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緊急事態宣言延長中 ~ファウチ博士とブラッド・ピット

NY州アンドリュー・クオモ知事の弟、CNNキャスターのクリス・クオモがスタジオに帰ってきた。クリスは兄弟インタビューでブルドーザーのように働くお兄ちゃんに「ママのレシピのスープを届ける」と言った直後に、コロナ陽性と判明し、自宅隔離生活に入った。

約3週間強くらいの間、自宅の地下から闘病・隔離しながらも番組の出演を続けた。コロナで命を落とした医療関係者へのインタビュー、遠隔映像を用いながら遺族の1人1人に心を寄せた。必ずクリスは「(彼/彼女)はどんなお人柄でしたか?教えてください。」と質問する。その質問があるからこそ、コロナで命を落とした人の人生、人となりが思い起こされ、犠牲者の数が無機質な数字ではなくなる。これが実名報道ができる国の強さだと感じた。また、あるときは自宅地下と専門家と、スタジオの代打キャスターをそれぞれ遠隔映像で繋いで、自分の肺のCT画像をさらけだした。真正面からは判りにくいが、側面から見ると、明らかに白くうつる部分が素人目にも確認できた。クリスは闘病最中に自分を取材対象として自らまな板の上に乗った。

そうした彼のチャレンジングなキャスター業を影で支えたのが、ホワイトハウスのコロナ対策チームを率いる、ファウチ博士(御年79歳)であることを初めて知った。番組が終わった頃合いをみて23時すぎに電話で、クリスの体調だけでなく、妻・子供の体調まで毎日欠かさず気遣ってくれたことに感謝の意を述べながら、「どうしてそこまでしてくれたのかい?何故?」と。ファウチ博士は少し照れながらも「友達だし、チビッ子の頃から知ってるし…。」今日明日は良くても、容態が急変するこの厄介な病の特性を改めて話しながら、闘病しながらキャスター業に邁進するクリスの身を按じていたことを明かした。万が一も考えていたのだろう。クリスは改めて人間味(humanity)を持ち合わせたサイエンスでアプローチするファウチ博士に謝辞を述べた。

経済活動再開を急ぐ’あの’トランプ大統領の意向があろうとも、ファウチ博士は「いまソーシャルディスタンスのガイドラインを緩めてしまえば夏にリバウンドがくるので、時期尚早。」と警告している。政治とサイエンスが独立している。ファウチ博士率いるコロナ対策チームと日々の統計データが信頼を得ているからこそ、トランプ大統領も振り上げた拳をいったんおろす格好となった。

ここからが、アメリカだなぁっていう展開。

キャスター:「モノマネしてもらうなら、どの俳優がいいですか?」

ファウチ博士:「いいよぉ、やめてよぉ、そんなの、いいってば。(照)」

キャスター:「じゃ、こうしましょ。ベンスティラー?ブラットピット?どっち?」

ファウチ博士:「もちろん、ブラッドピット!(笑)」

→ これを実現するのがアメリカ。

ブラットピット(モノマネ中):

「トランプ大統領のいう’’ワクチンはわりと早くできる(relatively soon)’’って妙な言葉づかいだ。考えてご覧よ、友達と待ち合わせのときに自分が'’わりと早く行くよ’’って言っておいて1年半後に行ったとして、友達は怒るだろ?」とくる。そして、最後におもむろにカツラとメガネをとって、ファウチ博士への賛辞、そして全米の医療従事者・その家族への賛辞を述べるのだった。(拍手)

現実が映画を超越してる!

YouTube もリンク貼っておきます。

これを見た、ファウチ博士の喜ぶインタビュー映像もみた。ブラッド・ピットのファンらしいのだが、まだ会ったことがないそうだ。...これもいつか、夢叶うのではないかとひそかに期待せずにはいられない。

ポリティクス(政治)、サイエンス(医療・科学)、ジャーナリズム(報道)、エンターティメント(芸能)の厚みを感じる。

ところで、日本ならば、尾身氏を…どなたがモノマネしながら首相を茶化せますか?

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