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ビジネスモデル、仕組みが企業とあなたの仕事を変える〜戦力外Jリーガー社長の道のり29

古い慣習にとらわれず既存のオークションではなく、自前で、しかも、一般のお客様から買い取ったブランド品をリユース業者に供給するBtoBのオークションを立ち上げたバリュエンンスでしたが、このオークション開業当時はビジネスモデルに懐疑的な目もありました。

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せっかくのブランド品をお客さんに売らないの?

当時のブランドリユースといえば、テレビなどに頻繁に露出する名物社長が広告塔になっている販売店などもあり、「ブランド品が安く買えるディスカウントショップ」のような扱いでした。

こちらの露出が多かったので、オークションを始めた当初も、一般的には「買い取ったブランド品を直接お客さんに売ったほうが利益率も高く売れるのでは?」という声がありました。

ネットオークションの旨みがなくなった

この連載を遡ってもらえればわかりますが、創業当初は私たちも消費者にブランド品を直接販売していました。
買い取ったブランド品をヤフオクなど、他社の運営するオークションサイトで一般顧客に売っていましたが、まだ誰もネットオークションを活用していなかった初期の先行者利益が切れると、あっという間にネットオークションがレッドオーシャンになり、供給過多、売値の過当競争によって値崩れが進みほとんど利益にならない状態になってしまいました。

ここに無理してしがみついても、打開策は見えません。
そこで、買い取ったブランド品をしっかりとした鑑定に基づいて、価値やニーズを把握している同業者に売るtoBのオークションに大転換を果たしたのです。

買取専門店『なんぼや』と業者間オークションの好循環

この転換は、私たちが展開するブランド買取専門店『なんぼや』の成長、出店攻勢のタイミングともマッチしていました。
BtoBオークションで得た資金を店舗増資に回し、さらに新たな買取専門店舗を出店する。

店舗数が増えるほど仕入れが増えますから、オークションでの出来高も必然的に増えていきます。街に『なんぼや』の看板が増えれば増えるほど、私たちの会社は無理なく成長しているという、好循環が出来上がっていたのです。

ビジネスモデル発で明確化した役割分担

『なんぼや』のビジネススキームをごく簡単に整理すると、

一般のお客様をウェブ上で集客
→ブランド買取専門のリアル店舗に送客、鑑定ののちに買取
→買い取った商品はオフィスに集約され検品、メンテナンスされる
→BtoBの自社オークションで商品を売却

当時コンシェルジュと呼んでいた鑑定士(現在はバリューデザイナー)は、店舗でお客さまに直接接する重要な役割を担っていますが、鑑定と買取に専念。
その後、
・買い取った商品の検品
・メンテナンス、管理
・オークション運営
とそれぞれの部署のメンバーが有機的に機能することで一連の流れがスムーズに、効率よく行えるようになったのです。

商品の流通経路が部署やシステム構築に直結

企業の業務のシステム化、効率的なフレームワークを構築するのは骨の折れる仕事ですが、『なんぼや』ではお客様から買い取らせていただいた商品の「行き先」を明確にしたことで、作業ルーティンが確立し、メンバーの役割が確立、システマティックになっていったように思います。

2013年に始めた自社オークションは、『なんぼや』だけでなく、バリュエンスグループのビジネスモデルを固め、今に続くプラットフォームの構築につながりました。

つづく

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