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製品のリスクを分散させる #78 プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント

起業の難しさは、リスクヘッジしてくれる先行する製品が存在しないところです。
結果、製品が普及しなければ、その時点で事業が続かなくなってしまいます。
同じ様に、事業の収益が、一つの製品に依存している場合も、リスクが高いものとなってしまいます。
よって、安定した事業には、複数の製品を持つことがリスクヘッジとなります。

その意味でも、製品がプロダクトライフサイクルにおいて、どのフェイズにあるかを把握して、経営資源を最適に配分することを目的としたプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントは重要かと思います。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントでは、製品を市場成長率と市場シェアによって、大きく4つに分類します。

①スター
市場のシェアが高い上に、今後も市場規模の拡大が期待される花形製品です。
売上高や利益は高いが、同時に成長を促進させるために多くの経営資源の投入を必要とします。
※プロダクトライフサイクルでは、成長期の製品に該当します。

②金のなる木
一定規模に成長した安定市場にあって安定したシェアを確保している製品です。
売上高が高く、多くの経営資源の投入の必要としない製品です。
※プロダクトライフサイクルでは、成熟期の製品に該当します。

③問題児
まだまだ売上は低いが、今後、市場規模の拡大、あるいはシェアが拡大する可能性があり、結果、売上も急成長する可能性がある製品です。
しかし、そのためには多くの経営資源を投入する必要があります。
このまま経営資源を投入し続けてスターに育てるのか、あきらめて撤退するのか悩みの多い文字通りの問題児、リスキーな製品です。
※プロダクトライフサイクルでは、導入期の製品に該当します。

④負け犬
収益が少ないか赤字で、尚かつ、今後も改善の見通しが低い製品です。
これ以上、経営資源を投入し続ける意味合いが低いことから撤退策を検討する必要があります。
※プロダクトライフサイクルでは、導入期と衰退期の製品が考えられます。

そもそもポートフォリオとは、金融・投資用語として、投資家が保有する金融商品を投資する上での組み合わせの内容を指すものでした。
その目的は、主にリスクヘッジです。
特定の金融商品に投資することことは、非常にリスクが高くなります。
そのために、投資を分散させて、リスクも分散させる考えです。

このプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントも同様のリスクヘッジマネジメントであると捉えて良いかと思います。

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