2018年に最も読まれたオリジナル記事発表!

10位:【ぶんぶくちゃいな】南北朝鮮首脳会談に見る「進化した」中国

今年、中国は過去のわたしたちが見てきたのとは違う、いろんな表情を見せてくれました。最初の一つがこれ。六カ国協議からこっち、北朝鮮話題となると、「オレが、オレが」と言い続けてきた中国が、一歩引いて事態を見守ったのが驚きでした。もちろん、水面下ではさまざまな駆け引きを演じていたのでしょうが、それは中国に限らず日本だってそうだったはず。習近平体制が二期目に入り、文字通り「以前と違う中国」の始まりを意識するきっかけとなりました。

9位:【ぶんぶくちゃいな】ジャック・マーの引退が中国IT業界にもたらすものとは

引退発表は個人的にはあまり驚かなかったけれど、50代そこそこで引退する彼が次に何をやろうとしているのかは大変興味あります。もちろん、今や飛ぶ鳥落とす勢いのアリババ自体がどうなるのか。ただ、「ジャック・マーがいなければ失速する」というのは違うかなと思っています。とっくにグループ経営体制を敷いて、それぞれの事業を完全に事業トップに任せてきたアリババ。この記事ではジャック・マー時代を振り返り、次期会長のチャン氏の存在の大きさについてまとめました。

8位:【読んでみました中国本】遠ざかっていく香港の味わいを思い起こさせてくれる「香港うんちくグルメ」:蔡瀾『人生の味わい方、打ち明けよう』

自由人のようでありながらこだわりを忘れない――それがわたしが著者の蔡瀾(チャイ・ラン)さんに持っているイメージ。映画人だったころからずっとグルメコラムニストとして大人気、この本ではその「心得」を生活を楽しむ術として語っています。わたしもかつていろんなことを教えてもらいました。香港の楽しみ方、ここにあり、です。

7位:【ぶんぶくちゃいな】 陳浩基(ミステリ作家)インタビュー「香港はカサブランカなんですよ」

昨年、ミステリファンが選ぶ「ミステリ大賞」に選ばれた『13・67』の著者、陳浩基さん。香港滞在中にインタビューに答えてくれました。むっちゃ盛りだくさんの初耳話が一杯のインタビューになりました。しゃべらせたらとにかくサービス精神旺盛な陳さん、香港のイメージをこれまた一新するネタ満載。陳浩基ファン、香港迷は必読です。

6位:【ぶんぶくちゃいな】「軟階層社会」ダウングレードする中産階級消費とその不安

不動産が高騰を続け、賃貸料に一喜一憂している都市市民たち。その一方で、品質は次、とにかく格安価格が一番というECサイト「併多多 Pinduoduo」があれよあれよとニューヨークで上場するほどになり、中国人たちは「消費のダウングレード」が始まったと訝しんでいる。いや、実はそれは階層が緩んだ地層のように揺れているからですよ…と「フィナンシャル・タイムズ 中国語版」編集者の徐瑾さん。彼女が主張する「軟階層社会」の正体とは…

5位:【ぶんぶくちゃいな】全国が激震! 米国によるZTE制裁事件

イランや北朝鮮への通信機器売却を理由に、アメリカ企業との取引を禁じられたZTEの衰退で明らかになった、中国の半導体生産事情。自動車もそうですが、絶好調のIT機器市場が実はその中核技術はすべてアメリカの特許と製品に頼っていたという事実は、社会に衝撃を与えました。ある意味、年末に起こったファーウェイ事件の前哨戦だったといえるでしょう。

4位:【ぶんぶくちゃいな】スウェーデンの「災難」

「老人をホテルから放り出した」から始まった大騒ぎ。でも、だんだん詳細が明らかになるに連れ、はるばるスウェーデンまで行ってやらかした中国人観光客の姿に、大論争勃発。勢いづいていた中国大使館も最後は尻窄み。勢いづいたスウェーデン人ウェブユーザーたちがおちゃらけビデオを作り、中国人ネットユーザーを激怒させましたが…結局何も起こらなかった。というか、今年後半の中国はもういちいちそれに政府が反応して腕を振り上げる暇もないくらい忙しくなってしまいましたね。

3位:【ぶんぶくちゃいな】周保松・香港中文大学教授「いまは、何をもって香港人と呼ぶのかを考えるべきときだ」

雨傘運動のとき、学生たちに精神的支援を与え続けた、香港中文大学の周保松教授。中国で生まれ、香港で教育を受け、今や香港の若者の精神的支えになっている彼に、ポスト雨傘の香港の状況について話を聞きました。ただの「民主化」云々だけでは語れない複雑な香港と香港人社会の事情が見えてきました。

2位:【読んでみました中国本】選択できない夢を見ながら生きる人たちの希望、人生、そしてお金:山田泰司『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』

戸籍を自由に動かせない中国で、それでも家のため家族のために都会で働く農民工、出稼ぎ労働者たち。彼らが置かれた厳しい状況を、わたしの家で働いてくれた伍さんの姿と重ね合わせながら読みました。彼らにとって最も大事なのは仁義でも信頼でもなく家族。どんなに苦しい生活事情にありながらも、絶対に政府批判を口にしない出稼ぎ農民たちの表情を、筆者は丁寧に分析しています。

1位:【ぶんぶくちゃいな】インタビュー:天野健太郎(翻訳家)「翻訳って裏切りなんですよ」

昨年手がけた『13・67』が大ヒット、「やっと黒字になった」と笑っていた天野さん。最初に手がけた翻訳書が龍應台の『台湾海峡一九四九』、その後台湾書籍を紹介してきたこだわりを語ってくれました。ぶっきらぼうでざっくばらんだけれど、しっかりと自分の求めているものを理解し、探し求める姿勢は清々しかった。とっても楽しいインタビューでした。なのに、まさかこんなに早く逝ってしまうとは…心からご冥福をお祈りします。

振り返ってみて、2018年にやったインタビュー3本がすべてトップ10入りするほど読まれているのが嬉しかったです。ありがとうございました。2019年はもっとインタビューやりたい! どうぞよろしく。


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