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CHANELのNo.5を数滴

有名なマリリン・モンローの言葉。
「夜は何を着て寝ているか?」という記者の質問に対して、
「CHANELのNo.5を数滴。」
とにっこり微笑みながら答えたという。
なんて妖艶で上品でウィットに富んだ言い回しだろう。
流石、色気のある女性を象徴する方は言うことが違う。

最近、可笑しくもあり虚しくもあったこと。
先週は彼の誕生日だった。
おめかしをして少しお高いところでディナー。
料理が美味しく、いつもは飲まないワインで乾杯。
サプライズも大成功。
彼も大喜び。
コツコツとヒールの音を鳴らしながらお会計に向かう気持ちは一端のいい女。
これが年上の余裕よ、なんて鼻高々な私。
余韻に浸りながら、彼と腕を組んで”いい雰囲気”でお店を出た。

…けれども、なんと階段を降りられない。
登れたくせに降りられない。
慣れない高いヒールのパンプス。無理して飲んだワインのせいでおぼつかない足元。
このまま降りたら、無様に転げ回る醜態を晒すこと間違いなし。と本能が告げる。
何故、こんなに階段が急で長いんだ!
ぶつけようのない怒り。絶望。
『20代のうちにピンヒールを履く期間を作らないと一生履けない。』
って聞いたことがある。
これまでサボってきたツケだな。
結局、持ってきていた運転用のサンダルに履き替えて、ベタベタ音を立てながら帰った夜。
心底恥ずかしかったが、これが”自分”って感じがした。
「大地を直に感じるベタ靴が一番いいわ。」



いくらヒールで背伸びしたって、マリリン・モンローのような大人の女性にはなれないことを痛感。
しかし、少しでも近づきたいと香水だけはCHANELを纏ってみる。
愛用しているのは、
CHANEL シャネル NO. 5 ロー EDT (ヴァポリザター)
CHANEL チャンス オー タンドゥル

いつも余裕綽々で天下無敵。知的にどんな困難も優雅にひらりとかわす。そんなマリリン・モンローに憧れて。



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