VESSEL Corporation (うつわのレンタル)

購入からレンタルへ。 料理を目で愉しむための一流の「うつわ」。 使いたくても使えなか…

VESSEL Corporation (うつわのレンタル)

購入からレンタルへ。 料理を目で愉しむための一流の「うつわ」。 使いたくても使えなかった、あの「うつわ」が使えます。 VESSEL Rental Serviceは、飲食店でつかう 「うつわ」を多彩なラインナップからセレクトできる、 日本初のレンタルサービスです。

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青磁

本日は、青磁 (せいじ) についてご紹介。 薄く透き通るような青緑色に気品を感じる「青磁」。 青磁とは、青磁釉を施した磁器または炻器のことです。 ❖「青磁」の歴史 その起源は紀元前14世紀頃の中国、殷の時代とされています。「封神演義」の時代ですね。なんとその歴史は3400年。その後、後漢の代 (3世紀頃/「三国志」の時代です) に流行し、普及したようです。その製造技術は近隣の日本や高麗(現在の朝鮮半島)、東南アジアなどにも伝播していきます。 本来その形は、宗教的な儀式

    • うつわつくりの作業工程について vol.4~本焼~

      久々の更新となってしまいました・・・。 その間に年が明けてしまいましたね。 新年あけましておめでとうございます! さて、うつわつくりの作業工程についてご紹介する連載の最終回。 「土づくり」「成形」「装飾」に続き、「本焼」です。 過去3回のnoteは ↓  装飾までを行ったら、いよいよ本焼。 土の質にもよるのですが、一般的に1100℃~1300℃程度の高温で焼きます。 焼き上がりや熱効率に考慮し、細心の注意を払いながら窯詰めしていきます。 窯にもいくつか種類があり、「薪窯

      • うつわつくりの作業工程について vol.3~装飾~

        うつわつくりの作業工程についてご紹介しています。 「土づくり」「成形」に続いて「装飾」です。前回&前々回のnoteは ↓  成形が完了したら、すぐに焼く・・・のではありません。 「装飾」という工程が必要になります。目指すうつわの仕上がりによって、省略する工程も出てきますが、おおまかに解説していきます。 ①乾燥 成形したばかりだとまだ土は乾いていませんので、容易に形が崩れてしまいます。そこで、約10日間ほど素地を乾燥させます。乾燥が不十分だとひび割れることもあるので、こまめ

        • うつわつくりの作業工程について vol.2~成形~

          うつわつくりの作業工程についてご紹介。 vol.1「土づくり」に続いて「成形」です。前回のnoteは ↓  土づくりが完了したら、いよいよ形を整える「成形」という工程に入ります。陶器つくりというと、いわゆる「ろくろ」を回して作る光景が一般的かと思います。 しかし、成形方法には幾つかの方法があります。主な方法をご紹介します。 ①手びねり 土を平らに延ばして底を作り、その上にひも状にした土を積み上げていく手法です。「手びねり」もしくは「ひもづくり」と言います。土の塊を指で押

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        • うつわの雑学
          17本
        • VESSEL Rental Service
          10本

        記事

          うつわつくりの作業工程について vol.1~土づくり~

          今回は、陶器の作業工程について。 一般的に「陶芸」というと、ろくろを回してかたちを整えていく工程がイメージされますが、てづくりの陶器は、その他にも様々な工程を経て完成するのです。 まずは「土づくり」。 もちろん、土ものと言われるからには土が大事です。 工程を解説していきます。 ①採土 焼き物に適した粘り気のある土(原土)を採取します。 土地によって成分はさまざまで、焼き上がりにも特徴が出てきます。 焼き物に向く土の条件としては「耐火性があること/1200℃以上の高熱に耐え

          うつわつくりの作業工程について vol.1~土づくり~

          世界陶磁器めぐり~ヨーロッパ編④「アラビア」~

          「世界陶磁器めぐり」の第4回です。 イギリスから北へ。北欧・フィンランドに向かいます。 北欧食器と言えば?の問に代表格として名前があがるのが「アラビア」です。 ❖アラビアとは? アラビアの興りは1873年。フィンランドの首都・ヘルシンキ郊外にあるアラビアという土地にて設立されたのですが、この窯をつくったのはスウェーデンの陶磁器ブランド・ロールストランドでした。 なぜスウェーデンの会社がフィンランドで生産をはじめたのか?それは設立当初のアラビアが、ロシア向けの製品であっ

          世界陶磁器めぐり~ヨーロッパ編④「アラビア」~

          世界陶磁器めぐり~ヨーロッパ編③「ウェッジウッド」~

          「世界陶磁器めぐり」の第3回です。 前回の「ロイヤル・コペンハーゲン」のデンマークから海を渡り、イギリスに向かいます。今回は「クイーンズウェア(=女王の陶器)」として名高い「ウェッジウッド」。 ❖ウェッジウッドとは? ウェッジウッドとは、1759年にジョサイア・ウェッジウッドによって設立された260年ほどの歴史をもつ陶磁器メーカー。ロイヤルドルトン社と並ぶ世界最大級の陶磁器メーカーであり、主に高級食器を製造販売していますが、近年ではアクセサリーやタオル、テーブルクロスな

          世界陶磁器めぐり~ヨーロッパ編③「ウェッジウッド」~

          世界陶磁器めぐり~ヨーロッパ編②「ロイヤルコペンハーゲン」~

          前回に引き続き「世界陶磁器めぐり」と題して、世界各国のさまざまな陶磁器をご紹介します。 今回はデンマーク産と言えば!な、「ロイヤルコペンハーゲン」です。 ❖ロイヤルコペンハーゲンとは? ロイヤルコペンハーゲンとは、北欧・デンマークの陶磁器メーカーであり、正式名称は「ロイヤル・コペンハーデン陶磁器工房 (The Royal Copenhagen Manufactory) 」と言います。コペンハーゲンはデンマークの首都にして同国最大の都市で、自治市の人口は81万人。「北欧の

          世界陶磁器めぐり~ヨーロッパ編②「ロイヤルコペンハーゲン」~

          世界陶磁器めぐり~ヨーロッパ編①「マイセン」~

          今回から「世界陶磁器めぐり」と題して、世界各国のさまざまな陶磁器をご紹介します。まずはヨーロッパの・・・・超王道からいきたいと思います! マイセンです。 ❖マイセンとは? ドイツのマイセン地方にて生産される白磁器の総称であり、名実ともに西洋白磁の頂点に位置する、とされるのがこの「マイセン」です。 ドイツ語綴りはMeißen。 マイセンはドイツ東部のザクセン州ドレスデン地方マイセン郡の郡庁所在地であり、人口は2万8千人の工業都市。 マイセン陶磁器の他にはワインが有名です。

          世界陶磁器めぐり~ヨーロッパ編①「マイセン」~

          「陶器」と「磁器」の違いについて

          こんにちは。 もう10月になるというのに、今日の東京・杉並は日差しが強く、ちょっと暑いです。台風も過ぎ去り、少しづつ過ごしやすくなるといいですね。 さて、今回は「陶器」と「磁器」の違いについてです。 基本中の基本とされていますが、ぱっと出てこないことも多いかもしれません。 よくご存知の方はおさらいまでに、どうぞお読みください。 ❖「陶器」とは? いわゆる「土もの」と呼ばれるうつわです。 素地の原料は「陶土(とうど)」と呼ばれる精製した粘土で、吸水性があるのが特徴です。ロ

          「陶器」と「磁器」の違いについて

          うつわの寸法について

          今回は、うつわの大きさの測り方について。 うつわの大きさを測るには「尺貫法」を使用するのが通例となっています。尺貫法は長さ・面積などの単位系のひとつで、東アジアで広く使用されています。尺貫法という名称は長さを「尺(しゃく)」、質量を「貫(かん)」とすることから名づけられていますが、「貫」は日本独自の単位のため、中国では「尺斤法」と言います。日本では計量法により、1958年限りで取引や証明など正式な書類に尺貫法を用いることは禁止されており、日常生活でも尺貫法を使用する機会はま

          吉沼硝子

          本日は弊社にて扱っております「吉沼硝子」をご紹介いたします。 平成28年4月に創業100周年を迎えた、東京台東区に本社を構える硝子食器メーカーです。 ❖吉沼硝子 吉沼硝子の歴史のはじまりは、大正5年4月。 初代吉沼子之吉が吉沼商店を創業し、戦後に二代目吉沼隆四郎が吉沼硝子株式会社を設立し、その後、昭和~平成~令和と事業を受け継いで今日に至ります。 時代とともに、取り扱う硝子製品も洋燈から花器・金魚鉢、そして業務用食器に移り変わり、現在では和食に特化した硝子食器を中心に「伝

          「錫」の魅力

          連休直撃の2度の台風を経て、すっかり秋めいてきました。 ・・・秋は酒がうまい。 日本酒がいちばんおいしい季節とも言われています。 今回はお酒をおいしく頂けるうつわとしても有名な「錫 (すず)」について。 ❖錫とは? 錫は、やわらかく結晶性の高い白銀色の金属のことです。 典型元素の中の「炭素族元素」に分類される金属で、原子番号50の元素。元素記号は「Sn」で、英名は「Tin」、ドイツ語名は「Zinn」と言います。 天然では単体で産出することは少なく、鉱石「錫石」を加工して

          NARUMI / 鳴海製陶

          本日は弊社にて扱っております、洋食器ブランドを紹介いたします。 ❖NARUMI / 鳴海製陶 鳴海製陶は、1946年に名古屋市緑区鳴海町にて創業された、老舗の洋食器メーカーです。 国内でも有数のメーカーであり、NARUMIとして世界的にも有名ですので、ご存じの方も多いかと思います。 NARUMIといえばボーンチャイナが著名です。 ボーンチャイナ (BONECHINA) は、原料に牛の骨灰を含んだ磁器の一種であり、18世紀中頃にイギリスで初めて製造されました。 温かみのある

          金継ぎ

          今回は「金継ぎ(きんつぎ)」についてです。  金繕い、と言ったりもします。 割れたり欠けたりした部分を漆で継いで、金で彩る修復法です。 漆で継ぐ、という方法自体は、実は縄文時代からありましたが、室町時代には、その補修部分を金で装飾するようになりました。 金継ぎとは言いますが、金だけでなく銀や錫、蒔絵など、種類が豊富です。 ちなみに漆は、人によってはかぶれる恐れがあるので注意が必要です。 接着剤やパテなどを使う方法もありますが、こちらは食事用の器には使いません。金継ぎは、

          古伊万里

          今回は「古伊万里」についてのおはなしです。 17世紀頃より、ヨーロッパの王侯貴族に愛された日本の「古伊万里」。 当時のヨーロッパの上流社会では中国磁器が愛されていましたが、明から清への王朝の移り変わりの際、ヨーロッパへの中国磁器の出荷の断絶が起こり、古伊万里は中国磁器に代わる最良の品として迎えられることとなりました。1659年の初めての輸出より約100年にわたって古伊万里は海を渡り、ヨーロッパに届けられたのです。 しかし! いわゆる「伊万里焼」と「古伊万里」は、同じもので