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古代より伝わる民間伝承の医療とは?!【上巻】⑹ 大国主神の国づくり(因幡の白兎)ー日本最古の歴史書『古事記』⑬ー

こんばんは。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


今回は、

「日本人のための『和の国・古典文学』講座」という主題のもと

『古事記』の中にある

大国主神の国づくり(因幡の白兎)(上巻)を紐解くことで、

『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。



古代より伝わる民間伝承の医療とは?!
【上巻】⑹ 大国主神の国づくり(因幡の白兎)
ー日本最古の歴史書『古事記』⑬ー
【今日の内容】

1)「八」は数が多いことのたとえ!?  
2)一匹のうさぎとの運命の出会い!  
3)優しいオオナムヂとうさぎの予言
4)古代より伝わる民間伝承の医療とは?!



前回の記事では、

様々な知恵を駆使して

スサノオが八俣大蛇を倒したお話や、

八岐大蛇退治が意味するものとは何か?

ということをお話してきました。


今回からは、

「天孫降臨」につながる

「大国主神の国づくり」のお話をしていきたいと思います。




1)「八」は数が多いことのたとえ!?



スサノオがクシナダヒメと結婚して

子孫も次々と生まれ、かなりの時が経ちました。


……………


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後に中つ国(地上世界)を統治することになる

大国主神(オオクニヌシノカミ)

まだ大穴牟遅神(オオナムヂノカミ)と呼ばれていたころのお話です。


後々分かることなのですが、

このオオナムヂはスサノオの子孫です。

六世孫といわれ、簡単に言うと孫の孫の孫の孫の孫の孫です(笑))


オオナムヂには「八十神」といわれ

だいたい80人くらいの兄弟がいました。


『八』という数字は「数が多いこと」の例えとして使われます。


例えば、


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『八百屋(やおや)』


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『八百万』


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『嘘八百』


などがありますね!


だいたいそのくらい多くの兄弟がいたんです!


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そして、

この兄弟全員が

稲羽の国に住む「八上比売(ヤガミヒメ)」という

一人の女性に惚れてしまい、

なんと!全員で求婚のためにお宮に向かうのです(笑)


どんな展開だよ!(笑)


と思わず発してしまうところですが、


ヤガミヒメにしたらいい迷惑ですよね!(笑)

何十人もの男との兄弟が一斉に押し寄せ

「僕はあなたが大好きなんだ!結婚してくれ!!」

と言ってくるんですよ(笑)


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先ほどのオオナムヂもこの一行として

最後尾に同行していました。


たくさんいる兄弟の中で一番若いオオナムヂは

「お前、これ持てよ。」

「これも持って行けよ。」

「こいつに持たせておけ。」

「俺たちだけで行って姫をゲットするのだ!」

とお兄様の荷物持ちをさせられていました。


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たくさんのジャイアンに無理難題を押し付けられるのび太少年

のようなイメージですかね。。。


「遅いぞ!オオナムヂ!早くしろ!」

「本当に使えないやつだな!」

「こんな兄弟を持ったのが恥ずかしくなるわ!」

「俺たちの荷物をもたせてもらえるだけありがたいと思えよ!」


などとからかわれ

従者のように扱われていたのです。




2)一匹のうさぎとの運命の出会い!



「ずいぶんと置いていかれてしまった…」


オオナムヂが歩いていると、


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一匹のうさぎが横たわっていました。


『うわああああん!痛いよ、痛いよあ~~~!』


「どうしたの?」


と声をかけると


うさぎは事情を話します。


どうやらこのうさぎ。

『於岐島(おきのしま)』にいたうさぎのようです。


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この『於岐島』は、

島根県の『隠岐の島』なのか?

『沖の島』なのか?

よくわかっていません。

どちらにせよ、離島に住んでいたことは間違いありません。



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『僕はもともと、於岐島に住んでいたんです。島から見える大きな島を毎日見ていたら、どうしても渡って広い世界を見てみたいと思ったんです。しかし、渡る方法がありませんでした…。』


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『しかし!僕は思いついたのです!和邇(サメ)をだまして一列に並ばせて、その上をピョンピョン飛んでいけばこの大海原を渡ることができるのではないだろうか?と。』


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『早速、和邇(サメ)に相談しました。おい!和邇よ!僕とお前でどちらの仲間が多いのか、数比べをしようではないか!絶対こっちの方が多いからね!お前は、ありったけの仲間を連れて、ここからあの岬まで一直線に並ぶんだ!僕が踏んで数を数えよう!』


別にどちらの方が多かろうがどうでもいい話なのですが、

この誘いに和邇(サメ)はまんまとはまってしまいました。


ちなみに、

『古事記』では、「和邇(わに)」と書かれていますが、

これは「サメ」であったのではないか?と解釈されています。


そして、

うまいこと和邇を騙し、

「いーち!」「にーい!」「さーん!」

とピョンピョン飛んで岬に近づいていきます。


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和邇に比べたら圧倒的に弱いうさぎが

どう猛な動物である和邇に

しかも何十匹の和邇に対して

指図をする。

しかも、騙されているとも気づかずに呑気に踏まれて

数を数えられている。


この状況にうさぎは

笑うことを必死にこらえながら飛び続けます。


イメージとしては、


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小学生が何十人のやくざを指図して

一列に前ならえを挿せているイメージでしょうか。


想像しただけで滑稽ですね。


うさぎは

なんとも馬鹿らしく、阿呆らしく

クスクス半笑い!



しかし、


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あと少しのところで

あと一秒か二秒か我慢すればよい話だったのですが


『よ~し!最後だ!!…お前たち、ほんっとに馬鹿だな(笑)こんなにうまくいくとは思わなかったよ!数を数えるなんてうっそぴょ~ん!僕はここにわたりたかっただけなんだもんね~!』


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「よくもだましたな!!!!!!!!!」


最後の和邇(サメ)はとても機敏でした。


そして、殺されなかったことはまだよかったのですが

その代わりに皮をすべてはぎとられてしまいました…


死ぬよりももっと苦しい目にあわせてやろう…


みたいなことを伝えたかったんですかね…

それにしても


人のことを騙そうとしてもいいことは何一つありませんね。




3)優しいオオナムヂとうさぎの予言



なにはともあれ

うさぎはなんとか島を渡ることができました。


ところが、

皮がはぎとられ、全身ボロボロ。血まみれです。


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すると、

そこに八十神が通りかかったそうな。


うさぎは八十神たちに

この激痛を直す方法を尋ねると


「海水を浴び、風に当たって乾かせばよろしかろう。」


そして


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その言葉通りに実行したうさぎの身体は

傷口に海水が染み染み。

さらに乾燥した風のせいでさらに身体はボロボロになってしまいました。


………


『こんなそんなであなた様が通りかかったというわけです…』


「それは私の兄弟たちだ。その方法では、もっと痛くなるにきまっておるではないか。そなたは、兄上たちに騙されていたのだ。」


『そ、そんなああ……。』


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『よいか。今すぐ真水で身体を洗いなさい。それから、蒲の穂の花粉をまいた上に寝っ転がるんだ。そうしたら、必ず傷はよくなるはずだよ。』


『わかりました…。ありがとうございます(´;ω;`)』


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そして、

オオナムヂの言われたとおりにすると

うさぎの身体はすぐによくなり

再び、白い毛に包まれました。


「よかったな。これに懲りて、もうだれかを騙すなんてことをしてはいけないよ。」


『はい…!ありがとうございました!!あなたはとても優しい方ですね。お名前をお聞きしてもよろしいですか?』


「私はオオナムヂ。兄弟たちとともにヤガミヒメに求婚しに行くところだ。…といっても、私は荷物を持たされているだけなのだかな。」


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『ヤガミヒメは、あなたの兄弟とは、絶対に結婚しませんよ。』


「えっ?」


『ヤガミヒメは、必ずあなたを結婚相手に選ぶでしょう。私の言うことに間違いはありません!』


助けてもらったお礼に、

うさぎはヤガミヒメと結婚できるのは八十神ではなく

オオナムヂであることを予言しました。




4)古代より伝わる民間伝承の医療とは?!



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今回のお話である「因幡の白兎」のお話

『古事記』の中でも民話風に語られ、

童話として私たちになじみ深い一編です。


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小学校の国語の教科書にも

このお話は掲載されていますよね!


オオナムヂがうさぎの傷を治すお話が中心ですが、

ここで用いられた


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『蒲の穂の花粉』


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は、古代の人たちが使っていた民間伝承の医療

現代でも『蒲黄(ほおう)』という漢方薬があるんです!!


蒲の穂の花粉には、

「治痛作用」「治血作用」があるということなんです。


このことからも、

オオナムヂは八十神に比べて非常に高度な医療技術を知っていたということになります。


そのため、

オオナムヂは、のちに『医療の神様』と呼ばれ、

このうさぎは、『稲羽の素兎(しろうさぎ)』『兎神』と呼ばれるようになります。


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鳥取県には、

実際にこのお話がモデルとなる


『白兎(しらと)海岸』


というものがあります。


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鳥取空港を出てすぐのところには、


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『白兎(しらと)神社』


という神社もあり、

兎の像がたくさん置いてあるんです!


日本全国には、

『古事記』にゆかりのある名所がたくさんあります!


海外旅行にはなかなか行けない…

でも、旅行がしたい…

という方は、

ぜひもう一度、日本国のよさを再発見するきっかけに

『古事記』巡りをしてみてはいかがでしょうか?





日本国は、建国してから令和3年で、2681年。

『現存する世界最古の国家』です。


『古典文学』に触れると、

1000年以上もの間、

いろんな時代の日本人が

「きれいだな!」

「おもしろいな!」

「大切に伝えていきたいな!」

と感じたり、考えたりしてきたことが分かります。


国際情勢が混沌とする時代だからこそ、

まずは、大人であるわたしたちが

日本人の失いかけていた、日本人の一番大切な部分


『和の精神』


を取り戻して、一人一人が輝く。

大人が輝けば、子供が輝く。

子供が輝けば日本国の未来も輝く。



一緒に、『和の国・日本国』を楽しく学びましょう!



最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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