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1月の読了

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正体

Audibleにて。
幼い子供を含む家族3人を殺害し、服役中だったが脱走した未成年死刑囚、「カブラギケイイチ」。
介護施設、労働環境が劣悪な工事現場、様々なシーンに現れる謎の青年と周囲との関わりがとても丁寧に緻密に描かれていて、ずっと集中して聞いていられました。
特に、一人暮らしの女性との章の終盤は息をのむ展開で、聴きながら体にずっと力入ってた。スピード感と、焦りと、緊張感がすごかったな・・・

割と早くに真実に気づいちゃった、と思いきや、最後の方でもう1つドカンとひっくり返されます。いやあ面白かった。

不機嫌は罪である

先日齋藤孝さんのご講演を聞く機会があったのですが、話術、ご機嫌で朗らかな雰囲気、話の聞きやすさ、次々に出てくる知識の内容&深さ…全てに感服。その足で書店に寄り、買って帰りました。

社会で仕事をする一人の大人として、「不機嫌」がいかに損をするのか、そして上機嫌を保つにはどうすればいいのか。
新書サイズですが、あらゆるメソッドが具体的に詰まっていて、すぐに取り入れやすそうなものばかりでした。

知的な人間はやたらとニコニコと愛想よくふるまわない、作家や学者というのは根暗で不機嫌なものだという風潮が根強く存在しています。(中略)
まず正しておきたい誤解が、知性と機嫌は決して結びついてはいないということです。上機嫌と頭がいい状態は両立します。
機嫌というのは、理性や知性とは相反する分野のように思われがちですが、気分をコントロールするというのは立派な知的能力のひとつです

私が一番刺さったのは「自分を常に一定の状態に置くという意識」を持つということ。自分の上機嫌・不機嫌の勾配が激しいのがずっとコンプレックスなので、改めて大事なことなんだと感じました。
ずっと上機嫌でいろ、ということではなく、斎藤先生の言葉をそのまま使うなら「おだやかな上機嫌」を保つ。こうするために、私は最近常に頭の中に”感情の波曲線”のようなものを思い浮かべ、この波の振幅をできるだけおだやかに動かすよう意識して過ごしています。

また、これも上機嫌を保つ心の習慣のひとつとして「シチュエーションに合わせた音楽を決めておく」ということが紹介されていますが、私が最近ルーティンとして続けているのが「Perfect Day(Lou Reed)」という曲を仕事帰りに車でかけながら帰ること。

2023年のカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞受賞、そしてアカデミー賞にもノミネートされている「PERFECT DAYS」という映画に使われている曲で、映画を見た後の、この曲による感情の揺さぶられ方がもう半端じゃない。
仕事でうまくいかなかったとか、反省すべきことがあったとか、泣きたいような帰り道でも「Perfect Day」を聴きながら帰るとそんな一日すらも美しく昇華してくれます。
負の感情をリセットする・忘れてしまうのではなく、いいことも悪いことも全てをぎゅっと糧にしてくれる、そんな感覚。


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