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むしろいつまでもいっしょにおれないからこそ

大学3回生の娘が、ほぼ単位が揃ったので来年3月に京都のアパートを引き払って神戸に帰ってくるという。
最後の1年間は大学に通うペースがぐっと落ちるから、節約するらしい。

え、部屋どうしよう…
3年前まで娘が使っていた部屋は今は次男が使っていて、それまで次男が使っていた部屋は今は納戸のような扱いになっているのだ。
その頃の次男はまだリビングにいることが多かったから、いま納戸のその部屋にはエアコンがない。

ちなみに土曜日に開いたオン会〈勉強会&忘年会〉で僕が一人シベリアの開拓民のような厚着をしていたのは、この極寒の納戸の一角でガタガタ震えながら参加していたからだ。

部屋問題勃発。
高3になる次男に、今さら部屋を姉ちゃんに明け渡してというのは酷だ。
微々たる勉強しかしない次男も、さすがに来年1年はちょっとは勉強するだろうから。
となると、娘はこの納戸を使うしかなくなる。
大がかりな片づけが必要になるうえ、エアコンなしで盛夏厳冬を越せる星でもなくなったし、僕のオンラインブースやいかに?

さらにここに来て、来年から社会人になる長男が、もしかして配属が大阪になったりしたら神戸から通うわと言ってきた。
えぇで…いや、部屋がないって!

長男が明石の高専で寮生活を送っている間に、あとの家族4人で愛媛から神戸に引っ越してきたから、そもそも長男に割り当てる部屋はない。
その後、高専を出た長男は東京の大学に編入し、同じ年に娘も京都の大学に入って家を出ていったから、これまで部屋問題は起きたことがなかった。

大きくなった長男、娘と今さら川の字になって寝ることもできないし、お年頃の娘にはプライベート空間も必要だろうし。
さぁどうする。

子供が一人また一人と巣立っていくことを前提にしていたのは料理も同じ。
1年後、次男が大学に入って家を出ていこうものなら、もうあとは適当な食事でいいし、そうなれば僕が今以上に忙しくなったとしても作り続けられるかなと思っていたのが、適当でよくなくなるとなったら…
どうするどうする。

ふとここまで書いて思った。

どうするどうするとか言うて、ただ幸せな悩み書いてんのんちゃう?
もう出てって帰ってけぇへん思てた子供らが、一時的でも帰ってくるゆう話やろ?

あ、はい、その通りです。
いつまでも子供といっしょにいたいとかでなく、むしろいつまでもいっしょにおれないからこそ、不意に少しだけ帰ってくることになって嬉しいという話です。

え、みなさんも分かってた?
…てへぺろ!

(2023/12/18記)

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