同じ失望を抱かないことをただ祈る
昨日の神戸新聞にこんな記事が載っていた。
大阪・関西万博に向け、尼崎(兵庫)⇔夢洲(大阪・万博会場)が空飛ぶクルマのルート候補の一つに決まったというニュース。
わずか3kmの区間、へぇ。
イギリス製の5人乗り、へぇ。
万博というと以前は先端技術の粋を世界中の人と共有しあう場だった。
幼き僕はそんなワクワクをもたらす万博が好きだった。
しかし、残念ながら万博が今もその使命を帯びているとは思えない。
これ以上の技術は国家の安全保障に関わってくるレベルに達していて、おいそれとは見せられないものばかりだからだ。
結果、地球に優しい精神の陳列に終始する。
さらに国費の無駄遣いとさえ言われ、目も当てられない。
たしかにオリンピックも万博ももはや「敗戦からの復興」「国威発揚」ではなく、国民にも昂揚感はない。
細かくカネの使い途を指弾する声があがって当然だろう。
万博の権威は地に墜ちた。
実用性のほどが知れない空飛ぶクルマなるものをえいやっ!と飛ばしてしまうには、今も万博の看板は使えるのかもしれないが。
それでも僕は万博が国内で開催されるならやっぱり足を運んでみたい。
それがここ神戸から30分ほどで行ける大阪であればなおさら。
花見に行く気分で。
*
空飛ぶクルマ、なんぞや。
そのネーミングからして、自動操縦か搭乗者による操縦ができる(つまり専門の操縦士不要)乗り物を想像していた。
いや、やっぱり操縦士いるんでsky。
そのネーミングからして、大空をいっぱい自由に飛び交っても、持ち前のAI技術で衝突を未然に防いでくれるものを想像していた。
いや、決められた3kmを往復するだけでsky。
え、それとヘリコプターって何が違うん?
調べてみて脳天をかち割られそうになった。
「ヘリコプターはエンジンを積んでいるのに対し、空飛ぶクルマはモーターで飛行します」
うそやん、なぜ「電動ヘリコプター」と呼ばない。
ドローンの巨大版だから、そのうち自動操縦することも視野に入っているのだろうとは思う。
そこまでいけば、百歩譲って「自動ヘリコプター」と呼んでもいい。
でもそれまではどこからどう見ても「電動ヘリコプター」やん。
誰でも免許を取れば運転でき、どれだけ空の道を飛び交おうともAIのサポートで衝突・墜落が回避される。
そうなって初めて「空飛ぶクルマ」なのでは。
高い理想を掲げることは重要だけど、まったくそこに追いついていないことをさらけ出すのは贔屓目に見ても得策とは思えない。
万博会場で目撃した人たちが同じ失望を抱かないことをただ祈る。
いや、その前に、再来年に大阪で万博が開かれるって、みんな知ってる?
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(2023/9/1記)
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