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動物理学療法士が教える!「日常で気をつけたいこと」レポート

 こんにちは、犬育て向上委員会運営管理人のviviです。
犬育て向上委員会ってなに?と思った方はこちらからご覧ください。

 犬育て向上委員会の5月の配信は「犬のリハビリ」について。毎週日曜日の夜9時から30分間、全4回の講座でした。今回はその内容についてviviなりにまとめてみたので、ご紹介したいと思います!

 犬のリハビリについてお話をしてくださったのは、動物理学療法士の岸本誠也先生。この誠也先生只者ではないのです!笑

 な、な、な、なんと知る人ぞ知る!あのファーブル動物医療センターの専属動物理学療法士さんなんです。ファーブル動物医療センターの整形外科といえば、そりゃぁもう間違いなく日本トップクラス。おそらく世界でもトップクラスの医療技術を誇るすごい動物病院です。そんな、すごい動物病院で、なんと動物理学療法士をしているのが誠也先生!もうこれは絶対に見逃してはあかんやつです!

動物理学療法士、岸本誠也って何者?

岸本誠也
ファーブル動物医療センター 動物理学療法士
APRIA動物国際リハビリ協会 会長

 誠也先生は人間の理学療法を大学で学んだそうですが、その時に動物の理学療法に興味を持ったそうです。海外から10年くらい遅れているという日本の動物理学療法の事情を知り、ここを開拓したいと、大学卒業後に動物看護師の資格を取得、さらに知識を深めるためにアメリカのテネシー大学で動物の理学療法を学び、動物理学療法士として活躍中。

 動物病院で獣医さんの確かな治療を間近で見て、正しい知識と最新の技術を用いて動物のリハビリを担当している誠也先生。「犬のリハビリ」をもっと世の中に広めたい!という想いから、動物国際リハビリ協会APRIAを立ち上げ、今年から認定講座も始まっています。
 そんな誠也先生は犬育て向上委員会の運営メンバーの一人でもあるということで、犬育て向上委員会の講座のトップバッターをお願いしました!

 誠也先生の講座では犬のリハビリについてだけでなく、病気の仕組みや理論からしっかりと学べるところ!ネット上ではなかなか手に入らない情報が手に入るのだから見逃すのは惜しい!

それでは早速今回の4回講座の要点をまとめてご紹介したいと思います!

犬のリハビリを知っておくと良い理由①

 犬のリハビリという分野は前述の通り、まだまだ認知が低いところ。「リハビリ」と聞くと病気や怪我をした後で受けるようなイメージがありますが、実際のところ「リハビリ」の知識って日常のどんなことに役立つの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

 リハビリというのは、病気や怪我の回復を早めるためだけではなく、病気や怪我をしにくい身体作りをするという予防の側面も兼ね備えているそうです。

 例えば、怪我をして手術をしたとして、元々筋肉がしっかりしている場合と筋肉が弱かった場合だと、間違いなく筋肉がしっかりしていた場合の方が回復しやすいように、病気や怪我をしにくい身体作りと、万が一に備えて回復しやすい状態を作っておくことが大切ということです。

 私は自分の愛犬がシニアになってから、もっとしっかりと愛犬の筋肉を育てるという身体作りをしておけばよかったなぁと思うことが多々あります。

 犬の平均寿命も伸びてきている今、いつまでも健康で長生きして、楽しく生活できるための身体作りというのはめちゃくちゃ大切なのではないでしょうか。

犬のリハビリを知っておくと良い理由②

 愛犬が病気や怪我をした時には当然ながら動物病院で治療を受けることになります。ですが、この治療への向き合い方もどんどんと変わってきています。今までは獣医さんと飼い主さんの2者間でのやりとりで完結していた動物医療ですが、犬の飼育の多様化から様々なプロが連携して治療を考えたり、治療に向き合い、ワンちゃんの健康をサポートできるような時代になりました。

例えば、皮膚病になった時は動物病院で皮膚病の診断をしてもらうわけですが、皮膚の治療の際には「皮膚を清潔に保つ」ということも大切になってきます。獣医さんは皮膚病については詳しくても、シャンプーの正しいやり方ついて詳しいとは限りません。シャンプーの知識はトリマーの方が詳しいこともあります。

各分野のプロが協力しあって皆でワンちゃんの治療に向き合うという「チーム医療」という考え方が、これからの時代のテーマになるかもしれません。その中で、輪の中心に立つのは飼い主さん。だからこそ飼い主さんもしっかりと学んで欲しいのです。

 専門分野が違えば同じ獣医さんでもその知識や治療方法に大きな差が出てきます。そんな時、飼い主さん自身がある程度の知識を持っていれば愛犬への治療の選択肢が広がります。どんな治療方法があって、どうしてその治療をするのか、メリットとデメリットは何か、それを知っているか知らないかで選べる選択肢が大きく変わります。

 実際に、viviのお客様も治療で後悔していた方がいるのはここだけのお話。パテラのために2回も手術を行ったのにも関わらず、全く治らず、獣医さんを変えて再度手術したところ過去2回も行った手術が全く無意味な手術だったことが発覚したそうです。お金も無駄だし、ワンコの負担も半端無いです(涙)

愛犬を守れるのは飼い主しかいません。そのためにも正しい病気の知識を身につけましょう!

これだけは知っておいて欲しい!2選

 ワンコに大敵、だけどめちゃくちゃ多い犬の関節疾患。パテラ=膝蓋骨脱臼や股関節形成不全などは愛犬家なら一度は聞いたことがある病名かもしれません。何かしらの不調があることで、膝の靭帯も切れやすくなることがあったりと、実は関節疾患は愛犬にとって、とても身近なリスクなんです。

①股関節形成不全は生後2歳になるまで発症のリスクがあるそうです!発見が早く、治療が早ければ早いほど、改善できるということで、股関節形成不全はいち早く気づくことが大切なのだそう。股関節形成不全はレントゲンを撮らないとわからないので、健康診断がてら定期的に股関節のレントゲンを撮ってもらうと良いそうですよ!これから犬を飼う人、そして犬を飼い始めた方はぜひ獣医さんに相談してみてくださいね。

②パテラ(膝蓋骨脱臼)は悪化すると、犬が痛がらなくなるそうです!
パテラは進行度合いによって4段階でグレード分けされています。

グレード1:人の手を使えば簡単に外れて戻るを繰り返すけど普段は外れていない。
グレード2:普段は脱臼していないが、膝を曲げることで脱臼する。一度脱臼すると膝を屈伸させるか指で戻さないと戻らない。
グレード3:手で整復しないと戻らない。整復しても手を離したり膝を屈伸するとまた外れる。
グレード4:考えただけで恐ろしい〜!

 ここで、気をつけたいのはグレード2から3にステージが上がった時!
 悪化したのだから痛みが強くなるかと思いきや、グレード3は常に外れている状態なので痛みが麻痺して犬が痛がらなくなるそうです。パテラは、悪化しても治ったように見えてしまうのが怖いところ!通常、パテラは何もしなければ自然に治ることはないそうなので、痛がっていた脚を痛がらなくなったら、悪化したサインかもしれないと知っておいてください!

こういった状態を治療やリハビリせずに放っておくと、身体に負担がかかり最終的に膝の靭帯が切れてしまうということにもなりかねないそうです。そうならないためにもしっかりと対策をしていくことが大切ですね!

日常生活で気をつけたほうが良いこと!

 例えば、パテラで言えば「滑りやすいフローリングは気をつけましょう」というお話はとても有名だと思います。犬を飼う時にはまず、フローリングで滑らないように気をつけるというのは今や一般常識になりつつありますが、実はリスクはそれだけではありません。

被毛の手入れを怠ることでできてしまう毛玉も、怪我や病気を引き起こすリスクとなるそうです。例えば関節付近に毛玉ができてしまうと、関節の可動域が制限されてしまい歩様に影響することもあるそう。片方の足だけが動かしにくい状態が続くと、足の筋肉のバランスが崩れてしまって、最終的に筋力の弱った脚が怪我をするということもあるそうです。

飼い主の癖が愛犬の体を歪める原因になることもあるそうです。例えば引っ張り癖のあるワンちゃん、いつも飼い主さんの右側を歩いて右に傾きながら引っ張って歩いていると、どんどんと体が右側に歪んでいきます。

 人の体の歪みが全身の不調につながるように、犬も体の歪みは健康に大敵です!改善できるところはサクッと改善して、しっかりとバランスの整った身体作りをしていきましょう!

知っているだけで変わることがある!

 私自身もトリマーとして日々多くのワンちゃんと接する機会がありますが、小型犬ならチワワ、トイプードル、ポメラニアンなどは「ほとんどパテラやん!」と言うくらい、本当にパテラのワンちゃんが多いです。特にトリミングでは爪を切るときに足を軽く曲げることがあります。足の屈伸運動で膝が外れるということはグレード2ということですが、非常に多いです。

 悪化させないためにも、そしてまだ発症していない場合はこれからも発症のリスクを下げるためにもしっかりと、知識を持って予防をすることが大切なのではないでしょうか。

 何事も、早期発見、早期対策が大切です!

 犬育て向上委員会のfacebookグループでのライブ配信では、「そもそも正常な歩き方ってどんなの?」ということから誠也先生が詳しく解説してくださいました。パテラについてもめちゃくちゃ詳しく解説して下さっています。実はパテラの原因って、膝の溝が浅いからとか…、靭帯が弱っているから…とか色々な説がたくさんありましたが、全部間違いなのだそう(驚愕)

 犬育て向上委員会にご参加いただき、ぜひ正しいパテラの知識を得てくださいね!

ライブ配信の内容は1週間限定でアーカイブが残っています。5月29日(日)に配信したパテラ講座は6月5日(日)まで視聴可能です!今ならまだ間に合います!笑

 一度配信終了した内容も、また改めてアーカイブ配信を行う予定ですので犬育て向上委員会にご参加いただいて配信をお待ちいただけたらと思います。

犬育て向上委員会の6月の予定

  6月の配信は神戸の大人気フォトグラファーによる「スマホで簡単に愛犬を可愛く撮影する方法」です!きっと、どんなカメラにも応用できるであろう撮影のコツやポイント、魅力的に見える構図などを教えていただきます。
 インスタ映え、愛犬との思い出作りなどに絶対活用できるのでぜひ見にきてください!

【参加方法】
以下のURLから犬育て向上委員会のFacebookグループにご参加ください。参加の際には、簡単な質問への回答とグループルールへの同意をお願いしています。
https://www.facebook.com/groups/282632729771052


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