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vol.5 ドーナツをめぐる のこと

mg.を作るときに、「作れる時に作る」というゆるコンセプトを持って活動していたが、それが変化したのがこのドーナツ号です。
一番の理由は、イベント出店を決めたこと。文学フリマに向けて新刊を出そうと決めました。

とはいえ、わたしといえば、まずドーナツについての理解というか、自分の中にドーナツの蓄積や書きたいことがパッと思いつかない。
溝呂木一美さんのドーナツの本を買ったり、図書館でドーナツの本を探して読んだり。まずは自分の中のぼんやりとしたドーナツ像を少しでも固めようと情報を入れた。するとなるほど、なんでもドーナツのように見えて、ある程度タイプがあります。これは食べるしかないと、同じような情報収集をしていた須田氏と一緒にドーナツ店を巡ろうという話になりました。

まだ残暑の厳しい季節、一日に複数のドーナツ店を周りました。都内には思った以上にドーナツ専門店があり、全ては回れないものの行きたいところは一通り回りました。その成果が「美味しいドーナツを求めて」の特集になったというわけです。
自分が過去積極的に食べ歩いたものはカレーとコーヒーくらいだったんですが、ドーナツがこんなに面白いものだとは想定外でした。すっごく面白い。座談会ページを読んだ方はお分かりになるかと思いますが、自分にとってのドーナツ観を見つめなおすほどです。

小説はといえば、これはシチュエーションを映像で思い浮かべながら書いたもの。深い話でもなく、よくある不思議な話くらいですが、何もなかった嘘だったかもしれないと言う温度感だなと思いました。それで、白昼夢と言うタイトルに決めたというわけです。ドーナツから向こうをのぞく行為は、思ったよりもその先が見えづらくて、主人公はだいぶ難儀したんじゃないかな。

この号から、ヤナイ氏が復帰。小説とお店紹介どちらも出してきて、いきなり本領発揮されびっくりしました。小説は、原稿をもらった時に、わたしの小説と「死」の部分で繋がっていた不思議な縁を感じたのを覚えています。
NO NAMEさんの紹介記事は、フードライターをしていただけあって最高でした。開店後、お店に伺った時にショーケースにmg.を飾っていただいてたのも嬉しかったなあ。わたしの住まいからは遠いけれど是非またお伺いしたいお店です。皆様もぜひ。

超キュートなドーナツの右下にmg.がお邪魔。ドーナツは最高に美味しい。


他には、中村氏に作ってもらったドーナツのパーツをイヤリングに仕立ててもらったり、みゆき氏の家でドーナツ作りを撮影してきたり、作ってて楽しい号でしたね。売上としても、一番出たのがこのドーナツ号。この後増刷しようと思うので、もっと人の目に触れたら嬉しいです。


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