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まるっと愛してしまえばいい

私はせっかちだ。
私よりせっかちな母からは、あんたはのんびりしていると言われてきたので自分がせっかちだという自覚がなかったが、しっかりせっかちに育った。
見通しがたつまではとにかく全体像を把握することに時間をかけ、見通しがたった時点でさくっと片付ける。
これが自分の中で一番気持ちの良い形。

一方恋人はのんびりしている。
私がみている限り、もうその話はなくなったのかなと思うくらい時間が経ってから、急に計画をたてたり行動にうつしたりするので、毎回驚いてしまう。ずっと頭の片隅にあって、忘れたわけじゃないらしい。

せっかちな私は時々待てない。
相手には相手のペースがあるとわかっていても、なんだかチキンレースをやっているような気分になるのだ。こういうときは急かしてもダメだし、勝手に進めるのもダメ。彼には彼のペースがあって、自分でお膳立てしたいタイプなのはわかっているので、そっと見守るししかない。
わかっていても、待てなくなる時もある。

こういうとき、私がせっかちだからダメなんだ、わがままを言って困らせてしまった、と落ち込んでいたけれど、よくよく考えたらこれはペースをどうあわせていくかの話であって、どちらかがいいとか悪いの話ではないことにふと気付いた。

ついつい、白黒つけたくなる癖が出てしまうけれど、ここはぐっと我慢。
待っていればいつか叶う。ただ、それは私が思っているよりもずっと遅い。ということをとにかく頭にいれておいて、あとは一旦そのことを考えないようにする。締め切りがあるものなど、どうしても早めに決めないといけないことは、そっと締切を示した上でエンジンがかかるのを待つ。

とにかく待つ。
せっかち族が聞いたらうえぇとなりそうなワードだけれど、とにかく待つのが一番良い。私が全て決めてしまえば早いけど、彼にとっては居心地がよくないだろうし、常に急かされるのもいい気はしないだろう。

そういうことはしたくない。
だから、私が待てる範囲は待って、これ以上待てないときは待てないと伝える。そうやって、シンプルに考えることにした。彼をみていると、嫌だから先延ばしにしているわけではないようで、いざ計画をたてるとなると私以上にワクワクしていることも珍しくない。

すれ違いって、きっとこういう些細な違いを理解できないところから始まるんだと思う。でも実際は、構造の差というかペースの違いなだけだった。
理解できれば単純で、全然落ち込むようなことではなかったのだ。

ちょっと凸凹しているけれど、これはこれで私たちの形。
そうやって丸っと愛してしまえばいい。

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