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高血圧を改善したいなら歩きましょう!

日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会の調査によると、高血圧の人は4,300万人いるといわれていますが、そのうちの3,100万人(73%)は血圧を適正なレベルにコントロールできていないと発表されています。さらに、高血圧の人のうち、「高血圧と知っているが治療を受けていない人たち」は450万人(11%)、「そもそも自分が高血圧であることにすら気付いていない人たち」は1,400万人(33%)もいます。
高血圧になると血管に常に負担がかかるため、血管壁が傷ついたり、血管の柔軟性がなくなり固くなったりして、脳出血や動脈硬化を起こしやすくなります。
そのガイドラインでは高血圧対策にウォーキングが推奨されています。
では、高血圧に有効なウォーキングはどんな方法でしょうか?


高血圧に有効なウォーキング

今回紹介する
高血圧の運動療法─身体活動,減塩,環境の血圧に及ぼす影響─
では

,軽症高血圧者(A)及び正常血圧者(B)に運動療法として身体活動(ウォーキング)を9カ月間行い血圧の変動を測定し,「血圧の自己管理」が可能であるか検討した.

(中略)

結果は,(A)の運動量と血圧の間に有意な負の相関を認めた(収縮期血圧相関係数-0.32,n=40,p<0.05,拡張期血圧相関係数-0.36,n=40,p<0.05).しかし(B)では同様の相関を認めなかった.

と報告されています。
ウォーキングを実施することで、血圧降下が可能であるというデータです。
ここで気になるのはどのようなウォーキングを指導し、実施したのか?です

効果的な歩き方

方法としては以下のようになっています。

運動設定条件は運動処方にて中等度運動(VO2 max 50%)をA,B各々決定し,身体活動(ウォーキング)を実施した.具体的実施方法は(A)は強度(107拍/分),速度(100m/分),時間(60分),頻度(4回/週),1回10,000歩とし,(B)は強度(113拍/分),速度(90m/分),時間(40分),頻度(3回/週),1回7,200歩とした.運動時間は,(A)は240分以上/週,(B)は120分/週以上とした.

これは,高血圧治療ガイドライン2004の『軽度な運動(最大酸素摂取量の50%くらいの軽い運動)を10週間続ける』を参考にされているとのことです。
つまり、ただ歩くのではなく身体にしっかりと負荷を加えることがポイントとなっています。

まとめ

ウォーキングで効果を得るためには、速歩で歩くことが重要です。
今回のVO2 max 50%はボルグスケールにおいて11程度と言われています。
つまり、ウォーキング療法士がいつもお伝えしているボルグスケール11〜13で歩くことの重要性が理解できます。
ウォーキング療法士として、しっかりと根拠を持ち、さらにその方にあった歩き方、歩く目安をお伝えしていきましょう。
ウォーキングを指導し、その方の健康寿命をサポートしてみませんか?
療法士として、社会貢献ができる手段がウォーキング療法士です。

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