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タイプライターと「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」

先週の金曜ロードショーで放送されていた「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝」を観ました。
その前の週は「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のテレビシリーズ特別編集版をやっていて、最後をちらっと観て録画しなかったのを後悔しました。

京都アニメーション制作のこのアニメについては、まっっったく予備知識がなく、テレビでやっていたのも劇場版も知らなかったのですね。
外伝ですが初めて観て、手紙や郵便で想いを伝えることがテーマになっていることに心を動かされました。

なにせ本編を全部観ていないので(Youtubeで「5分でわかる」ってやつは見た・笑)、詳しく書けませんけれど、身寄りのない少女だったヴァイオレットは「武器」として戦闘に参加し、両手を失って義手になり、戦争が終わったあとはドール(自動手記人形)として、人様の依頼により手紙を書く、という内容。

書くといってもペンではなくタイプライターで、見ていたら自分のタイプを出してみたくなりました。

1,2年くらい前に、横浜に60年以上の歴史をもつタイプライターの専門店があって、リボンを売っていたり修理もしているのを知りました。
タイプの書体は、活版印刷とはまた違ったアナログの魅力があるので、リボンが手に入るのならまた打ってみたいと、ちらっと思いつつそのままに。
今回アニメを見て、思い切って物置から取り出してみました。

私がタイプライターを習ったのは大学4年の就職活動期。
当時はパソコンはおろか、ワープロも家にはない時代。
英検も何も持っていなかったので、履歴書になにか書くためにタイプを習うことにしました。
その時の訓練でブラインドタッチを習得し、その後のワープロもパソコンも楽に打つことができました。

今でも覚えているのは、キーボードの絵を離れたところに置いて、手もとを見ずにアルファベットの位置を打ちながら覚えたこと。
GとHを真ん中にして、その両側に8本の指を置き、1つのアルファベットを打ったらポジションに指を戻す、という練習をひたすらしました。懐かしいなぁ・・・。
(Aに置いている左の小指は、Qを打ったらまたAに戻す、とかね)

正社員をやめたあと、長く派遣スタッフをしましたが、ブラインドタッチをできない人はいなかったので、やっておいて本当に良かったと思いました。いまだに手もとを見たら早くは打てません。

話がそれたけど、それこそ25年以上出してなかったのでは?というくらい久しぶりに、ケースのフタを開けました。
どのレバーがどうだっけ?と、ミシンを出したときみたいな状況。
でも、ミシンより単純なので(笑)いじっているとだいたい思い出したので、打ってみることに。

なんとまだ、リボンのインクが残っていたのですね。
打てました。

イタリアのオリヴェッティだったらよかったけど、ブラザーです。
でも国産だから、ちゃんとしているみたい。

せっかくだから、いい言葉を打ってみようと、ソローを。

Every path but your own is the path of fate.
Keep on your own track, then.
                                  Henry David Thoreau
自らのものでないあらゆる道は、悲運の道だ。
だから自らの道を進め。 ヘンリー・デイヴィッド・ソロー

ガチャンガチャンガチャン、チーン! という音がものすごく懐かしい。
そして、キー(っていうんだっけ??)が重い!
エレクトーンやってて、ピアノの鍵盤引いたときみたいな重さ(笑)。

でもちゃんと打てるので、嬉しくなりました
なにせ、電源いらない。
アナログって本当にいいですね。
なんでもかんでも電気がないと動かせないなんて、どうかしてる。
カメラだってもともとは電池なんかいらないのだから。

タイプライター専門店のサイトを見ていたら、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を見てタイプを買ったお客さんもいるようです(笑)。
「タイプライターは「プリント」じゃなく、「書く」んですね」という言葉もいいなと思いました。

アニメの中には、シーリングスタンプで封をしてある手紙が何度もでてきます。(シーリングスタンプとは封蝋のことです。見出し写真のような)
手紙と、手紙まわりの道具はやっぱり好きだ、としみじみ思う作品でした。

「郵便配達人が運ぶのは、幸せだから」ってセリフもいい。

書くこと、描くこと、撮ることで表現し続けたいと思います。サポートいただけましたなら、自分を豊かにしてさらに循環させていけるよう、大切に使わせていただきます。