国境の30kmの安全地帯の意味

トルコは国境から30km離れることをクルド人武装勢力に要求。トルコはシリア側に安全地帯を作ることができる。

シリア北部作戦、5日間停止=クルド勢力は撤退受け入れ-トルコが米国と合意
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019101801023&g=int

師団→25km後方に小規模兵站基地→50km後方に中規模兵站基地→100km後方に大規模兵站基地

この配置が基本。この基本は古代ローマ帝国の時代から現代まで変わらない。そして大砲の射程距離も、これを基準に設定された。何故なら師団後方の兵站基地を狙うなら、25kmから30kmの射程が必要になる。

トルコはクルド人武装勢力がシリア北部からトルコに侵攻することを恐れた。だから対テロ作戦を大義名分にシリア北部に侵攻した。シリア北部からクルド人武装勢力は撤退。すると国境から30kmにクルド人武装勢力は侵入できない。これでトルコの安全保障は成功。

仮にクルド人武装勢力がトルコに侵攻するなら、クルド人武装勢力は後方支援部隊を持たなければ成功しなくなった。

しかもシリア北部に兵站基地を設置しなければトルコに侵攻できない。こんなことをすればトルコ側に察知される。さらにシリア北部に30kmの安全地帯が有るから、時間的距離がトルコ側に障害地帯を提供する。

クルド人武装勢力は時間敵距離が障害となり、トルコ侵攻は奇襲性を失うと同時にトルコ軍に待ち伏せする時間を与える。この待ち伏せに対応すると、陸軍の戦闘速度は低下する。

陸軍部隊が待ち伏せに対応すると移動速度は低下する。これは戦闘速度になる。戦闘部隊が敵の待ち伏せに対応する場合は、戦闘速度は訓練された部隊で時速23km。そのため実際の戦闘速度は時速8kmから16kmになるのが普通。

歩兵戦闘車・戦車が時速50km以上で移動したら自殺行為。敵の待ち伏せを発見できず狩られるだけ。だから戦闘速度は8kmから23kmまで低下する。

歩兵戦闘車・戦車が時速70kmで移動できるとしても、これは戦場内で遮蔽物から遮蔽物へ素早く移動する時に使う能力。このための素早い移動は被弾率を低下させる。

トルコは国境付近に30kmの安全地帯を設置できれば、クルド人武装勢力のトルコ侵攻を妨害可能。それだけトルコはクルド人武装勢力を警戒している。何故ならクルド人武装勢力は、1980年代からトルコ国内でテロ攻撃を開始している。だからトルコはクルド人武装勢力を警戒している。

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