邢台ダム放流通告書

【ぶんぶくちゃいな】村は「誰」に流された?

中国各地で大洪水を引き起こしている豪雨は、先週河北省でダムから流れでた水が下流の村を襲った。だが、村を襲ったのは天災だったのか、人災だったのか。ネット上には政府の不備を訴える声が流れ続けた。そして続いたメディアの報道は…

23日の朝、いつものように5時過ぎに目が覚めたとき、わたしの中国SNS「「微信 WeChat」(以下、「WeChat」)は、河北省邢台市で起きた「洪水」による農村壊滅の話題一色になっていた。

いつの話かと遡ってみたら、わたしのタイムライン(つながっている友人同士で流す情報ページ)で最初にその情報が流れたのは22日の10時頃。ある雑誌編集者が、河北省邢台市の洪水被災地区の人たちが道を塞ぎ、説明を求めているというというネットコラムの記事だった。

中国は先月末以来、あちこちで豪雨が続き、すでに100人を超える死者が出ている。首都北京でも19日から20日にかけて激しい雨が降ったという。その雨量は2012年、町中のなんということのない道の窪地に出来た巨大な水たまりに車に突っ込み、そのまま閉じ込められて亡くなった人が出た時よりも大きかった。

もちろん、北京市を囲む形に位置する河北省でも、激しい豪雨の影響を受けたはずだった。だが、その記事が伝えているのはほかの被災地とはまったく違う状況だった。

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