【事業失敗の赤裸々告白】小さな会社が2800万の借入をして5年で3000万の赤字を生み出した事業の終焉と振り返り
前回記事で書いた「流れにのる」ことの重要性を実感した30代の中で、流れに乗ったと思えたはずが行く先が崖で激流となってしまったSouseiMarche事業。小さな会社で過去最多の借入を行いコケた事業についてしっかりと振り返ることでこれからの事業に活かそうと思います。noteに赤裸々に公開するのも、そうすることでよりしっかりと振り返りにつながると考えたのと、同じような轍を踏む必要がない方のお役に立てれればとも思ってです。基本的に何事も失敗ではなく次への経験と思ってますが、今回「失敗」と書くのは実際に数字面でもそうですし、しっかりと向き合うことが必要だと感じているからです。
SouseiMarche事業の5年間
事業概要
札幌市にある商業施設「サッポロファクトリー」に2018年11月に1号店を展開した事業。創業時は「全国初の通年開催型マルシェ会場」を目指し立ち上げたが、詳細は後述するが、途中からセレクトショップ(食品小売業)とのハイブリッドへ最後はセレクトショップとなり2023年12月に全事業が終了しました。この5年間の事業で2800万円と弊社過去最大の借入を行い、3000万円という過去最大の赤字を生み出して終焉を迎えた事業のお話になります。
▼当時書いた記事はこちら
はじまり
まだマルシェ事業をそこそこに実施していた頃に、テナントを誘致する会社から連絡が入り今回の案件について連絡を貰いました。早速話を聞いてみるとこれまでの事業の延長線上の1つであり新しい挑戦だと思える内容でした。そこから実際に現地に行き、現場の方とも話を聞き前向きに検討をすることにしました。開業するまでは繰り返しになりますが流れにのっている感覚で進めていました。
5年間の流れ
2018年
3月 リーシング事業会社からの最初の打診
7月 金融機関からの融資決定、事業決定
11月 SouseiMrche札幌店開業
2019年
7月 SouseiMarche旭川店開業
2020年
2月 全国に先駆け北海道で緊急事態宣言による事業への影響拡大
4月 全国緊急事態宣言(札幌店は1か月館が休業/旭川店も時短)
2021年
10月 札幌店、フロア内移転(規模縮小・業態若干変更)
2023年
1月 旭川店閉店
12月 札幌店閉店、SouseiMarche事業終了
2800万円の借入返済完了
目指したのはマルシェ常設店舗への挑戦
弊社は「マルシェ事業」「地方創生事業」「農業支援事業」の3事業を進めており、マルシェに関しては都内でも最古かつ最大級の規模で運営をし続けています。2018年当時も年間120日程度のマルシェを行っておりマルシェ事業の拡大中でした。その中でいただいた話が、サッポロファクトリーのリニューアルに伴う1フロアの中の1区画にて、商業施設では原則できない「サブリース(又貸し)」を実施しての館内における通年開催型マルシェ運営という新業態でした。成功すれば全国初となる事例でした。当時のことを今でも覚えてますが、本当に話を貰ったタイミングが良く、その前の年ならまだ受けられる体制も無かったですしその1年後でもどうだったか分からない絶妙なタイミングでのお話でした。
金融機関からの借入次第で最終判断へ
しかし即判断はできません。売上1億円未満の小さな会社でしたので商業施設にお店を出すのは「資金繰りが出来ないことにはやりようがない」と考えてました。先方と条件面を確認し必要な経費の試算をすると当然現預金残高では足りず、「金融機関から借入ができれば契約する」という旨を伝えました。急ぎ事業計画書を作成して懇意にしていた金融機関の方に審査をしていただきました。落ちたらそこで諦めよう、今ではないってことだと思っていたところありがたいことに将来への期待を込めて審査が通りました。追加で公庫からも借り入れを行い合計2800万円を借入しました。それまで弊社が借入したことがあるのは公庫から数百万円程度でしたのでかなりの勝負に出たと当時感じていました。一方でそれだけの評価をしてもらえることにも嬉しさを覚えていたのも事実です。そして事業実施へ進むことになりました。
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