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"今日も機嫌よくやんなさいよ"

「マザーウォーター」という映画がなぜか好きだった。

この映画、ほとんど何も起きない。日常的なことが淡々と流れていく。最初は映画館で見たのだけど、途中で席を立つ人もいたくらい。

2010年の作品で、小林聡美、もたいまさこ、市川実日子、光石研、加瀬亮、という「いつもの」といったメンバーに、小泉今日子が加わっている。

なぜ惹かれたのかなと考えると、小林聡美がウイスキーしか出さないバー、市川実日子が豆腐屋、小泉今日子がカフェ、とそれぞれ自分の店を持って自分のペースで仕事をしながら、ゆる〜く繋がっていて、そんな環境で暮らしたいと思ったからかもしれない。

この映画の中で好きなのが、もたいまさこ演じる何者なんだかよくわからない不思議な女性の言う「今日も機嫌よくやんなさいよ」というセリフ。この、なんとなく古い感じもする響きを聞いた時、ハッとした。

今日も機嫌よくやる。

今日1日をそう過ごすことは、いちばん大切なことかもしれない。

世の中、機嫌が悪い人はけっこう多い。
いろんな職場に行ったけど、時には声をかけるのも怖いような人もいたし(忙しいから、だけではなく)、当然、場の空気もこちらの気分も重くなる。

でも、自分の機嫌を取る責任を、何かや誰かに渡している場合じゃない。
自分が発する周波数は、まわりに影響を与えているのだ。
それが巡りめぐって自分に返ってくる。

機嫌よくいることは、世界に貢献していることでもある。
たとえ、小さな部屋の片隅にいても。

今日も機嫌よくいきましょう。

Photo by フランチェスカ (家の近所で咲く乙女椿。大好きで毎年のように撮影していた)


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