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水中歩行の効果

ウォーキング教室で登壇していると、時折質問されるのがプールなどでのウォーキングの是非についてです。ウォーキング療法士として、しっかりと根拠をお伝えするためにも水中ウォークの効果を知って必要があります。
本日は水中ウォークの効果について整理してみました。


水中ウォークは呼吸筋を鍛えるのに有効!?

今回紹介する
高齢者の呼吸筋力に対する水中歩行の持続効果
では

参加者は,高齢男性43名(年齢68.6±3.4歳)とし,ランダムに水中歩行の継続群(21名)と非継続群(22名)に分けた.まず,両群ともに6週間の水中歩行を実施し,その後6週間は,継続群は同じ水中歩行を継続し,非継続群は日常生活以外の特別な運動を禁止した.

(中略)

測定項目は吸気筋力 (PImax),呼気筋力(PEmax),肺活量(VC)とし,運動前,6週後,8週後,10週後,12週後に測定した.
両群においてPImaxおよびPEmaxは運動前と比較し6週間後に有意な上昇を認めた.継続群は12週目にはPEmaxが6週目と比較し有意に上昇したが,PImaxは有意な上昇を認めなかった.非継続群は6週目と比較し,PEmaxは10週目には有意な低下を認め,さらに継続群と比較し有意に低値を認めた.非継続群のPImaxは6週目と比較し12週目は有意な低下を示した.VCは,両群において運動前と比較し,有意差は観測されず,6週間目以降も両群で有意な変化を示さなかった.水中歩行では水圧に抗しながら前進するため,呼気筋である腹筋群を働かせ体幹を固定する必要性が生じることから,継続群では6週目以降もPEmaxが上昇したと考えられる.一方で非継続群はプログラム終了後4~6週間にて呼吸筋力は低下することが示唆された.

プールなどで歩くことで、呼吸筋は向上することが確認されています。関節に負荷を少なく呼吸筋を改善するために水中ウォークは有効であると考えられます。

注意点!!

しかし、水中ウォークが良いと聞いておすすめするだけではダメです。
ポイントはやはり負荷量です。
この研究では

水中歩行は,第4肋間以上の水深にて運動強度は予測最大心拍数の60%になるように歩行速度を調節し,30分間歩行を週に4回実施するものとした.

と報告されており、運動強度をしっかりとコントロールされています。
運動強度を意識することをとお伝えすることが重要です。

まとめ

ウォーキングは気軽に始められる運動ですが、効果を得るためにはしっかりと意識して歩くことがポイントです。
ウォーキング療法士として、その方の適性は?を考えてアドバイスをしていきましょう。
ウォーキングを指導し、その方の健康寿命をサポートしてみませんか?
療法士として、社会貢献ができる手段がウォーキング療法士です。

ウォーキング療法士の詳細はこちらから
https://iairjapan.jp/wt/




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