湧水

2001

湧水

2001

マガジン

  • 21世紀文庫

    理想の21世紀を考える (storeにて全品2001円で販売)

  • 芸術幼稚園

    「中高生とアートをつなげる」ワークショップの記録

最近の記事

本を売ります

自宅にモノを保管しておくのが好きではなく、特に書籍なんかは同じものを再購入することができるため、読んだそばから捨てたり人にあげたりしてきました。 しかし例外的に、直近の1年弱は、引きこもり気味だったので、読んだものが手元に溜まりました。 折角の機会なので、今回、まとめて、売りに出そうと思います。ネットショップを準備しております。また、3月半ばあたりには、リアルで買いに来れる場所も用意します。パーティーをしよう。 全部で50冊ほどありますが、テーマごとに2〜3冊セットで、

    • 社会的自己を手放さない

      とことん物持ちが悪い私が手元に残している本の類を眺めつつ 制服を脱いでからの数年間を振り返ると 自分が 日本人/女 であることにたいする 証拠集めをしていたような気がする  10代までは「そんなものない」と思い込んでいた「社会的自己」との付き合い方に関して散々に悩まされた・今でも「そんなものない」と思っている時も多いし無理して属性の自覚を持つ必要なんてないかもしれない・個人主義の時代だし何かにつけてニュートラルが持て囃される・文字通りなんでもありで秘密主義すらアイデンティテ

      • pregnant nurse 2017

        Uから電話が掛かってきた時、私はサイゴン川を目前に、アルコールが入っているのかいないのか分からないくらい薄味の缶ビールを啜っていた。向こう岸には、高層ビルが建ち並んでいて、ライトアップまでされていて、それが反射して水面でキラキラと揺れる光の粒が、昼間の川の泥の色を完全に忘却させるので、暗闇の威力を再認識していたところだった。 宿泊していたホテルに隣接するファミリーマートで購入した、コーンフレークをキャラメルで固めたようなスナック菓子が、歯と歯の間に確かに未だ張り付いていたけ

        • 喪失のビジョン

          酷い近視で、常にレンズに依存している。もはや、就寝直前と起床直後に現れる、ボヤけた視界のほうが不慣れで、しばらくそのままでいると「酔う」。 明瞭な視覚という支えを失った身体を実感しているとき、「失う」とはどういうことなのか、考える。 ○ 幼少期から、人物の顔を覚えることが苦手だった。それが「相貌失認」という症状として、ある程度ポピュラーであることを、去年の秋頃に、初めてググって知った。 自分の場合は、表情とその意味は読み取れるし、覚えられないだけで区別は可能なので、顔

        本を売ります

        マガジン

        • 21世紀文庫
          1本
        • 芸術幼稚園
          20本

        記事

          無言の声に聞き入る

          二十歳の誕生日に惚れた港町に暮らし始めて、半年が経とうとしている。相変わらず長旅の只中にいる気分は抜けない。 方方に迷惑を掛けて大移動を強行し、実家に放置していた未読の本などを手元に集合させた割には、やると決めていた作業には手付かず、読んだことのある小説を本棚に並べてみるだけの、果てしなく緩んだ日々を送っている。怠惰な自分に焦る自分も消え失せて、時間の概念を理解する以前の、幼少期の自己がよみがえった幻想に浸っている。 友人がひとり亡くなった。桜が満開の時期だった。 互い

          無言の声に聞き入る

          第17回 「風が通るバの作り方」

          【日時】2019年10月17日(木) 【講師】ジャッキーさん 【内容】お店やさんごっこ 今回の講師のジャッキーさん、あらため尾崎昂臣さんは、湯島にあるお店、夜学バー、の店主をしている方です。お店のホームページ http://ozjacky.o.oo7.jp/brat/ を読んで感銘を受けて、実際にお店に行った際に芸術幼稚園のことを話して、講師をお願いしました。*ホームページ、是非読んで頂きたいです。 事前の打ち合わせでは、教室でバーをやる、お店やさんごっこを通じて、バーに

          第17回 「風が通るバの作り方」

          第16回 「広がる言葉は想像力の証」

          【日時】2019年10月7日(月) 【講師】猫道さん 【内容】ライブ、ワークショップ  今回の講師の猫道さんは「スポークンワード」という、喋りをビートに乗せたパフォーマンスをしている方です。ありがたいことに、公開していた過去の活動に興味を持って頂き、猫道さんの方から依頼があり、開催が実現しました。  7月以来の開催で、個人的には少し緊張していましたが、機材を設置する間の他愛もないお喋りで、教室の雰囲気は打ち解けました。参加生徒は10人ほどで、機材の設置が終わると自然な流れ

          第16回 「広がる言葉は想像力の証」

          百鬼夜行渋谷アタック大作戦で芸術について考えたこと

          昨年に引き続き2回目の参加だった。このよのはるも、渋谷の街も、もちろん私自身も、1年間で変わったことはたくさんある。それでもまた百鬼夜行渋谷アタック大作戦が決行されて、参加することができて、嬉しかった。だいたいここにいるのはいつも奇跡だ。 今回私は自分が主宰している企画の名前で参加した。別に自分の名前でもよかったが、芸術幼稚園に来てくれている人たちにも、このイベントを目撃して欲しかったのだ。けれどもその策略は失敗した。1人だけ学校の友達が来てくれたが、その人は企画繋がりとい

          百鬼夜行渋谷アタック大作戦で芸術について考えたこと

          色々な生き方を見せる場に

          こんにちは。お久しぶりです。世の幼稚園が夏休みであったあいだ、例にもれず芸術幼稚園も休んでおりました。よく休めました。しかし休みは終わるもので、9月から活動再開です。 今回は、夏休み中に芸術幼稚園について考えたことを振り返って、みなさんに伝えたいと思っています。というのも、芸術幼稚園は、より大きなことをしていこうとしています。そうすることに決めました。主催(高3)の卒業という現実的な理由が主にありますが、茨城の田舎の学校の端っこでやってきたことが、どこまでいけるのか、広げて

          色々な生き方を見せる場に

          第15回 「よりよく生きるために」

          【日時】2019年7月16日(火) 【講師】野口竜平さん 【内容】芸術探検社のプレゼン、話し合い 今回の講師は芸術探検家の野口竜平さんでした。彼との出会いは、ちょうど2年前の夏で、それは私にとって芸術や美術に関心も持ち始めるキッカケでもありました。企画の開催に惰性が感じられるようになってきたこと、意義を改めて考え直したいという気持ちに対して、野口さんは「大きなよそもの」として、行動のきっかけを投げてくれました。 (このnoteでは第15回芸術幼稚園の記録を書くこととします

          第15回 「よりよく生きるために」

          第14回 「習うと慣れるの法則」

          【日時】2019年6月18日(金) 【講師】東京ディスティニーランド 【内容】芝居鑑賞 思い返せば、去年の冬、第1回の講師は東京ディスティニーランドでした。彼が来校するのは今回で3回目で、その間にも彼は彼の物語を紡いでいました。芸能事務所に所属して、衝突して、名前を変えて逃げて、旅に出て、いつの間にか結婚していました。一方の私は、変わりばえのない生活の中で、なんとなく学校に通って、ベルトコンベアのように学年が上がっていただけです。それを思うとき私は、彼が彼なりの人生を歩んで

          第14回 「習うと慣れるの法則」

          第13回 「楽しいから描く」

          【日時】2019年6月14日(金) 【講師】池田和徳さん 【内容】表現の楽しさを発見しよう 池田さんは、日本大学芸術学部美術学科絵画コースを卒業後、個人事業でキャラクターブランドの展開などをしている方です。今回は、企画が面白そうなので是非参加させてほしいという連絡をもらいました。こちら側からお願いする形でなかったのは初めてで緊張しましたが、絵を描くことを通して改めて企画の趣旨を考えることができました。 ここから当日のレポートです。 参加者は10人くらいで、その中には初参

          第13回 「楽しいから描く」

          第12回 「ちょうどいい自分らしさ」

          【日時】2019年5月28日(火) 【講師】遠藤純一郎さん、瀧澤綾音さん 【内容】言葉を声にしたときに生まれる様々な印象に気付くためのワークショップ 今回の講師の遠藤さんと初めて会ったのは、たしか、2018年の5月だったと思います。なんと前々から芸術幼稚園のことを知ってくれていて、こころよく講師を務めてくれました。 ここから当日のレポートです。 参加者は10人くらいでした。文化祭の直前で、準備が忙しく、教室が空いていなかったので、広い講義室での開催になりました。机と椅子

          第12回 「ちょうどいい自分らしさ」

          第11回 「表現と認識の自由」

          【日時】2019年5月24日(金) 【講師】黒木洋平さん 【内容】「よく見る」ことと「よく話す」ことのワークショップ 今回の講師の黒木さんは、亜人間都市という演劇ユニットの主宰で、普段は劇作家、演出家として演劇を作っている方です。また、演劇のワークショップ(別に演じるわけではない)も企画していて、そのワークショップに参加したことがきっかけで、講師をお願いすることにしました。 ここから当日のレポートです。 参加者は15人くらいでした。事前の予定を大幅に超えてしまいましたが

          第11回 「表現と認識の自由」

          「芸術幼稚園」はセカンドステージへ

          ハッピーニュースです。孤立無援状態ではじめた「芸術幼稚園」でしたが、2019年3月に全10回の開催を無事に終えることができました。 あ、全10回と決めてはいませんでしたが、新年度だし、4月からはセカンドステージとして新たなスタートを切ろうと思ったのです。とりあえず今年度まではファーストステージとして、10回で丁度キリがいいし、区切ろうかなと。 ここ1ヶ月は、振り返りをしてアーカイブのテクストを書いたりしながら、いろいろ考えていました。たくさんの人の応援と協力のお陰で「芸術

          「芸術幼稚園」はセカンドステージへ

          第10回「全部が未来の表現になる」

          【日時】2019年3月19日(火) 【講師】米澤一平さん、阿部真理亜さん 【内容】パフォーマンスの実践 今回の講師の米澤さんは、第6回でも来て頂いたタップダンサーの方です。今回は映像製作などもしているダンサーの阿部真理亜さんと一緒にお越し頂きました。 ここから当日のレポートです。 参加者は10人くらいで、なんと今回は筑波大学の学生の方にもお越し頂きました。学生研究の発表会で芸術幼稚園について発表する機会があって、とある教授に興味を持ってもらったのでした。 はじめに、米

          第10回「全部が未来の表現になる」