相次ぐ逆走や暴走などで、高齢者の免許返納がよくニュースになる。

事故率は免許取りたての若者の方がずっと高いらしいから、高齢者ばかりを悪者にして免許を剥奪するような風潮はよくない。
が、運転の記憶なく他人を巻き込むなどの事故を防ぐ意味でも、返納制度はむしろ高齢者の幸せを守る一つの方法ともいえる。

しかし、免許返納者割引には違和感を覚えないでもない。

免許を返すとバスの運賃が半額になったりする特典のことで、便利を失った本人にはとてもありがたい制度とは思う。
しかし、引越が1割引、レストランが1割引、メガネ2割引など、およそ免許返納とは無関係と思われる特典を見るに及んでは、シニアビジネスのおかずにされている感は否めない。
そのうち、運転免許だけでなく各種資格を買い取って転売するような悪徳ビジネスも出てきそうで、なんだかうさんくさい。

たとえば免許を返して取得する運転経歴証明書ICカードにでもなっていて、そのまま公共交通機関に乗れる、シニアカーの購入時に使えるなど、失う便利をカバーすることだけに限るべきだと思うし、それが高齢者の幸せを守ることにつながると思うのだけれど。

（2017/6/1記）