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パワハラしない編④行動する|George’s Approach 2020 2nd-5

変容の時代に生きるビジネスパーソンに向けて、これからの時代にどうアプローチするか、具体的な方法やその背景にある考え方をお伝えする動画シリーズ「George’s Approach 2020」より、2ndシーズン「パワハラしない!させない!そもそも起きない!」の「パワハラしない編④行動する」をテーマに、代表取締役社長・島村仗志(ジョージ)のアプローチを、ナビゲーター・岡本直子(なおちゃん)が聴きます。

※本記事内に登場する人物の所属・役職等は動画撮影当時のものです。

~本日のテーマ~

岡本:今日のテーマはGeorge's Approach 2020 2ndシーズン「パワハラしない!させない!そもそも起きない!」シリーズの「しない編④行動する」です。

島村:ここまで「パワハラしない編①~③」で、もしかしたら、あなたもパワハラ当事者になってしまっているかもしれない、ぜひ内省してみましょう、そして、内省すると必ず出てくる人間観として、ちょっと苦手な部下に対しても「みんな(実は)貢献したい」という人間観で向き合うことを試してみましょう、ということをお伝えしてきました。

いよいよ今日は「パワハラしない編」の最終回ということで、実際のアクションを取り始めてみましょう、ということをお伝えしていきます。選択肢はいっぱいあるのですが、
僕なら、こうアプローチします、ということをお伝えしたいと思います。

~3つのポイント~

岡本:はい、それでは早速、ジョージよろしくお願いします。

島村:今回もポイント3つでいきたいと思いますが、「行動する」と言いながら、実はポイントの1つ目は、まだアクションは始まらないんですね。

では何かというと、まず「あなたが気になっている部下に関心を向けましょう」ということです。ご自身のインナープロセスでO.K.なので、彼/彼女どうしているかなあ、とか、その部下のことを気に掛けるところからスタートして欲しいのです。

ここからいわく言いがたい世界に入っていきますけど、これから申し上げることを体験している人は僕だけではないと思うんです。あの人どうしてるかな、と思った次のタイミングで、その人から連絡が入ることってありませんか?
科学的には証明できないけれど、人間の意識・無意識の世界って、たぶんどこかで繋がっているんだろうなということを体感覚的に理解する機会がよくあるんですが。なおちゃんもあるかな、そういうことって?

岡本:はい、経験はありますね。

島村:それは相手の方もこちらのことを想ってくれたという、いわゆるシンクロニシティなんですね。したがって、今回の場合は、そのアクションが相手からあるかどうかは期待しなくていいんだけど、上司であるあなたが部下のことを気に掛けているとか、前向きな気持ちで関心を持ってくれているというのは、二人の間の見えるもの、そして見えない空間に必ずポジティブな影響を与えているので、まずはそこからスタートしてみましょう、というのが、今日の「行動する」編のポイント1です。

島村:そして、ポイントの2つ目です。ここからだんだんね、みんなゾクゾクしてくる格好になりますけど(笑)、2つ目は「声をかける」というすごくシンプルな行動です。「声かけてみようぜ!」ということです。

まるで中学生の男子が、ちょっと好意を寄せている女子に声をかける、みたいな。そんなドキドキ感があるかもしれない。ないかもしれないけれど(笑)。何を言いたいかというと、前向きな気持ちで声をかけてみましょう、というのが、ポイント2です。ここから実際のアクションに入っていますよね。

岡本:ごめんなさい、今さら確認ですけど、この関心を向けるとか声をかける相手というのは、「パワハラをしてしまっているかもしれない部下」に対して、ということでいいですか?

島村:ああ、ありがとう!いい確認だね。パワハラになっているかどうかの自覚は現時点では、ほとんどの場合ないはずなので、気に掛けようというのは、「パワハラしない編②内省」でお伝えした「上司であるあなたが信頼(信じて頼りに)できていない、と思い込んでいる部下」を想定しています。

信頼していないので声をかけることもなかったりするし、コミュニケーションの量が圧倒的に不足していて、信頼感のなさを、そのコミュニケーションの不足がさらに助長する、という悪循環に入っていることがよくあります。なので、この「行動する」をお伝えしています。

で、声をかけてみて何が起きるかは、その時のご自身の運動神経を信じて欲しいんですけど、もし会話が何回かキャッチボール出来るようになったら、ポイントの3としてお伝えしたいのは、「実際に2人で話す機会を設けて欲しい」ということです。

それで、その時に、必ずご自身の中で確認していただきたいのは、前回お伝えした人間観です。「この部下も(実は)貢献したいと思っている」という人間観と共に、二人で話す機会を設けていただきたいなと思いますね。

以上が今日の3つのポイントです。

人間観のところに集約されていますけど、前向きな気持ちでね。嫌だ嫌だという感じではなく、初恋の人に声をかけるようなドキドキ感で、ぜひアプローチしてみてね!というのが、おまけで追加したいところですね。

~具体的にどのような会話をすればいいか?~

岡本:なるほど。でもちょっと気になったのは、その初恋の人にアプローチするみたいな感じで(笑)、ちょっと苦手な人を相手に、仮に二人で話す機会をうまくセッティングできたとしても、たぶん何から話してよいかわからないというか。M(J)KSで観たとしても、なかなか会話が弾まない、といったことが起こりがちなのではないかな、と思います。何を話せばいいですかね?

島村:それは本当にその通りだね。でも、それこそ、さっきの中学生同士の初めてのデートみたいなことを思い出すとちょうどいいかもしれない。そんなにいきなり流暢に会話が弾んだら「これまで何だったの?」って(笑)。
だけど、ふつうは、これまでうまくいっていなかった2つの存在の関係が、1回の面談で一気に氷が解けるように氷解する、というのは、なかなかないことだと思う。

これをご覧いただいている上司の方は真面目なので、せっかく時間を取ったら、良いものにしなきゃいけないとかね…。

岡本:完璧な1on1みたいなものにしなきゃ、とか。

島村:そうそう、そんなふうに思うかもしれないけど。1on1については、また別のシリーズで取り上げたいと思っていますが、とにかく、この場合で言うと、会話は弾まなくてもいいんです。

初々しい中学生同士の会話くらいに、とつとつと。天気の話だったり、近況だったり…。今だったらコロナ大変だったね、とか。毎日暑い(寒い)よね、とか。そのレベルで大成功だと思っていいんじゃないかな。ちょっとハードルを思いっきり下げていますけど。

何が言いたいかというと、二人で会話する内容やその場でどうするかについて考えだすと、また声をかけられなくなっちゃう、その場をセットできなくなっちゃうので、そんなことはいったん脇に置いて、まずは二人で時間をとる。そして、その時に近況報告でも良いのでM(J)KSの人間観で向き合ってみること。それを実際に試してほしい、こういうことですね。

~声掛けの具体例~

岡本:近況報告でもいいことはわかったんですけど、たぶん皆さんが欲しいのは、質問リストみたいなものでしょうか。最近どう?と聞けばいいのかとか、ジョージだったら、何と言うか、3つくらいください(笑)。

島村:3つもないけど(笑)、でも「最近どう?」は僕もよく使うよね。あとは、このGeorge's Approach 2020(Season1)の第1回目「上司の対話力」でお伝えしたのは、「何か困ってることはない?」という問いかけ。これは僕自身よく使っていると思いますね。久しぶりに会うときに、ごく自然に出てきちゃう。

岡本:「最近どう?」はしょっちゅう言ってますよ(笑)。「調子はどう?」とか。昨日も話したのに、そんなに近況を聞かれても、昨日から今日まで何もないよと思うくらいに(笑)。

「最近どう?」と「何か困ってることはない?」と、あとジョージがしょっちゅう言っているのは、質問ではないんですけど、「いつもありがとうね」という言葉ですね。
「あれやってくれて、ありがとう」「これ見たよ、よくできていたね」という、認知。

島村:うんうん、感謝ね。それは、ありがとう(笑)。

岡本:部下に声をかける際の会話の内容として、たとえば、そんなことでもいいんですか?

島村:いいんじゃないかな。これもいつか話したけど、コーチングでいうところの「認知」というのは、事実や根拠もないのに褒めたり、思ってもいないのに言葉尻だけで褒め殺したりすることではなくて、実際にやってくれた事実に即して、そのことに言葉を与える。多くの場合、特に経営者と社員の関係だと、そこに感謝の言葉がつながるのは、ごく自然な成り行きでそうなります。やってくれたことを見届けて、「ありがとうね」という言葉が自然に出てくるというのが、自分の中で起きていることですね。

どこかの動画でも、そういう紹介をされてるらしいんだけど、僕がやっていることはほぼそれ(認知)だけだ、みたいな揶揄をされている(笑)。

岡本:それは、あれですね(笑)。ウエイクアップのコーチング事業であるCTIジャパンが持っているYouTubeチャンネルの動画で、「ウエイクアップの社長のコーチングスキル」みたいなテーマ*1で、ジョージがよくやっているアプローチが別途、紹介されています。

島村:でもそんな仁義は全然切られていないので(笑)。本当に誇らしくもあり、何だよ?とも思ったりするんだけど。要するに、勝手に材料にしてもらって、いじられて、幸せだなと思います。「スキル」というよりは「あり方」の方で捉えて欲しかったんだけど。まあいいか、それ言ってもしょうがないので(笑)。

とにかくまあ、気にかけているとごく自然に出てくる言葉が、僕の場合は「最近どう?」「困っていることはない?」とか、「いつもありがとうね」になる、とそういうことなので。ご覧になっている皆さんが、ご自身のアプローチで、ごく自然に、相手を肯定的に気にかけた時に出てくる言葉を、自然に発していただければいいんじゃないかな。そんな感じがしますね。

岡本:確かに、「スキル」や「テクニック」として質問リストや言葉掛けリストを使うのは、もちろんありですよね。ただ、「あり方」として、その人をどう観ているかとか、思っているか、を持っていると、ジョージだと「ありがとう」とか「調子はどう?」というのが、みんなから「言い過ぎだよ、毎日言わなくて良いよ」と言われるくらい(笑)、無意識に出てくる。その人なりの何か想いから自然に出てくる言葉がいいんじゃないか、ということですね。

島村:そうですね。その自然なものがポジティブであればあるほど、ごく自然に、相手にも受け取りやすい問い掛け、働きかけになると思うので。

そのポジティブな自分の「ありよう」をセットするのに、前回お伝えした人間観、特に「みんな(実は)貢献したい」「この人も(実は)貢献したいと思ってくれている」という人間観で向き合うのが一番、前向きなあり方で接するときの、すごい応援団になるというか、背中をスッと支えてくれる一本の軸になると思います。そんなイメージですね。

~そもそもの「経営の目的」の大切さ~

岡本:はい、ありがとうございます。

今回で、この「パワハラしない編」は一応、最後になります。パワハラをしてしまっているかもしれない上司の方って、本当に優秀で真面目で、本来、素晴らしい方であるはずだと思うので、ここまで数回に分けてお届けしてきたことが、少しでもお役に立って、本来持っておられる素晴らしさ、優秀さをより良く発揮できるようになっていただけたら、とても嬉しいです。

島村:そうですね。たぶんこれは「(パワハラ)しない、させない、そもそも起きない」の「そもそも起きない」編で語ることになるんだけど、何のために僕たちは縁あって一緒の職場に身を置き、同じチームになって何か協働して事を成そうとしているのか、そもそもの事業もしくは経営の目的みたいなことが、どうしても一人ひとりの人に影響を与えているんですよね。圧倒的な影響と言ってもいいかな。

だから、力があって真面目な人ほど、無自覚にパワハラをしてしまいかねないという、今起きている現実は、その、そもそもの目的を再確認することで、かなりの確率で防止できると感じているので、そのあたりは今後のお話の中でお伝えできたらと思っています。

~パワハラは、パワハラ加害者だけが悪いのか~

岡本:もう一つ「さらに…」なんですけど、この「パワハラしない編」は、パワハラをしている人向け、みたいな前提になっていますが、これってパワハラしているかしていないかに関わらず、何なら上司であるかどうかにも関わらず、苦手な人と向き合うとか、逆に部下の側から苦手な上司に向き合う時にも活かせるヒントなんじゃないかなと思います。

それに、パワハラって、パワハラをしてしまっている上司だけがすごく悪者で、その人をどうにか更生させなきゃとか、責めるような内容になりがちだと思うんですが、ここまでジョージの話を聴いていて、ジョージのアプローチは、そういうのとは違うなと思いました。

島村:そうですね。ありがとうね、言い難いことを言葉にするチャレンジをしてくれて。伝わって良かったなと思ってます。

僕自身、そのチャレンジを突き付けられて本当に困っていらっしゃるビジネスパーソンの方々と、コーチとして向き合う機会は確実にあり、その頻度は最近増えてきているように感じています。その時に、自分自身がどういう「あり方」で、その方と向き合っているかということが、ここまでの「しない編」4回で、そういう形で伝わったのであれば良かったなと思います。

つまり、その人に非はないんです。これも言い過ぎかなと思うけど、思い切って言います。その人は決して悪気があって それをやったわけではない、というところからスタートする。その上で、起きてしまうとやっぱり大変なんですよ。それは経営者側もそうだし、もちろんパワハラを受けた部下の方も大変な思いになるし、やってしまった人も無自覚だったがゆえにその後の身の処し方、心の置き所にやっぱり動揺は走るのでね。

「そもそもしない」というのが一番だと思うので、この4回の動画が皆さんの「しない」という材料になったら嬉しいなと思うし、万が一、やってしまったという事実が組織内で露見した、ということになった時には、本当に一人にならずに、かつ、自分を責めすぎることもなく、一方で、やってしまったことを大いに反省しつつ、というこの絶妙なバランスを、ぜひ、ご自身の周囲の方々と話し合いながら進めていただきたいなと思いますね。

岡本:はい、ありがとうございます。

~フォローアップ・クエスチョン~

岡本:今日は「パワハラしない編④行動する」についてお届けしました。最後にフォローアップ・クエスチョンをお出しします。このクエスチョンは、今日お伝えしたことをお試しいただく際のヒントとしてご活用ください。試してみてのご意見ご感想やリクエスト等も、ぜひYouTubeのコメント欄へお寄せください。

島村・岡本:ありがとうございました!

*1 CTIジャパン公式YouTubeで公開されている「上司に必要なコーチングスキル」というタイトルの動画。https://youtu.be/o5EVC4yWL4E

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