かわかみなおこ

食べものをめぐるmg.というZINEの編集長。 怪異とあそぶマガジンBeːinGもつく…

かわかみなおこ

食べものをめぐるmg.というZINEの編集長。 怪異とあそぶマガジンBeːinGもつくってます。 珈琲とカレーと漫画と民芸品と鉱物が好きです。妖怪や民俗学も好みます。 絵を描いたり小説など文章を書いたり編集したり節操なしに色々やります。

マガジン

  • しりとり手帖

    • 23本

    しりとりをしながら、最後の音節で始まる言葉をテーマにした何かを担当メンバーが発信します。

  • mg. (えむじー)のあれこれ

    文学部出身メンバーがおとなになってつくりはじめたZINE「mg.」のあれこれ。 制作の裏話や、内容の紹介など。

最近の記事

とうめい 担当:かわかみなおこ

とんでもない話だが、まずは、右手が消えた。 朝ベッドからむくりと起きあがり、そのまま洗面台へ向かい顔を洗おうとした。洗顔フォームに手を伸ばすと、袖から先にわたしの手はなかった。 しかし洗顔フォームのチューブを掴むことはできる。 そして、目の前で洗顔フォームは浮き上がったように見えた。 そうか消えたのではなく透明になったのだ、と寝ぼけた頭で気づき、一度ベッドに戻った。幸い今日は土曜で予定もない。連日の激務で疲れて夢と現実の境がないのかもしれない。あるいはこれが明晰夢というも

    • ルビー 担当:かわかみなおこ

      わたしの誕生石は、ルビー。 けれど、どうしてもルビーが好きになれなかった頃がある。 あの赤い色が血のようで、ちょっとだけ不気味。 そもそもそんなに赤い色が好きではなかった。 姉とわたしでお揃いのものを買うときは、姉が赤でわたしは青だったし、「わたしの色」ではないと思っていたのかもしれない。 アクセサリーにしては色の主張が強くて、 大人になってからもアクアマリンとかオパールとか そっちの方がきれいでいいなあって羨んだ。 そんなわたしがルビーを好きになっていくきっかけは、鉱

      • vol.7 さつまいもをめぐる のこと

        11/11文学フリマ東京37が終わりました。 弊ブースにお越しいただいた皆さまありがとうございました。 そんなわけで、新刊が無事出ました。 早いものでvol.7。今回のテーマは「さつまいも」です。 からあげ号の打ち上げがLINE通話だったのですが、その中で決まりました。決め手の証拠がこれしかない↓ パフェとかスコーンとかスナックとか。 さまざまあった中で一番「ああいうこともできそう、こういう話もしたい」などこだわりが生まれたのが今回さつまいもでした。 かくいう私も、さつま

        • 管(くだ) 担当:かわかみなおこ

          管が、地面からでてたんです。一本、にゅるりと。 なんでしょうね、ええと、エアコンの水が出る管があるでしょう。ちょうどあのような感じです。あれがね、新しく建てた家の台所の勝手口を出て少し先にあるんですよ。 そうですねえ、長さとしては30センチもないかしら。 地面に接してるところは竹みたいな細い棒が出てて、その先にだらんと管がついてるみたいな。柔らかい管を下に向けて垂らして、雨水とかが入らないようにしてるのかしら。てことは何かの排気口かと思うんだけど、そんなこと大工さんも不動産屋

        とうめい 担当:かわかみなおこ

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          23本
        • mg. (えむじー)のあれこれ
          11本

        記事

          vol.6 からあげをめぐる のこと その2

          その1からすこしあいてしまいましたが、つづき。 どの企画も好きなんだけど、ヤナイ氏の「ゆで卵をつくるようにからあげをつくる」もとても良い文章だった。私は最近はめっきり料理をしなくなっているのだけれど、うっかり揚げ物ができるような気がしてくるから不思議だ。文章というものは、そういう力があるんだとしみじみ感動した。 この記事を読んだ人はそのあと家でからあげを揚げてる確率が高いというのがまたよい。 そして裏表紙イラストにもなった、中村氏のグラスへの絵付けを中心に据えたからあげ+

          vol.6 からあげをめぐる のこと その2

          vol.6 からあげをめぐる のこと その1

          やっと現状の最新号の話です。 ドーナツ(甘い)の後なので、次号がしょっぱいものになるのは暗黙の了解でした。が、実はからあげにすることはドーナツ号の制作時になんとなく決まります。 「妄想ドーナツ屋さん」でお菓子担当のみゆき氏の家でドーナツの制作過程を撮影しに行った後のこと。mg.メンバーに報告LINEをしたところ、家でドーナツを揚げているところから揚げ物鍋の話へ。 すでにvol.6を読んだ方ならお分かりかと思いますが、からあげ作りにこだわりのあるヤナイ氏がおすすめ鍋の話をす

          vol.6 からあげをめぐる のこと その1

          竜宮城 担当:かわかみなおこ

          しりとり手帖、第2回を担当しますかわかみなおこです。 普段は趣味でZINEを作ったり絵を描いたり文字を書いたりしてます。 しりとり>リカバリ>竜宮城(りゅうぐうじょう) と言うことで、竜宮城へ行きたい、女の子のおはなし。  夏の砂浜は焼けるように熱く、靴を履いていないと波の届くところまでは歩けない。しっとりとした波打ち際まできたところで、凪はビーチサンダルを脱いだ。  濡れた砂と乾いた砂のちょうど境目辺りにサンダルを綺麗に揃え、あとは裸足で海へと進んでいく。足の裏に濡れ

          竜宮城 担当:かわかみなおこ

          vol.5 ドーナツをめぐる のこと

          mg.を作るときに、「作れる時に作る」というゆるコンセプトを持って活動していたが、それが変化したのがこのドーナツ号です。 一番の理由は、イベント出店を決めたこと。文学フリマに向けて新刊を出そうと決めました。 とはいえ、わたしといえば、まずドーナツについての理解というか、自分の中にドーナツの蓄積や書きたいことがパッと思いつかない。 溝呂木一美さんのドーナツの本を買ったり、図書館でドーナツの本を探して読んだり。まずは自分の中のぼんやりとしたドーナツ像を少しでも固めようと情報を入

          vol.5 ドーナツをめぐる のこと

          mg.、外に出る

          mg.の制作当初は、あくまで身内配布+αに販売できればいいだろう、というスタンスで始めました。初回の「珈琲をめぐる」の発行部数は50部で、半分はメンバーに配布し、半分は表紙イラスト担当の五嶋奈津美氏の個展で売ってもらったくらい。 vol.3を作ったころから、これはこのままで良いのだろうかと漠然と感じ始めました。その頃に、私の当時の住まいであった本八幡にあるkamebooksさんを知り、取り扱いのお願いをします。 それが同人誌=通販or専門業者へ委託・後は即売会という選択肢しか

          vol.3から、vol.4のあいだにあったこと

          別件でnoteを使うことになりそうなので、せっかくだからこちらも再開させようかと思います。 前回、ちょうどvol.3できました、という報告が最後でしたね。 vol.3からvol.4の間は2年ほどの空白期間があったのです。 2020年にvol.3「ケーキをめぐる」を発行してからすぐ、mg.のグループLINEで次はサンドイッチにしようとはすぐ決まっていました。 ただ当時、メンバーのプライベートで色々あったので休み期間を設けることになります。元々、作れる時に作ろうというスタン

          vol.3から、vol.4のあいだにあったこと

          ことばの切れ端-2

          とどめれば喪われるのが言葉だと 文字に溢れた本屋で憶う 色々思いを巡らせているはずなのに、 簡単に言葉が消えていくと感じる毎日。

          ことばの切れ端-2

          ことばの切れ端 - 1

          詩のようなものを、書きたいなあとずっと思っていた。 これはひたすらしあわせになりたかった20代後半のときに、 誰かにかならずしあわせにしてもらえると夢見ていた頃を 振り返った、いま。

          ことばの切れ端 - 1

          mg vol.3「ケーキをめぐる」発行しました

          ようやっと、3冊目を発行いたしました! 今回はみんな大好きケーキです。 あらためてケーキについて考えると不思議なもので、 こんなに誰にとっても特別な食べ物ってあんまりないんじゃないかと思いました。これってすごいこと。 そんなケーキに対して、今回もライターたち各視点からケーキを語っております。 これを読んだら絶対ケーキ買いにいくこと間違いなしです。

          mg vol.3「ケーキをめぐる」発行しました

          ZINEをつくるということ

          亀進行ではありながらも、無事2冊ZINEを発行した。 元は友人同士というところはあるものの、 ライターは子持ちの主婦だったり、何かを目指していたり、 立場としては様々な人間が集まった。 もともと、自分で何か冊子を作りたいとはうっすら感じていたものの プレッシャーがない中の仕事がなかなかできないタイプの自分が こういったかたちで、きちんと進行できるとは思っていなかった。 コンセプトを考えたものの、基本的には各自企画は自由。 ほんのちょっとだけ編集をかじっていたので、友人の記

          ZINEをつくるということ

          vol.2 「カレーをめぐる」発行しました

          創刊号からおよそ半年、やっと2号目を発行いたしました。 今回のテーマはカレー。 様々な思い入れが表現された一冊になっています。 また、今回は、前号を見てライターとして参加を表明してくださった方も加わりより充実した内容となっております。 BASEでも販売をはじめましたので、ぜひお手に取っていただければ幸いです。 https://magazinemg.thebase.in/

          vol.2 「カレーをめぐる」発行しました

          原稿の進捗、1企画完成、3企画デザイン入れ完了・各自校正中、2企画製作中でございます。デザイン入れしながらカレーが食べたくなる夜。

          原稿の進捗、1企画完成、3企画デザイン入れ完了・各自校正中、2企画製作中でございます。デザイン入れしながらカレーが食べたくなる夜。