特定NPO法人 環の会

予期しなかった妊娠に悩む方からの相談に応じ、子どもの幸せを第一に考えた特別養子縁組の支…

特定NPO法人 環の会

予期しなかった妊娠に悩む方からの相談に応じ、子どもの幸せを第一に考えた特別養子縁組の支援を行っています。子どもに産みの親がいることを伝え、子どもの声を聴く「テリング」を推奨。環の会の強みは「子ども同士の交流」と「育て親のネットワーク」。1991年設立

最近の記事

今年は会ってみたい!

長女のMが「産みの母に会いたい」と言いだした一年生の時、長男のRは、幼稚園の年中さんでした。 あの時、Rは産みの母のことを理解しているのかしていないのか、分かりませんが「お姉ちゃんは◯◯お母さんに会いたいんだね。ふぅん」という感じでした。 日々生活している中で、Rは、「今を全力で生きている」という感じで、縄跳びや鉄棒など、目の前の課題をしっかりと確実にクリアしていくという印象で、あまり、「産みの母に会いたい」とは、言いませんが、たまに「ボクには、お兄ちゃんがいるんでしょ?

    • Youthの会 総会を開催しました

      環の会を通して養子として迎えられた当事者たちが結成した「Youthの会」の総会が行われました。 今年のテーマは「特別養子に迎えられる子のための事務局標準シートを作成しよう!」。 つまり、養子として迎えらえた自分たちが大きくなるにつれて知りたかったことを、縁組みをする場に立ち合う事務局スタッフさんたちに聞いておいてもらおう、ついてはどんなことが知りたかったかを養子当事者として考えてみようということです。 「どうして妊娠したのか」「どうして産もうと思ったのか」「どうして育てら

      • Youthのお兄さん、お姉さんに励まされてます~育て親からのメッセージ

        二人きょうだいの上の子どもが、産みの母に会いたいけど会えないという辛い時期に、環の会では「Youthの会(環の会で縁組をされた養子当事者の会)」が発足しました。 仙台や千葉で行われたキャンプに参加したり、説明会でYouthの皆さんと顔を合わせ、メンバーの一人であるYさんに鬼ごっこをしてもらったり、腕相撲、紙飛行機で遊んでもらったりと、上の子どもはとても楽しかったと思います。 下の子は、特に自分には、年の離れた実の兄がいると聞いているので、Yさんに憧れています。Yさんと思い切り

        • 養子は可哀想ですか?

          特別養子縁組の当事者であると告げると、可哀想だと言われる。 ・・・というのは、比較的よく聞くことだ。 でも、養子は可哀想だと、発言する前に考えてみてほしい。 どんな側面から見て、可哀想なのだろうか。 実の親から「引き離されて」いるから可哀想なのだろうか。 実の親の元にいれば、可哀想ではない、のか。 「生みの親」と言うとき、恐らく「産みのお母さん」ということになると思う。 お父さんはいない、一緒には暮らしていない。それでも、片方だけでも、生みの親と一緒にいたら可哀想ではな

        今年は会ってみたい!

          Z世代へのメッセージ

          「こども家庭庁・特別養子縁組制度広報啓発事業」に取り組んでいる朝日新聞社さんからお声がけいただき、若い世代に向けた情報発信のお手伝いをさせていただきました。 これまで「Youthの会」の活動では、社会的養護に関わる関係者や養親さんに向けた発信が中心でしたが、今回の「Z世代の部活動をしている中高生をはじめ、YouTubeを通して情報を入手する様々な世代」をメインターゲットにした発信は初めてです。 そのため、特別養子縁組というあまり馴染みのない制度について、どの様なメッセージ

          Z世代へのメッセージ

          子どもの「会いたい」を支える育て親の気持ち

          Yさんの「私の誕生日」を読んだ育て親のBさんから、「うちの上の子・Aの出来事を思い出しました」と、メッセージをいただきました。 産みのお母さんに会いたい! Aが小学校1年生の頃、図工で書いた絵が、学校で選ばれて、県のコンクールに出品されました。 その時に、「産みのお母さんに見せたい!」と言ったので、すぐに環の会に相談をして、会う約束をしました。 しかし、いざ会える!と思った時に、コロナで世の中が一気に自粛となり、会う事は出来ませんでした。 そこから、Aの落ち込みは激しく、

          子どもの「会いたい」を支える育て親の気持ち

          ありがとう。楽になりました。

          Yさんへ 養子として迎えられたあなたが書いた「私の誕生日」、読みました。 誕生日がネガティヴに感じる事もあるのだなぁ、とあらためて知りました。 あなたの、このネガティヴだけど素直な気持ちを聞いて、育て親の私も、妊婦に対するネガティヴな思いが拭いきれないのは、それでいいんだなぁと、少し楽になりました。 子どもを迎えたのに、まだ妊娠に対して執着してるのか?と言われそうですが・・・ 100%諦めて、子どもを迎えようと思ってはいない自分をダメと思ってきました。 あわよくば、環の会

          ありがとう。楽になりました。

          私の誕生日

          20代最後の誕生日は、2ヶ月前に産みの母が亡くなっていたことを知った私にとって、いつもと違った感覚の誕生日だった。 大きくなってからの誕生日は何故か憂鬱に感じた。 どこか祝われることのない日としての認識があったのか、人からのお祝いも苦手だった。 でも今年は人からのお祝いも素直に喜ぶことができた。心のどこかで産まれた日=産みの母が存在する日として認めたくない気持ちがあったのかもしれない。 産みの母へ産んでくれたこと、十月十日(とつきとおか)守ってくれたことへの感謝はあるが、そ

          テリングを生きてきた私たちの声

          環の会・Youthの会(環の会で迎えられた養子当事者のグループ)のメンバーが、特別養子縁組をされたご家族、関係機関の方々に向け、お話をさせていただきました。その際の感想です。 ■正解のないテリングで大切なもの (杉本美優) 今回、初めて講演会に参加してきて緊張しましたが、公演して良かったと感じました。 私は、あまり周りにはオープンにしてこなかったため、今回初めて人の前に立ち、話している中で、自分で自分のことを考え直すことができました。 これからもっと自分の中で、聞いて下さっ

          テリングを生きてきた私たちの声

          新潟市児童相談所での講演

          ◾️これからも仲間たちと共に (Youthの会 会長 志村歩) 今回の講演では50名近い方々にご参加いただきました。 皆さん真っ直ぐ前を見て我々の話を聞いてくださいました。 途中、環の会・Youth(養子当事者)が産みの親に書いた手紙を紹介した場面では涙ながらに聴いている方もおり、Youthの気持ちが参加された養親さんや里親さんに少しでも届いたような気がいたしました。 養子と里子は法律的には違いますが「血の繋がりのない家族」という部分では共通点もあるかと思います。 「仲間

          新潟市児童相談所での講演

          養子当事者の声をお届けしました

          特別養子縁組家庭を支援している「エレパ二山口」さんが主催した研修会で講師として環の会・Youthの会(環の会で縁組をした養子当事者のグループ)のメンバーが、養子を育てていらっしゃるご家族に向けてお話ししました。 参加したメンバーの感想をお読みください。 ■テリングが当たり前ではないという驚き (21歳・男性・Yochi) 今回エレパニ山口さんの研修で講師として参加し、外部の方と特別養子縁組について話す貴重な体験をさせていただきました。やはり私は環の会の中で育ち、テリングは当

          養子当事者の声をお届けしました

          新しい家族を迎えました

          環の会の育て親のTさん夫妻が、長男のYくんと新しい家族のSちゃんを迎えに行ったときのこと。 Sちゃんをお迎えに行ったときの写真には、Sちゃんを抱っこした産み母のHさんを囲んで、Tさん一家3人がいつになく緊張気味の面持ちで写っていました。この写真もTさんたちご夫妻のテリングで大切な役割を果たすことになると思います。(事務局)

          新しい家族を迎えました

          養子当事者から聞く、目から鱗のテリング

          <環の会の説明会に参加した育て親さんからのメッセージ> 「イベントに参加する」というテリング 説明会の「交流タイム(育て親希望夫婦と環の会のメンバーとの意見交換の時間)」で2人のYouth(環の会で縁組をした養子当事者)のメンバーがテリングの話をしてくれました。 1人のYouthは説明会やBBQなど、お父様が積極的で、小さい頃から参加していたそうです。 お友達もたくさんいて、一番仲の良い子は「俺たち、ある意味、兄弟だよね!」と言いながら育ったと話してくれました。 こういう

          養子当事者から聞く、目から鱗のテリング

          環の会のテリング

          ボクのきょうだい 環の会の説明会でのこと。 「なんでも貸します」屋さんを開いていたKくんが、「ボクね、お兄ちゃんとお姉ちゃんが5人いるんだよ」と、5本指をしっかり開いた手を見せながら教えてくれました。 「2人のおにいは生まれてすぐ死んじゃって、3人のおねえが◯◯県にいるの。ボクは今、⬜︎⬜︎県に住んでるんだよ」と、ちょっと自慢げに。 育て親さんに聞くと、「日頃も自分からきょうだいの話は、お友達にしています。自分はきょうだいが多くて、嬉しいそうです」とのこと。 また、「Kを迎

          環の会のテリング

          産みの親に手紙を書くとしたら・・・

          「養子当事者同士での交流」「育て親さんとの交流」「育て親さん希望夫婦との交流」を通して、養子縁組、養子当事者への理解を広めていこうと活動している環の会・Youthの会は1年に3回のイベントを行っており、今回は富山県で開催しました。 毎回、いろいろなテーマを掲げて意見交換をしていますが、今回は「産みの親に手紙を書く」というお題で、実際に手紙を書いて、「なぜ、その人に書くのか」「何を伝えたいのか」をそれぞれ発表しました。 <産みの父の存在> 「この間も産みのお母さんに会ったばっ

          産みの親に手紙を書くとしたら・・・

          民間機関の役割〜こども家庭庁の訪問を受けて〜

          子どものための縁組を支援する民間機関の現場をご覧になりたいと、こども家庭庁の支援局長はじめ3名の方々が環の会事務局にいらっしゃいました。 1時間半ほどの時間をかけて、環の会の設立経緯から具体的な活動内容、テリングの理念、Youth(環の会で縁組した養子当事者のグループ)の取り組みなどについて、ご質問をお受けしながら、詳細に説明しました。 子どものための縁組は、公的には児童相談所、民間では24の機関が取り組んでいますが、子どもを迎えることを希望するご夫婦に対してどのように向き

          民間機関の役割〜こども家庭庁の訪問を受けて〜