6月の読了
平家物語 犬王の巻
アニメ映画「犬王」を見終わった後に読んだ原作本。
犬王とは室町時代の猿楽師で、観阿弥世阿弥と人気を二分したとされる実在の人物(しかし記録はほぼ残っていないそうで、歴史の授業などでその名を目にすることはない)。その犬王を題材とした物語。
えっと、凄かった。これが古典なのか。文章が軽やかに鮮やかに飛び跳ねていた。短文や句点の多用、行間の時間軸の速さ、触れたことのない日本語の表現とふりがな。だけど読みにくい訳では全くなく、次はどんな表現が出てくるのだろう、と終始わくわくが止まらなかった。それらの表現に”お洒落”だなとさえ思った。
アニメではどうしても描ききれず説明が足りない部分、場面の展開とそれらの理由が原作を読むことで超納得できて、平家物語の奥深さやそれぞれの心情、いろんなものがぶわーーっと押し寄せる。平家物語って、こんな面白いんか。
「醜」の塊として生まれてきた犬王。平家の怨念により視力を失い、のちに琵琶法師となる少年友一。
少しずつ醜を剥ぐ犬王、犬王を歌い有名になっていく友一。ドラマティックで、疾走感あって、盛り込まれている史実も面白くて、いや〜〜面白かった!!
ジヴェルニーの食卓
何度読んでも飽きない、大好きな傑作。
マティス、モネ、ドガ、セザンヌ。印象派の巨匠たちの晩年を美しく鮮やかに描いた短編集。東京都美術館で開催中のマティス展へ行くにあたり、初章の「うつくしい墓」をもう一度読み返した。
ある老婦人が、若かりし家政婦時代を懐かしく振り返りながらマティスとの出逢いとそこで流れたみずみずしい、優しい時間を語る形式で進むお話。
この貴婦人の語り口が本当に上品で、微笑ましくって、読んでいるこちらまで優しい気持ちに包まれる。読者が当時のアパルトマンにタイムスリップして、柱の陰からこの情景を見守っているような臨場感と描写は本当に原田マハさん、さすがすぎる。
マティス展では物語に出てくるマグノリアの花やロザリオ礼拝堂に関する展示も多くあって、読んだ後に目にする作品たちはより親近感が増すような、描いた瞬間の感情が伝わってくるような、マティスが目の前にいるような、そんな感覚になれた。
マティス展に行く予定がある方はぜひ読んでほしい一冊。読んだ後に目にする「マグノリアのある静物」はきっと特別な作品になる、はず(^^)
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ここ数ヶ月、少しずつものを減らしている私。全てを実践するのは難しくてもエッセンスを吸収して真似できるものから真似すると、少しずつ身軽になっていくのがわかって気持ち良い。
「ものを減らす」という物理的なミニマリズムだけではなく、「生活における負担を減らす」とと言う広いテーマでさまざまな考え方・知恵を授けてくれる1冊。
たとえば、「限定ものではなく定番ものを買う」。
お気に入りがいつでも買えるのは安心感があるし、過剰なストックも必要ない。お店で迷うことがないので時間の節約にもなる。Amazonの定期便を使えば買いに行く手間すら不要になるし安くもなる。
良いとわかっているものを手早く買って、選択疲れや買い物失敗のリスクを手放していきたい。
もう一つ、「利益をもたらす人間としか付き合わない」。
なかなかストレートな言葉だけど、HSP気質であらゆる人の顔色を伺って機嫌を敏感に捉える日々を送る私にとってはとても救われる言葉だった。
誰にでも優しくて誰とでも仲良くて、なんて素晴らしいけど少しは自分本位でいないと心がもたないのでね。
仕事を円滑に進められる程度のにこやかな人間関係で。でもプライベートには適度に線を引いて。それが最近のテーマ。
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