イランの中距離弾道ミサイルを考察

■イランの中距離弾道ミサイル発射
 イランは7月24日に中距離弾道ミサイルを発射した。飛距離は約1000kmと報道されており、イランがイスラエルとサウジアラビアを意識した発射だと思われる。

■発射方向
 今回発射された中距離弾道ミサイルの発射方向に注目したい。今回の発射方向は、イラン南部の海岸付近から、北部の首都テヘランに向けて発射した。これは実験としてはリスクが高い。

 何故なら中距離弾道ミサイルと長距離弾道ミサイルの命中精度は低い。命中精度を高めるには技術的問題を解決しなければならない。資金を投入して技術を向上させたアメリカ軍の長距離弾道ミサイルの命中精度は、目標から100m離れて着弾する。だが他の国は、中距離弾道ミサイルでも200から2000m離れて着弾する。これが現実。

疑問1:イランは南部から首都テヘランに向けて中距離弾道ミサイルを発射した。
疑問2:イランは公表しない。

 疑問は二つ。中距離弾道ミサイルになると、技術力が明確に出る。技術力が有れば目標から200m離れて着弾する。だが技術力が無ければ目標から2000m離れて着弾する。

 つまりイランは、技術力に自信が有るから首都テヘラン方向に向けて発射したと思われる。何故なら首都テヘラン付近には道路と町が点在する。命中精度が悪ければ首都テヘラン・町に着弾する。

 目標から2000m離れて着弾するなら最悪の場合は町に着弾。だが目標から200m離れて着弾するなら、民間人を巻き込むこと無く実験成功を宣伝できる。

■宣伝しない理由
 イランの中距離弾道ミサイルの発射が探知された。しかも発射方向と着弾地点も特定された。だがイランは沈黙している。この理由は、「命中精度が悪く民間施設に着弾した」と思われる。だからイランは宣伝できないのだ。

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