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サウジアラビア、2023年に13.8億ドルのベンチャーキャピタル資金調達でMENA地域(中東・北アフリカ)のトップ市場に

日本語では珍しい(イスラエルを除く)中東、北アフリカ地域でのスタートアップの資金調達に関する情報です。

サウジアラビアのスタートアップが中東・北アフリカ地域で最も投資を集めているというのが興味深いです。

サウジアラビアと言えば宗教的な理由が無いと現地への観光もなかなかままならない国でしたが、自国の産業変化や、周辺国からの流入でトップの座を勝ち取ったものと思われます。


マグニット社によると、金融テクノロジーとeコマース分野における4件のメガディールが投資を牽引した。

サウジアラビアが2023年に13.8億ドル以上の投資を集め、中東・北アフリカにおけるベンチャーキャピタルの資金調達市場で初めてトップになったことが、新しい報告書で明らかになった。

スタートアップ・プラットフォームであるマグニットが2023年に発表した「Mena Venture Investment Summary」によると、ベンチャーキャピタルへの投資が前年比3分の1に急増したため、アラブ世界最大の経済国は2年連続で10億ドルという数字を記録した。

これは、金融テクノロジーとeコマースの分野で、4件のメガディール(少なくとも1億ドル相当の投資)が牽引したものだという。

かつてMENA地域のリーダーであったUAEでの資金調達は、年間45%減の6億9,100万ドルであった。

しかし、アラブ世界第2位の経済大国であるUAEは、前年同期比9%減の158件と、年間約20%減の王国の125件に比べ、依然として地域トップのDeal数を維持している。

2023年第4四半期は、サウジアラビアを拠点とするBuy-now-pay-laterプラットフォームのTabbyFinTechのTamaraのメガ・ラウンドにより、いずれもユニコーンの地位(評価額10億ドル以上の新興企業)を確保し、過去最高の四半期となった。

サウジアラビアは5年連続で成長を遂げています。政府、投資意欲、新興企業によるサウジアラビアへの移住など、あらゆる兆候から、サウジアラビアはこの地域のリーダーとして成長を続けています」とマグニット氏は報告書で述べている。

新興企業の役割は、デジタルの導入と成長の原動力として過去数年間継続的に拡大しており、消費者が便利にサービスを利用できるようになっている。

サウジアラビアとアラブ首長国連邦の両国は、将来の経済に備えるため、デジタルに焦点を当てたアジェンダの重要な柱であるテクノロジー・エコシステムを積極的に推進・発展させている。

両国はこのアジェンダを推進するため、スタートアップ・ネットワークの成長を支援しようと、数多くのイニシアチブを実施している。

これには、メンタリング、市場やグローバル投資家へのアクセスの提供、政府や民間企業が提供する強固な技術インフラの活用などが含まれます。

「サウジアラビアとUAEは回復力を持って浮上した」とマグニット社のフィリップ・バホーシー最高経営責任者(CEO)は報告書に記している。

サウジアラビアは前述したようなイニシアティブに牽引され、UAEの勢いは首長国連邦を地域の発射台として利用する連続起業家やアーリーステージ企業の台頭によって支えられた、と同氏は述べた。

エジプトは30%減の3億7800万ドルで投資額第3位を維持した。一方、バーレーンは投資額が82%減の4,400万ドルとなり、1つ順位を下げて5位となった。

アラブ世界で最も人口の多いエジプトも取引件数で3位だったが、前年同期比59%減の69件となり、サウジアラビアと順位を1つ下げた。

モロッコの取引件数も前年比3%減の28件で、3つ順位を上げて4位となった。トップ5の最後を飾ったのはカタールで、取引件数は前年比42%減の26件となり、順位を1つ下げた。

マグニット氏によると、投下資本の4分の3以上が上位5業種に集中した。

フィンテックとeコマースは、資金調達額でそれぞれ12.8億ドル、5.02億ドル、取引件数でそれぞれ101件、60件と、いずれも1位と2位を占めた。次いで、ヘルスケア、教育テクノロジー、ITソリューションが資金調達額で続いた。

取引件数では、エンタープライズ・ソフトウェア、輸送・物流、ヘルスケアが上位5位を占めた。しかし、この上位5セクターは、2023年には合計で40%の減少を記録した。

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