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テレビの新しい使い方の話


11月24日で渋谷で行われた「Design Scramble 2018」にて、
「テレビの新しい使い方」というトークセッションに参加しました。

『テレビの役割は、様々な情報を視聴者に“伝える”こと』そんなイメージを持つ人が多いのではないだろうか。
しかし近年、クリエイターたちがテレビメディアの在り方を変えようと、様々な挑戦を行っている。
NHKで放送された、生きるのがつらい10代に寄り添ったテレビ番組『#8月31日の夜に。』の制作に携わった服部竜馬氏、齋藤達也氏、そしてモデレーターとして下田彦太氏を迎えて、番組を通してどのような課題解決や表現に挑んだのかお話する。
【登壇者】
・齋藤 達也(Abacus インタラクティブアートディレクター / 作家)
・服部 竜馬(NHK デザイナー)
・下田 彦太(CluB_A 映像ディレクター / 演出家)

トークの概要は他の方が素晴らしくまとめていたので、引用させていただきます…。

こういうテレビ番組に限りませんが、コンテンツの設計にとても興味を感じました。

特にテレビ番組は「番組としてどうフリとオチをつけるか」という点が重要。結論が出るとか、勝敗が決まるとか、物語が終焉するとか…。

しかし「若者の自殺」というテーマに関しては、簡単に解決しようがなく、フリもなければオチもない

そこで、話を聞きたい、世の中に同じような想いを持った人たちがたくさんいる、ということが伝えられる設計にしようとし、テクノロジーによる演出でコメントを可視化(出演者の前に現れては消える)させたり、アバターやチャットを使って、スタジオにいない当事者の存在感、精神的な不安定さを表現しようとした。

この不安定さを出せるのはNHKらしいなと感じました。民放だとCMが入るのでどうしても流れが断ち切られてしまうし、ネットだとその界隈だけ盛り上がってしまうから、マスに届きづらい。社会問題である以上、ネットだけで完結させるのは趣旨とは違ってくる。地上波とネット・SNSを融合した番組を普段から行っているNHKならではの手法であるが、その不安定さを出したことがよりリアルなショーになったと思います。

自分もいまテレビとネットの融合みたいなことに少し絡んでいるのですが、テレビ的なセオリーを残しながら、テレビ畑とは違うクリエイターの方がもっと入って、壊したりアレンジしたりして、存在感のあるコンテンツを作っていってほしいなと思います。経験上、テレビの制作現場ってどうしても閉鎖的、排他的なところがありがちなので…。


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