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『なかったことにする』病

いま海外のニュースやツイートを見る限り、あからさまに我が国は浮いた存在となっている。

私がTwitterで見かけた米国発ツイート
〈これがデイストピアか!〉
〈小説の中に我々は生きているようだ!〉

日本語でこのようなツイートをすれば、すぐに不安を煽ったと非国民の扱いを受けよう。
さしずめ〈反日だ!(反政権)〉と。

先日NY州クオモ知事の記者会見の様子をロイター通信の中継で見ることができた。
知事からのメッセージは概ねこのような中身だったと記憶している。

[ロイター公式Twitter]

https://twitter.com/Reuters/status/1239921620514414593?s=19

〈封じ込めまでに3か月、6か月、9か月...いったいどれだけの時間がかかるのかわからない。しかし、いま検査・隔離をどれだけ徹底できるかどうかが感染爆発のピークを抑え、医療体制を維持することに繋がる。ICUのベット数はこれだけ(モニターに表示)。このような感染症はいずれまた我々の前に現れるだろうから、その時に今現在の経験を活かそうではないか。この局面では真実が何よりも重要となってくる。私が知り得たことは直ちに市民へ伝える。god bless you〉
佇まいそのものにリーダーシップがみなぎっていた。

それにひきかえ、日本はどうだろう。
〈(永遠の)1~2週間〉〈クラスター〉〈医療崩壊〉という言葉を振り回して、感染爆発はなかったことにするようだ。※加えて〈オーバーシュート〉?山本七平氏 の言葉を拝借すると ≪言葉の偶像化≫という現象なのだろう。科学や真実の前に不遜な態度をとりつづけてきた為政者のもとに生きている国民は本当に不幸だと思う。国営放送もトーンポリッシングに躍起になっている。官公庁の公式Twitterアカウントがデマを垂れ流し、特定の民法放送番組を攻撃にかかる。タガが完全に外れてしまっている。

振り替えって、東日本大震災という未曾有の災害から、避難所1つとっても学んだ形跡がない。いまだに、ひとたび災害が起これば被災者は体育館で雑魚寝だ。原発事故の放射線量も測らなければ、小児ガンとの因果関係も『なかったことになる』。フクシマを取材するメディアに圧力を加える。フクシマのことをツイートするTwitterアカウントは凍結する。〈風評被害〉という四字熟語をやたら振り回すことにより、タブー化される。これが我が国の〈アンダーコントロール〉と感じている。

グラフ参照
https://twitter.com/dorfman_p/status/1240116529594851331?s=19

まず我が国に絶望的に足りないのは真実と向き合う度量だと思う。危機的状況、ツラい経験は『なかったことにする』ことで乗り越えるのは、100歩譲って精神療法としては認められても国家の政策としては如何なものか。

森友事件の公文書改竄も『なかったことにする』病の原理が働いたものと私は思う。敗戦時に公文書を焼いた煙が立ち上ったときと同じ。

[朝日新聞記事]

https://www.asahi.com/articles/ASL8565LPL85UTIL01R.html

この国の病理は根深い。

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