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NFT_#7:NFTで資金調達をする - 投資家にとってのメリットとリスク

NFTは、投資家を募るための手段としても注目を集めています。この単元では、NFTを用いた資金調達の方法とその課題を解説します。


NFTと資金調達の新たな可能性

■NFTによる資金調達

ブロックチェーン技術を用いた資金調達の方法はいくつかあります。例えば、新たに開発するサービスで使える暗号資産(仮想通貨)を先に売り出し、そのサービスの開発費用に充てる「ICO」という方法がありますが、ICOは世界中で未履行・資金持ち逃げの問題が起きています。また、デジタルトークン化した証券を売り出す「STO」は、日本では規制により様々なハードルがあります。それらに比べ、簡単に発行できるNFTを用いた資金調達は今、期待が高まっています。

■スポーツクラブのファントークンや村の電子住民票

NFTを用いた資金調達の実例として、プロスポーツチームのファントークンの発行が挙げられます。また、山里の限界集落が電子住民票の意味合いを持つNFTを発行した事例もあります。

しかし、同じメタデータと紐づくNFTは実際には無数に作れる等、NFTによって保証されていると一般的に考えられているものの一部は、実際には保証できないという事実があります。これにより、ユーザの認識と実際に提供されているものとの間にズレが生じていますが、これは一つの懸念材料と言えるでしょう。(関連単元:NFTの保証と限界 - 唯一性や真正性、著作権は誰にあるのか)

■投資家の目的と問題点

NFTに投資する人々の中には、二次流通から利益を得ることを目的とする人々もいます。スポーツチームなどのファントークンの場合、これらの人々は必ずしもファンであるわけではなく、実際のファンとの間で何らかの摩擦が生じる可能性も無視できません。これも懸念材料となります。

コミュニティにとっての望ましい形は何か

■クラウドファンディングとの違いは?

資金を調達し、お礼にファンや支援者を魅了できる返礼品を贈ることだけを考えれば、クラウドファンディングで十分かもしれません。しかし、二次流通に対する高い期待を持って、NFTに喜んでお金を支払う人々に期待が寄せられるのも理解できます。コミュニティにとって望ましい形は何かを慎重に考えながら、資金調達の方法を実装していくべきでしょう。

■予期せぬリスク

NFTによる資金調達は新たな機会をもたらしますが、それにはリスクも伴います。投資家の期待と実際の価値提供との間のギャップや、二次流通を目指す投資家と本当のファンとの間に生じうる軋轢(あつれき)などは、予期せぬ結果を引き起こす可能性があります。

更に、これらのトークンはスマートコントラクトによって管理されますが、スマートコントラクトは法的な拘束力を持たないため、投資家はトークンの法的な扱いやその潜在的なリスクを理解する必要があります。

資金調達にNFTを活用するのであれば、各コミュニティはこれらの問題を認識し、それぞれのコミュニティにとって最善の結果を達成するためにどのように使用するかを考える必要があります。


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