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聞く技術 聞いてもらう技術

最近、東畑さんの本は出版されると店頭に山積みになっている。本屋の中での売れ筋も売れ筋なんだろうなと感じる。今回の本も出版されてからしばらくしてから読んではいるが、これもまた大当たりだ。
聞く技術、そして聞いてもらう技術、そのどちらもの大切さが書かれている。

東畑さんがカウンセラーとして実際に使ったり考えたりしている「小手先の技術」が、それぞれ10こずつくらい載せられている。どこか当たり前のように思うけれど、なかなかできていなくて。こうした小さな積み重ねによって聞くことも、聞いてもらうことも、全てとっかかりになってるんだなと思えた。

と同時に、やっぱり実際に聞くという行為は、そんな小手先なんかのものではなく、やっぱりただ聞くということでさえ本当に難しく、人はどうしても聞きたいように聞いてしまうのだなと考えさせられる。
自分自身も働いている時、子どもの声をやっぱり自分のいいように解釈してしまっている。しかも聞けていない自分についても分かっていながらも、聞けている風な感じを出してしまっていたように思う。

読み進めていくうちに、聞くこと、聞いてもらうことという枠を飛び越えて、人と向き合うというのはどういうことなのか、孤立と孤独ってどんなところが違うのか、社会に溢れる普通とは一体何なのか、そうした大きな問いをたくさん投げられる。
どれも東畑さんとしての答えはあり、それについて例を交えながら分かりやすく伝えられる。そうした答えを受け止めながら、じゃあ自分に置き換えたときにどんなことが起こっているのか。自分の周りでそんなふうに感じている人はいないのか、ここで読んだ出来事を自分のことと結び付けながら考えていきたい。


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