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4年ぶりに帰省したチェコとスロバキアで気づいたこと

どうも、スロバキア出身のベロニカ(@verodesu)です。



「チェコとスロバキアに行ってきます!」

とバンコクの友達に告げると

「お!いつぶり?」

と必ずみんな聞いてくれる。

「4年ですね!」

というと皆に驚かれた。

4年も地元に帰ってないことは、相当珍しいようだ。

確かに、その気持ちが分からなくもない。

ワクワク感に不安もあった。

友達と兄弟に会うのはとても楽しみだったが、親がちょっと大変な性格なので、行く前からすでにストレスを感じていた。

ということで、複雑な気持ちでありながら、ヨーロッパへ向かった。

・・・

バンコクで飛行機に乗る前に、すでに逆カルチャーショックを受けた。

「みんな、でかい!金髪多い!」

ヨーロッパ行きの飛行機だったから、ボーディングの時点で、驚いているスロバキア人の私がいた。

やっぱ、アジアにいすぎたせいか、こういう気持ちに、ヨーロッパに帰る度にどうしてもなってしまうようだ。

こんなちょっとしたことで驚く私は、もはやヨーロッパ人ではないという気持ちになるほど。

・・・

飛行機に乗り、ミュンヘンへ向かう。そして、乗り換えてウィーンまで飛ぶ。
機内食、客層、CA・・・全てから「ヨーロッパ!!!」と叫んでいる。

ヨーロッパ旅行に来ている人なら、きっとワクワク感がたまらないのに、帰省の私は楽しみながらもやもやしていた。

この長旅で唯一うれしかったのは、ミュンヘンの乗り換え時、イミグレを通らず自動ゲートをくぐったときだった。

いろんな国を回りながら生活しているからこそ、シェンゲン(EU)に戻るとビザや滞在期間を気にしないで済むからだ。

「帰った!」と実感する。

ウィーンの中央駅まで辿り着き、プラハ行きのチケットを購入し、始発まであと2時間あるので、中央駅内にあるオーストリアビストロに行ってみた。

ビールのオススメと現地料理を頼み、「ビールうまい!料理しょっぱすぎる!プレッツエルうまい!」という味のジェットコースターだった。

右にあるお肉はピザ味だと言われたけど、全く違ったw

ウイーンに何度か行ったことあるけど、今回は別にいなくてもいいという気持ちだった。とにかく早くプラハに辿り着きたかった。

・・・

バスの運転手さんがチェコ人だったため、ものすごく久々にスロバキア語で話した気がする。

海外へ行ってスロバキア語やチェコ語で話してくれる人がいないので、ちょっと寂しい。

しかも、読み書きは完璧なのに、会話になると単語を思い出せなかったりする脳みそになってしまっている。だから、久々に外国語ではなく母国語で話せて嬉しかった。

・・・

バスからチェコの景色を眺めながら、思った。

「見慣れてる景色や街並み。この国で9年過ごしたもんね。プラハに着いたら迷いなくどこへ行けばいいかわかるし、同様に、スロバキアに帰ってもそう。なのに、チェコにもスロバキアにも、私の居場所がもうないなあ」

「寂しい」
「その考え方変なの」
「ヨーロッパ不慣れでもした?w」
「アジアにいすぎ」

などと思われても、知らない。

私は大昔から、好奇心も直感も強いし、直感で動く人なので、「進んだ」「成長した」としか思わない。その分、母国での居場所を失ったように感じているだろう。旅税というか海外税と勝手に呼んでいる。

定住すると様々な税が発生するのと同じように、旅しながら生活すると得るものが多ければ失うものも多い。

海外生活をどんなにキラキラした世界に見えても。

プラハ城

泊めてくれるとても仲いい友達は、首を長くして待ってくれていた。

着いた途端、ビールで乾杯し、シャワーを浴びさせてもらったし、部屋にあるテラスでBBQの準備をしていた。

その友達は、私がタイとジョージアにいた時にも遊びに来てくれたし、毎日真面目な話もふざけた話をしていても飽きない大好きな友だ。こういう友達がいるから長旅の疲れがぶっ飛び、不安などを忘れる。

自由にいられるとは、たぶんこういうことかもしれない。

プラハ城から見下ろす百塔の街であるプラハ

翌日のランチ。

チェコ料理を求めて、部屋の近くにある料理屋さんへ向かった。

スタッフがとても丁寧でありながらさり気なく会話をしてくれて「あ!!これだ!!!」と興奮している私がいた。スタッフはプロで、親切。

日本のマニュアル通りの振る舞いとは、全然違うプロ意識。単純にお喋りなだけかもしれないけど、線を超えない。

実は、チェコ飲食店のサービスが昔結構酷かったので、ここまでスロバキア人スタッフに似てきたのは正直にいうと嬉しかった。

チェコ料理
15世紀の天文時計

プラハに住んでいる色んな大学の友達に会うのは、個人的に面白かった。みんなは東チェコにある町で出会ったのに、ベロニカが離れている間、仕事のためプラハに住みだした。

しかし、場所が関係なく、大好きな仲間と時間が過ごせるだけで、非常に嬉しかった。

話を聞いている中で、一番印象に残っている話は、二つある。

この数年で元々家賃が高いプラハがさらにめっちゃ値上がりした。

そして、普段毎日のように飲んでいた友達は今や、飲んでも週一だ。

チェコはこういう傾向らしい。ビールの1人当たりの消費率でドイツをずっと超えるチェコだよ?!?!

素直に自分の耳を疑っていた。

何があったかよく分からないが、現在チェコはこういう感じだそう。特に首都のプラハはね。

にしても、年配の方と若者の飲み方が確かに変わっている・・・

国立博物館にて

プラハを観光していろんなチェコ料理を食べて、東チェコにあるベロニカが大学で勉強していた町へ移動。

この町でほぼ9年過ごしたのは、もう前世というか夢のようだ。

オロモウツにある世界遺産として登録されている聖三位一体柱
オロモウツのチーズが臭いと言われる発酵チーズ
納豆好きなら好きそう


いざ母国のスロバキアへ!

チェコとスロバキアの国境はとても分かりやすい。チェコは大体平らだが、スロバキアは山が多いので、丘が山に変わり国境だと分かる。

スロバキアの山を想像したいなら、東北へ行ってみてください。秋田県の山がザ・スロバキアって感じ。スロバキアは湧き水が飲み放題で、自然が豊富で、温泉もあり、リンゴが美味しい。

そういえば、青森県でリンゴジュースを飲んだことがあるんだけど、「スロバキアの味だ」と感動していた。

とにかく、スロバキアと東北が色々と似ているのは確か。

トレンチーン ~ 私の地元

地元に着くと、早速家族に会う。久々の再会だけど、大ニュースの爆弾ばかりだった。

SNSあるのに、何でこんなに大事なことを教えてくれないのか?と強く思った。4年ぶりの再会なのに、帰省即疲れw

翌日、近所の友達がBBQに誘ってくれたということで、ワインを買って行った。

行ってみて初対面の人も結構いたんだけど、それよりびっくりしたのは、赤ちゃんの人数だった。後からも、スロバキアのあっちこっちへ行っても、赤ちゃんが多かった。何があったのか、気になり幼馴染に聞いてみた。

「あれはコロナベイビーズよ!」と笑いながら教えてくれた。

どうやらコロナ禍の規制で、人があんまり外へ出れなかった結果だw

個人的にウケたw

そして、好奇心が強いので、ついGoogle先生に出生率と死亡率について聞いてみた。

それでなんと!見渡す限り赤ちゃんは増えていると言っていいのに、スロバキアは去年、17年ぶりに死亡率が出生率を超えたというニュースが判明。どっちもコロナが関係しているだろうが、今年や来年のデータを観ないと、ただの予測に過ぎない話だ。

スロバキアを18歳の時に出たので、来る度に感動するのは、スロバキア語の綺麗な音と、サービス業の方のプロ意識と親切さと、人の優しさだ。

スロバキア語の音とメロディーが柔らかくて可愛くて好き。

サービス業の方は、プロでありながら、マニュアル通りの感じは一切せず、親切で丁寧に(できる範囲で)何でも応えてくれる。

仕事だからとかいう人もいるかもしれないけれど、スロバキア人がとても親切だと思う。日本人の友達が来ても「みんな、めっちゃ優しい」と感動するほどだ。ウェルカムで優しくて、おもてなしが半端ない。

そして、みんな優しいんだけど、同時にネガティブで皮肉たっぷりの会話が特徴的だ。スロバキアにいた時に普通にできていたやり取りを実はもうしんどく感じる。そして疲れてしまう。もう慣れていないね。

チェコとスロバキアもそうだけど、今回の旅は料理との戦争だった。親知らずを抜いて一週間の液体食生活も間違いなく関係しているけど、一人前の皿を頑張って食べても半分も食べれなかった。味もしょっぱかったり、濃かったり、色々と重かったので、余計に。

しょっぱいチェコの料理はもはや苦みのあるビールのために作られたものみたいだ。スロバキアの料理はチェコ料理に比べれば、そこまでしっぱくないけど、小麦粉とチーズばかりですぐ満腹になる。

スロバキア料理

食べきれず満腹なのに、ワインとビールだけを永遠に飲み続けるw

不思議w

いや、めっちゃ美味しいから!!


タトラ山脈

「4年ぶり母国に帰るなんて想像できない!」

「やばい!」

などの反応があったけれど、私からしたら仕方がなかったことだ。

4年前に、人生をゼロから再起動することになり、色々頑張ってきた。現在、同じような感じなので、次回いつスロバキアとチェコを訪れるかは分からない。しかし、とりま頑張る!

だから、今回の4年ぶりの訪問と同じように、母国はどのように変わっているのか、どんな発見があるのか、すでに楽しみだ。

わけがあって国を出たのは確かにそうだが、未練があるからか、嫌いにはなれない。

むしろ、もともと好きだった国だけど、離れてみてさらに好きになったかも。手に入らない恋人のように。






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