【No.1200】自分が提供しているものを定義しよう

今週末の13日14日は、いよいよ大学入試共通テスト本番。
金曜日の夜は、緊張する受験生たちを送り出しました。いやー、みんな頑張っていた。

そして僕は彼らに授業を提供していました。テスト前日まで。

ここで、自分が提供しているものについて考えました。

学習塾の営業マンとして、生徒にも保護者さんにも、テスト前日に授業いりますか?何を教えられるんですか?と聞かれることがたくさんあるからです。

学習塾業界で一気に校舎数を伸ばした「武田塾」というフランチャイズ塾があります。

日本初!授業をしない。という衝撃的なキャッチコピーで、お笑いコンビのノンスタイルやサンドイッチマンなどを起用した広告を見たことある方もいるかもしれません。

学習塾なのに授業をしないで、先生は何をしているのか?どこでお金をとっているのかというと、自習の管理なんですね。

何の教材を、いつまでに、どこまでやるか。できたなら、さらに加速するにはどうするか。できなかったら、どう改善するか。

それを週に1回など定期的に提供しているそうです。マンツーマンの講師がつくので、月数万円などでけっこう高額。

ということは「授業」という定義が問題のように思います。

授業というと一般的に何かを教えられるイメージです。だから、学校や予備校などで教わっているし、最近ではYouTubeやスタサプでも勉強できるのに、追加で何を教えてくれるの?って疑問に思います。さらに、ベテラン講師なら、さらに裏ワザとか、めちゃくちゃ時間を短く教えてくれるの?となるのは、至極まっとうです。

つまり、授業とは、ティーチ(teach)の場だという認識ですね。僕自身もそう思いますし、学習塾の先生も多くはそういう認識です。

だから武田塾は「ティーチ(teach)の授業はいらない。代わりに、生徒と伴走するコーチ(coach)をつける」というコンセプトなんですね。きっと。

しかし、学校や予備校のような集団塾は、確かにteachの授業ですが、先生1人に対して、生徒が1~3人などの少人数制では、だいたいどの塾も、teachもcoachもしています。

僕が勤めている塾でも、授業と称して、teachもcoachもしています。

むしろ「授業」といってもcoachの比重のほうが大きくなります。teachする内容なんて、だいたいだれが言っても一緒ですから。多少、伝え方の巧拙がありますが、teachにおいては、ベテラン講師も大学生講師もさほど変わりません。あるとしたら、先生と生徒の相性くらいでしょうか。

講師の経験の差が出るのは、coachのほうです。coachしながら、抜け漏れや課題を見つけては、適宜teachを織り交ぜて埋めていく。これは、経験の浅い先生には難しい技術になります。何をどこまで理解させるべきかの判断も必要ですから。

とにかく、自分が提供しているものを定義しないといけないとつくづく思います。

僕はteachよりもcoachを売っています。また僕は「合格」や「成績アップ」を保証しているのではなく、合格や成績につながる「勉強のしかた」「問題の解き方」を提供することをしています。

この理解が自分自身で曖昧なままなのに、人に伝えられるわけがありません。お客さんと相対したときに「授業は必要ありません」と言われたら引き下がることになるでしょう。信頼のおけない営業マンです。

でも定義ができていれば、

あなたのいう「授業」はteachでしょう? 今、お子さんに必要なのはcoachの「授業」です!
勉強の内容を理解できているのでteachはもう必要ありません。理解した内容をテストで再現できるようになるまで定着させるには、口うるさく矯正してくれるcoach的な授業が必要なんです!

と食い下がることができるかもしれません。

「授業」の定義はなんでもよいのです。その人が思う定義をしっかり伝えられていれば。

武田塾は、一般的に認識されているteachの授業を否定しているのであって、coachの授業を売っています。ここをあいまいにしているから、武田塾では成績上がんないよ。なんて、負け犬の遠吠えをしている塾があるのでしょう。

自分が提供しているものを定義しよう。そして、言葉を尽くして伝えていくようにしよう。

そんなことをテスト前日の授業で、生徒の精神ケアをしながら思いました。

ということで(?)今日も1日「優柔不断は誤った決定よりなお悪い」という言葉を胸に、結果の有無に関わらず、頑張っていきましょう!

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