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わたしの日本文化愛|周庭

日本のアニメやアイドルが大好きだという、香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さん。日本に興味を持つきっかけになったアニメや、ファン歴8年にもなるモーニング娘。などのアイドル、今期期待の映画など、日本文化について熱く語りました。(翻訳:伯川星矢)

御宅女生的政治日常──香港で民主化運動をしている女子大生の日記
第5回 わたしの日本文化愛

 これまでは、香港の政治情勢やわたしの考え方についてお話をしてきました。しかし、わたしがどうして日本文化を好きになったのかは、まだお話していませんでした。今回はそれをお伝えしたいと思います。

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▲香港衆志のメンバーと、ヴィクトリアパークの旧正月祭りにて。

 わたしが日本のアニメに興味を持つようになったのは、小学校6年生か中学校1年生の頃でした。それまでも、ときどき香港テレビ局が放送していた吹き替えアニメを観たことはあったのですが、あまり夢中になることはありませんでした。

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▲『アイドルマスター』の星井美希と『アイドルマスターシンデレラガールズ』の双葉杏のフィギュアと。

 日本のアニメの中で、初めて大好きになったのは『きらりん☆レボリューション』です(しかもちゃんと日本語バージョンで観ました)。もともとアイドルが好きだったからかもしれませんが、子供の頃は香港テレビ局が放送していたアニメ、『満月をさがして』も観ていました。ヒロインがステージの上で歌う姿がすてきで、すっかり熱中していました。『きらりん☆レボリューション』の中で一番好きなキャラクターは、男性アイドルグループ・SHIPSに所属する風真宙人でした。だって、宙人はかっこよすぎだし、優しすぎだし、ヒーローオーラが出まくりなんですもの(←オイ)。毎回、宙人とヒロインのきらりのラブシーンが出てくるたび、つい何回も観たくなってしまいます。

 『きらりん☆レボリューション』はわたしがモーニング娘。のファンになったきっかけでもあります。ヒロインのきらりの声を担当したのは、モー娘。のメンバーである久住小春だったのです。それをきっかけに、モー娘。の楽曲に興味を持つようになってファンになり、現在ではファン歴8年です。現在のモー娘。は当時と比べ、メンバーやダンススタイル、曲風が一変しました。わたしがモー娘。に夢中になっていたときは、プラチナ期と呼ばれていた時期でした。その時期はほかのアイドルグループ、AKB48などの知名度が上がり始めていて(アイドル戦国時代の幕開けと言ってもよいでしょう)、モー娘。の勢いはどんどん下がっていきました。それでも、当時のモー娘。は実力派で、わたしは彼女たちの実力に魅了されていたのです。

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▲ロック画面の待ち受け画像は星井美希。

 プラチナ期のモー娘。の中で、一番好きなメンバーは亀井絵里でした。彼女は7年前にグループから卒業しましたが、「歴代のモー娘。で一番好きなメンバーは誰ですか?」と聞かれたら、必ず彼女の名前を口にします。いわゆる「神推し」というものですかね。7年前の夏休みの時期に、インターネットで亀井の卒業情報を知り、涙が止まりませんでした。亀井が正式に卒業をした後、わたしは何度も彼女の卒業コンサートのDVDを見返して、何度も泣きました。モー娘。はわたしのようなアイドルグループファンにとっては、とても大切な存在なのです。

 日本のメディアに出ているわたしを見かけたことがある方は、わたしが嵐のファンでもあることを知っているかもしれません。実は、嵐ファンになったのは比較的最近のことです。もともと女性アイドルの方が好きだったので、男性アイドルにはあまり興味がありませんでした。でも、数年前に嵐の曲『Endless Game』のPVをたまたま見かけ、さらに二宮和也主演の映画『プラチナデータ』を観てから、嵐に興味を持つようになりました。

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▲先日の来日時に、『Forbes JAPAN』の取材を受けました。

 学民思潮に入る前は、よくハロー!プロジェクトの生写真や関連商品をインターネットで買っていました。当時は無我夢中といった感じで、買ってきた生写真で何冊ものアルバムをいっぱいにしました。暇があれば写真を全部取り出し、一から整理し直したものです。でも、学民思潮に参加して以降、特にスポークスパーソンになってからは、アイドルに費やす時間が減っていきました。また、たくさんお金を使って生写真を集めることにも抵抗が出てきました。

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▲クレープを食べて一息。

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▲日本で買った『THE IDOLM@STER (6) 特装版』。

 そんなわけで、学民思潮加入から今に至るまでは、仕事が終わってからの休みの時間、気分転換のためにアニメやバラエティ番組を観ています。今年のアニメ映画で一番期待している作品は『虐殺器官』(この記事が配信されるころにはもう上映中ですね! 香港にいるわたしはまだ観られていないと思いますが)と『Fate/stay night [Heaven's Feel]』です。早く観たいです! 機会があれば、またみなさんにわたしの日本のアニメ・コミック・ゲームへの愛を語りたいと思います。またお会いしましょう!

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▲香港衆志のメンバーたちと、お揃いのエプロンで。

(了)


▼プロフィール
周庭(アグネス・チョウ)
1996年香港生まれ。社会活動家。17歳のときに学生運動組織「学民思潮」の中心メンバーの一員として雨傘運動に参加し、スポークスウーマンを担当。現在は香港浸会大学で国際政治学を学びながら、政党「香港衆志」の副秘書長を務める。

前回: 第4回 15日間、日本の旅
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