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北京・深圳ハードウェア企業見学会_その1_驚くほど刺激的な観察先。旅程と顔ぶれとモバイルペイメント諸々

 2017年8月8日~16日にかけて北京、深圳の大人の社会見学っぽい旅行に行ってきました。この旅は、高須さんが主宰しているニコ技深圳観察会で出来た縁から、北京メーカーフェアが11日~13日にあるからそれにあわせて北京観察会どうですかと、北京在住の佐野さんから声をかけて頂けたことがきっかけとなりました。
 佐野さんは、日本の大学卒業後中国の清華大学でMBAを学び、今は北京の環境関連ベンチャーで働く異色のキャリアの持ち主の方です。佐野さんのネットワークのおかげで、貴重な観察体験ができたので何本かに分けてnoteにまとめたいと思います。今回の北京観察会全体のまとめはこちらに他の参加者の有志の方の感想がまとまっていますので是非ご覧ください。

 一本目の今回のnoteでは主に参加者の顔ぶれ、旅程と、中国でのモバイルペイメントやシェアサイクルなどについて書き留めます。なんなんだろうこの充実度は。

参加者顔ぶれ

(この写真は1日目の創業公社が支援しているVR系企業にて) 

 北京で観察会に参加もしくは、お食事だけなど、参加日程にばらつきはありましたが、私の日常ではお会いする機会がない方ばかりで大変刺激を頂きました。

案内役の佐野さん(日)、シンガポールから高須さん(日)、Human Interface分野の第一線の研究者で今は北京のMicrosoft Research勤務の福本雅朗さん(日)、ドワンゴの伊予柑さん(日)、北京在住の米系証券会社の女性インフラエンジニアの方(中)、その息子さんで9月からイリノイ大学に進学する人(中)、遼寧省瀋陽にある超進学校の東北育才学校から日本の大学卒業して、キャスター業しつつコンテンツビジネスたち上げている人(中)、謎のエンジニア”ワン”さん(中)、日本の気鋭のC向けハードウェア会社の役員の方(日)、神戸大学の中国経済専門家の方(日)、半導体関連企業の方(日)、深圳でハードウェアスタートアップを立ち上げる日本と中国のハーフの方(日)、北京で長年証券会社を経営されていた方(日)。

日本人、中国人の方、それぞれの分野で専門知識を持って、皆英語は当たり前にできて、中国語でも日本語でも会話できる人が大半で、これが世界で働く人の標準なのかと。語学に関して言えば、北京では見学先も大半の人が英語で自社を説明できるし、日本語を使う人もいるし、このままでは自分はいかんなと思い知らされました。

 また、深圳では、NEDO勤務の方、深圳に派遣されて中国経済を研究している方や、見学会常連の技術会社経営の方や、コンテンツ系のシリアルアントレプレナーの方と、その紹介できたコンテンツスタートアップのCEOとCTOの方、日本の巨大メーカー勤務から広告代理店に転職される方などなど、また多様な方と一緒に見学させて頂きました。

旅程

北京で15社と1寺社、深圳で2社計18社の観察を行ってきました。

8月8日(火):羽田→北京
当初は羽田→上海→北京の予定。北京空港の混雑ぶりは聞いていたのですが、まさか上海も混雑なのか。台風明けも手伝ってかフライトは大混乱で、結局お昼頃発の予定が、北京への直行便に変更となり到着は深夜。北京空港へのフライトは噂以上の混乱だなぁ。次は、天津経由で電車で行こうかしら。
8月9日(水):現地朝集合。ここから観察会スタート。
中関村の創業公社訪問及びテック系スタートアップ3社見学
中関村創業ストリート及び運営委員会訪問、支援企業1社と交流
Microsoft Research 見学

8月10日(木):清華大学x-lab訪問、支援先企業2社と交流
清華科技園Tus Star訪問、製造支援拠点見学、支援先企業2社と交流
電気自転車スタートアップ Tsinova 訪問  
8月11日~13日:北京観光
メーカーフェア北京行ったり、北京のチームラボ展みてアートエリアの798芸術区フラフラしたり、ネット系企業が集まる望京SOHOみたり、王府井行ったり。雨が多かったこともありますが、万里の長城や故宮など観光名所は断念。行くなら絶対平日!故宮はチケット売り切れておりWEB予約必須。万里の長城も休日は人・人・人らしく、今度、平日に遊びに来よう。
8月14日(月):北京IT寺(?)龍泉寺内見学&昼食体験
偽物街とよばれた秀水街(シルクストリート)を少し見学して、北京→深圳へ空路で移動
8月15日(火):深圳 完全IT化されたスマホケース工場 Ash Cloud 社見学
開発、受託製造等を手掛けるJENESIS社見学
SEG賽格衆創空間(SegMaker+)コワーキングスペース見学
夜は深圳の中国人の友達と深圳チームラボ展みたり、夜遊びしたり。
8月16日(水):香港経由で帰国。
移動ルートは地下鉄で羅湖(中国)→イミグレ→羅湖(香港)→上水→A43バス→香港国際空港。平日朝でイミグレは空いていて、香港入出国はe道でスイスイ。

お金や移動手段など

初期装備

 中国旅行を簡単にするため、今まで何回かの深圳旅行を通じて基本準備は事前に出来ている状態です。

具体的には、SIMフリー携帯、中国の電話番号SIM、盾を超えることができるネット環境(香港SIM、シンガポールのHappy Travel SIM)、中国国内の銀行口座、wechat pay、 シェアサイクル(mobike)、タクシーアプリ滴滴(didi)、深圳の交通ICカード深圳通、地図アプリは高徳地図、翻訳アプリは百度翻訳を活用。

尚、北京のIC交通カード「一卡通」は今回北京で購入、alipayは旅の途中で有効化しました。あと足りないのは中国国内旅行関連予約アプリのCtripくらいかな。中国語は勉強を始めたばかりなので、これくらいIT武装しておくと中国都市部の旅行はぐっと楽になると思います。


 航空券は羽田→北京、北京(19:15)→深圳(22:50)、陸路で深圳→香港移動し、香港(13:15)→成田(18:30)。日本を絡める航空券は、お盆近辺かつ直近だったこともあり、かなり割高。羽田→(上海経由)北京は、エコノミークラスでも高すぎて手が出ず、マイル特典航空券もビジネスクラスしか残っていない。仕方がなく虎の子のスターアライアンス系のマイルをがつッと切り崩してトホホ。北京→深圳は深圳航空で2.3万円くらい。香港→成田は香港エクスプレスで2.4万円ほど。まあ時期が時期だけにしょうがない。

 ホテルは北京では見学参加者とシェアさせて頂き、南礼士駅近くと、北京西駅近くの2つのホテルで、一人当たり一泊3000円×6泊ほど。最初のホテルは朝食付き。シャワーの出が少し弱い程度で快適。北京市内は外国人が止まれるホテルは一泊6000円以上がほとんどの様子。深圳では華強路近くの少し良いホテルにとまったので1泊9,000円ほど。次は観察会で人気の定番ホテルJiaで4000円程度のところにしようかな。

移動手段

 街中の移動は北京、深圳とも複数人でTaxiなら滴滴を利用、ただ滴滴App内で英語切り替え機能が出たのですが、英語切り替えにすると途端に反応する車が少なくなる印象。おそらく中国語のまま使った方が良さそう。Taxi使わないならば、最寄りの駅までmobikeかofoで移動して地下鉄かバスに乗車。降車駅から目的地まで再び自転車借りて移動が定番。特に北京市内は自転車専用レーンがかなり整備されていて、自転車移動が快適でした。空気も思っていたほど汚くはないんじゃないかな。マスクしている人をほとんど見かけなかったし。

 (↑望京南駅近くの自転車放置状況)

 シェアサイクルは北京はofo6割とmobike3割、そのほか1割くらいの感覚。深圳はもう少しbluegogoがofo,mobikeの次にソコソコ数が多くなる印象。とりあえず現時点では、ofoかmobike選んでおけば大丈夫。mobikeの自転車のデザインが好きなのと2元で実質1カ月乗り放題の定額制キャンペーンやっていたので今回はmobikeをずっと使いました。ただ、友人と旅行してその友人がシェアサイクルアプリを持っていない場合は、ofoとmobikeなど両方のアプリをデポジットと身分証の有効化しておいて同時に使えるようにしておいた方がいいと感じました。ofoは身分証審査中でも使えるみたいなので、中国電話番号とデポジット払えるだけのwechat payを準備しておくといいです。

決済手段

 現金はクレジットカードの現地キャッシングで引き出し。参加者の中には、現金禁止縛りを課してる猛者もいましたが、私は普通に現金も活用しました。

 まず深夜の北京空港からホテルまでの移動で滴滴&電話対応で居場所を伝える不安があったので、普通のタクシーで130元程度の支払い。北京の交通ICカード「一卡通」の購入と、チャージの度に現金利用。同じく、香港で電車、バスにのる八達通のチャージ。尚、深圳通は一度購入すれば、チャージはwechatpayや銀行口座から駅に置いてある機械経由でできるので現金は不要です。
 また、チャージのための細かい紙幣が欲しくて、北京のコンビニであえて現金支払いもしました。その他、龍泉寺手前の山への入園料金の支払いがwechat payだと登録など面倒だったので現金で。あと王府井の料理屋でalipayと現金しかダメだったところがあり現金で支払い(その後alipayを有効化しました)。同じく王府井の本屋は現金とめずらしくクレジットカード(VISA MASTER OK)のみでモバイルペイメントがだめだったので現金で。
おっと、考えてみると深圳では全てwechat pay or 深圳通で過ごしてた。

 尚、引き出して余った中国元は、100元札は口座に預金しておき、それより細かい紙幣、硬貨は羽田か新宿にあるpocket changeでwechat payに交換しておけば次回の旅行の時にキャッシングする金額を減らすことが出来ます。

 北京、深圳がモバイルペイメントが相当に進んでいるのは間違いないですが、キャッシュレス世界という意味では、東京と北京・深圳を比較すると、中国はクレジットカードが使いにくい世界で、小規模商店でモバイルペイメントが使える便利さがある。また友人同士のお金のやり取りはモバイルペイメント利用で非常に楽。一方、東京は一定規模以上のお店はクレジットカードやSUICAなどが利用できるがランチや小規模商店ではクレジットカードも使えないことがある。友人同士のお金のやり取りは色々出てきたところ。個人的にはキャッシュレスでの暮らしやすさは高額商品はやはりクレジットカードを使いたいので、東京の方が若干心地よいのではないかと思います。


さて、次回は刺激的だった北京1日目について書きたいと思います。ではまた。

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