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中学校教師 #30 教師として幸せな瞬間


4月から中学校で勤務しています。
いずれは小学校に戻ることを考え、この経験を記録に残そうと思います。
異動の経緯や考えは下記参照

私事ですが、人生初の人間ドックを終えました。
フルマラソンに向けて筋トレやランニング、食事も気を遣っていたため、ほとんどの数値は良好。(ま、年齢的にも…)
ただ一つ、数値が悪くなっていたもの

それは

視力です。

思ったよりも悪くなっていてショック。
パソコン仕事が多いのは仕方ないことですが、スマホの使い方などは気を付けてみます。



相似な図形の学習にて

中3、相似な図形の学習です。
相似な図形の性質を確かめたり、三角形の合同条件と比較しながら相似な図形の合同条件を理解したりという学習が続きました。
ある程度、基本的な知識や技能が身に付いた後、平行線と相似という小単元に入っていきます。

相似な図形を証明する力も生かしつつ、課題に取り組みました。
ここでは、追究用紙を4枚事前に配付し、5時間の授業設定内で自分で計画を立てて学習を進めるように生徒に指示をしました。

それぞれのプリントの課題について、一斉授業のような形で説明したり解説したりすることなく、生徒は自分の力で学習を進めていきます。

もちろん、学習を支える上で私も全体を回りながら声を掛けたり、質問に答えたりしました。
また、生徒が同じ班の友達や時には教室内を自由に移動しながら友達に質問することで課題を解決しようとした姿が印象に残ります。

毎時間の振り返りも大切にしました。

その時間ごとに学習の計画を立てていたので、その計画に対する振り返りでは「思ったより進んだ。」や「計画通りいかなかった。」という言葉も見られます。ここで大事なことは、計画通り進めることではありません。
大事なことは、「計画を立てて数学の学習をする自分を知る」ということです。
けテぶれで有名な葛原先生の言葉を借りるなら、「学習力」を高めるためにもこの振り返りが重要になると考えています。

また、それぞれの課題については、私が正答例を用意し、Teamsで正答例を閲覧できる状態になっています。自分で書いた答えを確かめたり、ヒントを得たりと、生徒が自分の学習状況に応じて活用することができました。
さらに、資料をダウンロードして、校内のプリンタで印刷し、家庭学習の中で復習するために活用した生徒もいたようです。校内にある資源を上手に利用した点が素敵だと感じました。


さて、本題へ

平行線と相似という小単元が終わると、単元の最後には「相似と計量」という小単元が待っています。
追究用紙を利用して、生徒が自ら課題に取り組むような設定で学習を始めました。そして、生徒たちは以下のような問題に出会います。

相似と計量の問題 教科書より

△OBC∽△ODA 相似比3:2のため、面積比は9:4
△ODAの面積をX㎠とすると、
9:4=36:X  となり
X=16 となる。

そして、△OABの面積を求めることになるのだが、ここで悩む生徒が続出。
そこで、私は次のような図を板書した。

これは小学5年生でも分かる考え

△OABの面積を求めるポイントは、この章のポイントである「面積比は相似比の2乗と等しい」ではない。
この板書は、小学5年生でも分かる「等積変形」の考えを示したものである。
多くの生徒は板書を見て、自分の解答に生かそうとしていた。
一部の生徒は、この板書でも分からず、私がさらにヒントを与えた。

しかし、また別の一部の生徒は、この板書の途中で
「あーーーーーー!」と叫んだのだ。

振り返ると、とてつもなく良い笑顔。
きっと、私が何を伝えようとしているのかが早い段階で分かったと思われる。

この笑顔を見た瞬間、私は幸せな気持ちになった。
上手に教えたという喜びではなく、生徒が気付き、できそうだという感覚を得たことに喜びを感じた。

教えると教えないの間にあるもの。
最低限は教えつつ、ぎりぎりまで教えない。
いかに生徒が気付き、学び、自分のものにするかが重要である。

また、この瞬間に立ち会いたい。
そのために、授業づくりを本気でやる。



学級のある生徒に言われました。
「先生って、ボクがいないと先生じゃないんだよね。ははは。」

周りの生徒は、
「そんなこと言うなよー。」と笑顔。

でも、本当にその通りなんです。
あなたたちがいるから、私は先生なんです。

だから、どこまでもあなたたちのことを大事に思っているんです。


【「えがお」を大切に  焦らず、誠実に、前向きに】


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