マガジン(マガジンについては下記の記事で概要を説明しています。)を見つけて下さり、関心を持ってくださったnoterさんをご紹介します。

芸能人の書籍ってなかなか食指が動かないたぬきちですが、uchida_momoさんご推薦のお源さんのエッセイ気になっていますꉂꉂ(ˊᗜˋ*)

お源さんについては以前イラスト化しています(上記有料マガジン記事)。

星野源さんにまつわる内容ではないですがꉂꉂ(ˊᗜˋ*)。

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