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戦術実装フレームワークRACE

今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
今週は、戦術を実装するためのフレームワークRACEをご紹介しようかなと思います。「戦術を実装する」っていうと仰々しく聴こえもしますが、実際はタッチポイントを俯瞰して整理するようなものです。
書籍などでもあまり目にする機会がないので、あまりメジャーではないんですかね。まぁ、戦術を整理する上では有効なフレームワークだと思うので、紹介していきましょう。


RACEとは

 RACEは、顧客ライフサイクルフレームワークとも呼ばれます。要するに顧客のライフサイクルをマネジメントするためのツールですね。カスタマージャーニーを簡略化してさまざまなビジネスに応用できるようにしたものです。
主に、デジタルマーケティングの戦術整理のために使われます。
カスタマージャーニーをReach・Act・Convert・Engageの4段階に区切って整理するのがRACEです。それぞれのフェーズの頭文字から名前がつけられているんですね。

Reach - ターゲットユーザーに情報を届ける

まず、潜在顧客にブランドを認識してもらうことから始めます。ささまざまな施策を通して、ターゲットオーユーザーに情報を届け、注意を引きます。このステージでは、ブランドの視認性を高め、ウェブサイトへの訪問者数を増やすことが目標になります。
考えられる施策としては、SEO対策を前提としたコンテンツ制作や、ウェブ広告、SNSや動画メディアを利用した認知拡大施策などがあります。

Act - 顧客の行動を促す

ターゲットユーザーをウェブサイトに誘導する事ができたら、次は彼らに何らかの行動を取ってもらうことを目指しますよね。
何らかの行動とは、サインアップ、フォーム入力、コンテンツのダウンロードなどが考えられますね。(LP上でのCVポイントです)
このステージでは、魅力的なコンテンツや快適なUI設計などを通じて、UXを向上させることが鍵になります。
インフォグラフィックを用いたり、権威性を訴求するなどして注意を引く。効果的なCTAを配置するなどといったLPO(ランディングページの最適化)を実施する。などがこのフェーズでの施策になります。

Convert - ターゲットユーザーを顧客に転換する

行動を促す=見込み顧客化に成功したら、次はその見込み顧客を顧客に転換させることを目指しますよね。メールマーケティングなどを通したパーソナライズされたオファーなどを通して、購入意欲を高め、最終的な販売に繋げます。BtoBなら商談化率や成約率を追いかけるフェーズです。
メルマガや公式LINE、MAを利用したステップメールやインサイドセールスによる追客などが考えられますね。

Engage - 顧客との長期的な関係を築く

顧客との関係は、購入後も続きますよね。LTVの最大化を狙っていくフェーズです。顧客との継続的な関わり合いを深め、リピート購入やブランド推奨(アンバサダー化)を促します。
ここでもメルマガや公式LINEは有効な戦術です。そのほかSNSでのエンゲージメント獲得や、カスタマーサポートやサポートモデルのウェブサイトによるアフターフォローなども考えられます。

「ウェブ解析士協会」を事例に考えてみる

「実際にそうなのか」と言われると私もわかりませんが(笑)、ウェブ解析士協会が受講生獲得のためにやっていそうなことを傍目から見て整理してみようと思います。

Reach

・SNS運用
ウェブ解析士協会は各種SNSでアカウント運用をしています。このnoteもそのひとつですね。
またFacebook広告もよく目にするので、SNS広告も展開していますね。
・SEO対策
ウェブ解析士ナレッジ」でデジタルマーケティングに関わる記事を展開してSEO対策もしていますね。検索エンジンへの対策としては検索広告にも出稿していますね。

Act

・LPO
講座申し込みページは結構改善が繰り返されているように見受けられます。
・ウェビナー
Flashセミナーや各支部主催のセミナーなど、さまざまな無料セミナーが展開されていますね。ここで得たリード情報がどう活用されているのかはわかりませんが、「中の人」の登壇経験からまだ資格を持っていない=見込み顧客も一定数参加されています。

Convert

・公式LINE
公式LINEを通して、セミナーの案内や受講案内などが送られてきていますね。
・限定オファー
最近、初級ウェブ広告マネージャー資格の特別オファーが会員向けに出されていました。

Engage

・Facebookグループ
オンライン上のコミュニティでの情報交換が行われています。質問を投げれば誰かが回答してくれたりと、資格取得後のフォロー施策のひとつだと考えられますね。
・フォローアップセミナー
資格更新のためのセミナーと位置付けられていますが、最新の情報を学ぶための機会提供とも考えられます。継続的な学習機会の提供によって協会へのロイヤルティを高める効果もあるかもしれませんね。

と言った具合に、どのフェーズでどんな施策をしているのかを整理する事ができます。再三申し上げますが、「中の人」の感覚でこんなことやってそうだなぁという内容であって、実際に実行されているかは分かりません。
あくまで架空の事例だと思っていただけるとありがたいです。

まとめ

カスタマージャーニーをReach、Act、Convert、Engageの4段階に区切り、デジタルマーケティング施策を整理するのがRACEフレームワークです。
それぞれのフェーズへの転換率などを計測していくと、自社のマーケティングファネルをより具体的に捉える事ができるかもしれません。
「その施策は何のためにやっているのか?」といった思考の整理にも使えそうですね。

あとがき

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今回、勝手に(確証もないまま)ウェブ解析士協会を事例に挙げて、ヒヤヒヤしている中の人です。(笑)
実際の現場だと、ここまで整理して進めるのは最初だけかもしれませんね。
施策を進めていくうちに「あれもやってみよう、これもやってみよう」となって施策がごちゃごちゃになることもよくあります。そうした時に、カスタマージャーニーマップほど細かくはないですが簡易的に戦術を整理する手段として使ってみるのも良いかもしれません。

それではまた来週お会いしましょう。


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