読まなきゃ、書かなきゃ:遠隔授業に削られる時間

 もうやめておけばいいのに。大学の遠隔授業にかなり気合を入れている。別に給料に反映されないので、もう意地の領域だ。こういう行為を、社会学者ヴェーバーは価値合理的行為と呼んでいる。ある価値のために結果を度外視した行為に走ることだ。

 大学の事務部にはゲストスピーカーを呼ばないように言われている。しかし、学生も私だけの話を聞くより、このネット会議で遠隔の研究者・当事者と繋がれる時代になったのだから、多様な研究者・当事者から話を聞いたほうが、ためになると確信している。そこで私が思いついたのが、「スペシャルコメンテータ」。あくまでも私が基調の講義をし、外部の研究者・当事者がコメントをつけるという形をとる。それならばOKと、事務部から許可が出た。

 豪華な「コメンテータ」を招聘できた。6/9生島マリカ「在日コリアンと日本の歴史和解」、6/16黄うん「現代中国の少数民族」、6/23上野千鶴子「戦争と性暴力」、6/30羽馬千恵「虐待の後遺症」、7/7平井太郎「限界集落は限界なのか」。目玉は上野千鶴子さんだが、それ以外のコメンテータも濃いと思う。Google Meet(私はZoomはセキュリティが脆弱なので使わない)で繋がれるようになったアフター・コロナだからこそ実現した、講義だと思う。講義の模様はYouTubeに公開配信するので、興味がある方は、第3回の動画の説明欄に各コメンテータの主著など、詳しい情報が書き込まれている。

 ついでに、私の講義(現代の社会論)を見て、忌憚のない意見をこのコメント欄にでも書いてほしい(YouTubeのコメント欄は荒らしを警戒して、書けないようにしている)。正直初回はトラブルが連発し、当日の朝6時に徹夜で撮影したのでよれよれだ。第2回以降を評価して頂けるとありがたい。あと私のお勧めは終了10分くらい前から始まる、本の紹介のコーナーだ。学生からも本の紹介が一番おもしろいと言われている(ちょっと複雑な気持ち)。

 ここまで書いてようやく本題なのだが、このコメンテータのお一人が、大学まで来てライブ配信したいという。私はハンディカムを持っているのだが、これをパソコンにウェブカメラとして認識させ、Google Meetで配信したいと思っている。Google検索したところでは、i-oデータのアダプターを買えば問題解決するようだが、私のハンディカムは古いので、明日念のため、私のハンディカムもウェブカメラになるか、i-oデータさんに電話して問い合わせしようと思っている。他によい方法をご存知の方がいれば、ぜひ教えてほしい。YouTubeのライブ配信の機能を使うのも手なのかも知れない。

 と、こうして今日も遠隔授業のことを考えて終わってしまった。本当は読まなきゃいけない論文(特に他の研究者からもらった論文)と5月末締切の論文、それとこれまた5月末締切の文科省科研費の報告書が山積みになっている。明日こそ、とりあえず報告書に手をつけたい。ただ、親しい研究者の論文も気になって仕様がない。

 と、言いながら、今晩はドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(以下『逃げ恥』)を観てしまった。旧作が大人気であることは知っていたが、天の邪鬼の私は、それなら見るもんかとスルーしていた。が、こうして特別編を見ると、本作はジェンダー研究の格好の材料になる。

 『逃げ恥』は家事手伝いと契約結婚する話なのだが、家事・育児がアンペイドワーク(シャドウ・ワーク)であり、それが女性に押し付けられていることをイリイチが問題化してから約半世紀、極東で『逃げ恥』が生まれた。主人公の男性(星野源)は契約書を作り、家事労働に徹底的に賃金を支払う。主人公の女性(新垣結衣)は二人の関係を契約関係と割り切り、二人が寝床をベッドと床のどちらか選ばねばならないときは、「私は被雇用者だから」と床を選ぶ女性だ。これは勉強になると1時間観てしまった。

 今日こそ0時前に就寝する予定だったが、note執筆は続けようと思い、1時を迎えてしまった。これからメールチェックや歯磨きなど寝支度すると、早くて1時半就寝だろう。イチナナは今日はやめておこう(最近イチナナにはまっています)。

 こんなことだから読書と執筆の時間が確保できないのだ。明日こそはひとまず科研費の報告書に着手しよう(二度目)。

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