■香港デモは優勢
　香港で逃亡犯条例改正案を巡りデモが継続している。香港市民は改正案に反対し撤回を求めている。このデモは中国共産党と香港市民の代理戦争。だから民主化を求める香港市民と独裁を進める中国共産党との対立でもある。

　民主化を求める香港市民は多く、初期段階でデモを鎮圧することはできなかった。それどころかデモ参加者は増加し、既に治安維持部隊では対応不可能な状況に陥っている。

＜香港デモ＞「完全撤回」求め再びデモ　参加者200万人と主催者発表
https://www.epochtimes.jp/p/2019/06/43817.html

■悪法撤回・退陣・共産党崩壊
　香港デモは優勢になり、逃亡犯条例の延期ではなく撤回を求めている。さらに林鄭長官の退陣要求と共産党崩壊まで標語になった。これは中国の歴史から見れば易姓革命の種。人が集まれば易姓革命の種になり、権力者に挑むなら易姓革命に突き進む。

　香港デモが求めるのは悪法撤回だけではない。退陣要求と共産党崩壊は明らかに易姓革命を意味する。中国共産党から見れば香港市民による革命でありテロ行為に見える。香港デモを放置すれば中国全土に拡散する可能性が高い。そうなれば中国全土で反中国共産党デモが発生する。

　中国共産党が香港デモを放置すれば易姓革命になる。ならば放置しない。必ず香港デモを鎮圧し中国全土で対策するはずだ。中国共産党は民を人間と見ていない。ならば必ず実行する。

■武力鎮圧は難しい
　天安門では武力で鎮圧した。だが香港で武力鎮圧するとは思えない。今ではインターネットを用いた伝達能力が高く、複数の人間が同時に世界に拡散できる。天安門ではメディアを規制することで対応できた。だが香港では民間人が映像を世界に拡散できる。これでは武力鎮圧をすれば誤魔化せない。

　香港デモ参加者は100万人以上。治安機関は最大200万人のデモを鎮圧しなければならない。これを6000人程度の治安維持部隊では対応不可能。中国本土から増援を受ければ4万人以上の戦力で鎮圧することは可能。この時は戦車・装甲車を含んだ歩兵師団の投入になる。だが戦車・装甲車を含んだ歩兵師団を投入すれば必ず移動を察知される。そうなれば世界は香港デモに注目し、中国共産党による武力鎮圧を阻止する動きに出る。

　かりに中国共産党が武力鎮圧を強行すれば、香港市民が拡散する映像を止められない。流血の映像が世界に拡散すれば、非人道的行為を批判され外国軍の介入を許してしまう。外国から批判されるだけなら対応可能。だが非人道的行為を止めさせるために、外国軍が香港に投入される可能性が高い。

■爆弾テロを偽装する可能性
　200万人規模のデモを武力鎮圧することは難しい。実行すれば非判だけではなく外国軍が投入されるかもしれない。ならばテロを偽装した鎮圧が考えられる。一つは中国を敵視する反中国組織による大規模テロの偽装。

　中国は一帯一路を進めており、一帯一路に組み込まれた国で反中国テロが発生している。ならば反中国組織が香港で爆弾テロを実行するシナリオだ。香港デモはビルに囲まれた場所で行われている。爆弾をビルの外壁付近で爆発させれば、ガラスの破片が雨の如く香港市民に降り注ぐ。

　現代のビルはガラスに覆われている。だがガラスが割れた時の破片対策は無いも同然。爆弾テロを偽装すれば、ガラスの破片を用いて香港デモを鎮圧することが可能になる。何故ならデモのルートは特定されており、しかもデモ参加者の密度は高い。この状況でガラスの破片が降り注げば、50万人近くを瞬時に戦闘不能にできる。

　ガラスに引き裂かれた市民を助けるのは、近くにいるデモ参加者。怪我人一人を運ぶのに4人を使えば、デモを継続することは不可能になる。

　中国共産党が反中国組織による爆弾テロだと公言すれば、世界は中国共産党の主張を受け入れるしか無い。疑惑は有るが中国共産党が関係した証拠を集めることが難しい。

■バイオテロを用いる可能性
　爆弾テロを偽装しても外国軍が香港に投入される可能性はゼロではない。テロ対策を大義名分に軍隊を投入されたら困る。そこで軍隊を香港に入れない策が有る。それは疫病が香港で発生する時。

　香港で天然痘・ラッサ熱・エボラ出血熱などが流行すればどうなるのか？香港デモは人間が密集している。密集率が高い場所で細菌・ウイルスを使えば、香港人全員が感染すると言える。

　香港で疫病が蔓延すれば、中国共産党は疫病対策で香港を封鎖することが可能になる。しかも外国軍を香港に入れない口実になるし、外国軍も疫病では入ることを躊躇する。さらに香港に入れるのは医療関係者だけになる。そうなれば中国共産党は、香港デモ鎮圧と報道管制を両立できる。

■中国本土に到達しても
　仮に疫病が中国本土に拡散しても中国共産党は困らない。端的言えば口減らしができるからだ。中国は急速に近代化したが、これは農業を犠牲にした近代化。農業従事者が工業に移行したが、農業の機械化をしていない。

　農業従事者の現象を機械化で補えば食料生産量は維持できる。だが機械化していないから、中国は外国から食料を輸入するようになった。だが今の中国はアフリカ豚コレラが全土に蔓延。さらにガの一種であるツマジロクサヨトウの食害が全土に拡大。ツマジロクサヨトウが食料を食い荒らしている。

　さらに悪いことに中国南部で水害が発生。これは食料生産能力の低下か不可能なことを意味している。これらが広範囲に発生しているから、中国南部は食料危機の可能性が高い。そうなれば中国南部で暴動が発生する。

　香港デモ対策で疫病が蔓延し、さらに中国南部も感染が拡大すれば、暴動鎮圧と口減らしを同時に行える。これは易姓革命対策であり、中国共産党には都合の良い結果に終わる。もしくは中国南部の水害で疫病が発生。中国南部の疫病が香港に侵入して香港市民が感染。
　
　この場合は疫病の発生と移動ルートが特定できるから、自然な流れで香港デモを疫病で鎮圧することができる。しかも外国軍の投入も無いから都合が良い。

■有り得ないと言えるのか
　中国共産党は爆弾テロ・バイオテロを偽装しないと言えるのか。これまでの中国共産党を知ると民を人間と思っていない。香港デモは既に易姓革命の種になった。ならば中国共産党は必ず香港デモを鎮圧するはずだ。