見出し画像

木の香り

個展の準備で やすりがけをしていて
思い出したことがある
大学の授業で
自分でデザインした小物入れと
ペーパーナイフを木で作ることがあった

あたりを描いて
小刀で切り出していく作業は
無心になることが出来
木の目の方向を感じながら
小刀を動かすことは
とても根気がいるが楽しかった

最後の仕上げに やすりがけをして
つるつるの感触に整えて
ニスをぬると
温もりある木工作品が出来上がった

今も大切に使っている

いつも平面のイラストしか描いていないので
立体物はとても難しく感じる

ゲームもそうだ
3Dであちらこちらを走り回ってクリアしていくRPGは
自分が今どこを走っているかがわからなくなり
あげく画面に酔ってしまい具合が悪くなる

3Dになると とたんに難易度が上がるなと感じる

高校の美術の時間に
「あなたは 立体にむいていないね」と指摘されたことがあった
まさしく その通りです!と言いたいぐらい 見抜かれた
石膏をリンゴの形に削り出していくのだが
とにかく よく理解できないまま終わってしまった記憶がある

その後 大学では石膏像作りに挑戦した
友達には「いのっちに似ている!」と指摘された

モデルとなった石膏像の名前は忘れてしまったが
いのっちが出来上がったのだから
うまく行ったのではないだろうか

立体的なものを作るには
慣れもある程度必要なのだと感じている

デッサンも
今を支えてくれている
基礎の部分を作ってくれたのだなと
この頃ようやく分かってきた

そんな事を思い出しながら
やすりがけをしていたら
もう一つ思い出した

子どもの頃
木製のたんすの引き出しを引っ張り出し
噛んだことを。。。

歯が生え変わるのが影響したのか 何なのか
まったく分からないけれど
引き出しを よく噛んでいたそう

私の前世は 木が好きな虫だったのか?

まだ家にあるそのタンスを横目に
木の香りには びっくりするぐらい
癒されることを思い出した


使用画材:鉛筆

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?