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10/16 世界食料デーに思う「生きる」ということ

担当者:井口

You are what you eat - あなた自身はあなたが食べたもので出来ている。

世界の終わらない食料問題

本日10/16は、国連が定めた世界食料デーです。
本日から1ヶ月間に渡り、「飢餓や食料問題について考え、解決に向けて一緒に行動する」ために定められました。

現在、世界では、すべての人が食べられるだけの食料は生産されているのに、9人に1人が十分に食べられていません。近い未来には、深刻な食料難に直面するといわれていますが、先進国でのフードロス問題等、様々な問題があります。

国連によれば、世界人口は、2050年には、72億人から98億人へと増加すると予想されています。この世界の人口増加という巨大な波を目の前にして、今後起こりうる飢餓人口の増加に向けた対策が急務とされています。

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あなたにとって「食べる」とは?

言うまでもなく、あなたが口にしたものが、血となり、肉となり、細胞の一つとなり、あなたの心身を作り上げます。そして、心身を作り上げるだけではなく、「だれと食べるか」で自身の家族・友人・コミュニティのありがたみを感じることできたり、「何を食べるか」で自身の文化やルーツを感じることができたり、「どうやって食べるか」で、独自の傾向や好みを再認識することが出来ます。

 もちろん、住む世界や環境によって「食」に対する価値観は大きく変わってくると思います。

 私は学生時代を海外で過ごしたのですが、フィリピン人の友人の家では、昼夜関わらず常にテーブルに大量のフィリピン料理が10品程並んでいて、それは「お客さんがいつ来てもいいように置いている」そうです。フィリピン人ならではの、おもてなし精神から来るものですね。さらに、私のコロンビア人の親友と深い話になった時に印象的だったのは、「人生で必要なことって何?」という質問に対しての彼女の回答は、

1. 家族  2.友達  3. 一杯のスープ

というものでした。お腹が一杯にならなくてもいい。少量のスープをそれを一緒に食べれる家族・友人が周りにいればそれ以上は望まないというものでした。

「食べる」から見えてくるもの

今日は、私が現在猛烈にハマっているグルメ番組を少し紹介したいと思います。
その名も、「ハイパーハードボイルドグルメリポート」と言い、「食」を通して究極的な形で「生きる意味」を問われる、そんな番組です。

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ゴミ山に住むアフリカの少年兵が食べるお米。
難民として安心して暮らせる場所を目指す、トルコの少年が食べるスパゲッティ。
シベリアで一般社会と断絶される少年が食べるボルシチスープ。
アメリカに住む男性がめったに会えない娘と食べるフライドチキン。

様々な人間模様そして、時には社会や政治的背景から見えてくる「生きる」ことの難しさを目の当たりにすると、必然的に、「食べることはシンプルに生きること」なのだと痛感させられました。

だからこそ、食の現場に全てが凝縮されていることを知らさられます。

あるときは、ケニアのゴミ山で生活を余儀なくされる少年に密着していました。
ケニアでは、ゴミはお金になるので、利権争いが起こり治安が非常に悪いそうです。そんな劣悪な環境で暮らす少年にケニアのゴミ山で暮らす少年の作ったお赤飯を勧められた日本人ディレクターが、喜んでそれを口に運び、満面の笑顔で「美味しい」と答えた時、その人間性に心が動かされました。

「イマ」私たちが出来ること

過酷な環境で生きる人にとって、正しいのか?間違っているのか?幸せなのか?不幸なのか?というよりは、

どんな過酷な状況でも、「あなたも食べる?」と誰かとご飯を分かち合えることが、人間の食の持つ尊厳の形なのではないかと思います。

日本で日常を送る私たちでも、「誰と何を食べるか」を意識することで、日常の当たり前に感謝をすることが出来ます。さらに、「他者と食べ物を分け合うゆとりを持つ」ことで、周りの人に幸福を分け合うことが出来るのではないでしょうか。

この機会をきっかけに食が与えてくれる価値について今一度考え直し、
実際に世界でイマも多く存在する食べるために生きる人が、質(食を通じた喜び)と量(健康が保たれるほどの十分な食べもの)が保障される日が来ることを心から願っています。

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