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「誰のために何を作るのか」がいちばん大事だという話

こんな人向けの記事!!
・プロダクトマネージャーの存在は知っているけどあまり役割を知らない人
・プロダクトチームに所属する人
・プロダクトマネージャーやり始めた人

ざっくりこんな内容の記事!!
・プロダクトマネージャーの役割ってどんなこと?
・プロダクトマネージャー/プロダクトチームとして大事なこととは?

こんにちは、おのわたるです!

以前書いた記事でも軽く触れましたが、今はCOUNTERWORKSという会社でプロダクトマーケチームのデザイナーとしてインターンをしています。

そのチームの中で自分はどう動けば良いのかを考えるためにも、プロダクトマネージャーの石坂さんにインタビューしてきました!

▲今回インタビューさせていただく、石坂さん。
新卒で電機メーカーにソフトウェアエンジニアとして入社。後に、10億円規模のプロジェクトマネージャーなどを担う。

その後、人材会社へエンジニアとして転職し、開発にもゴリゴリに関わりながら、チームリーダーやプロダクトマネージャー補佐を担う。

2017年5月にCOUNTERWORKSへエンジニア職として入社。
入社後、プロダクトマーケチームを発足し、今はプロダクトマネージャーとしてチームをまとめています。

スタートアップでプロダクトチームを立ち上げたいけど、どうすればいいんだろ...って方、『スタートアップのプロダクトチームを立ち上げるためにやったこと』という石坂さんのnote記事がおすすめです。

1. プロダクトマネージャー(PdM)の仕事内容とは

プロダクトマネージャーってどういう仕事なんでしょうか?

一言で言うのは結構むずいけど、要するにビジネスとユーザー体験の両方を考えながら、サービスをどういう風に作っていくべきなのかを考えるのが仕事かな。

なるほどなるほど。

一般に、ユーザー体験を考えるのは、UXデザイナービジネスを考えるのはセールスとかになるけど、これって別に乖離する話ではない

ふむふむ。

ユーザー体験を伸ばすことで、ビジネス的成果があがるということもある。でもそうならない場合もある。乖離しないようにするっていうのがPdMの仕事。
例えば、「使い勝手をむっちゃよくする」という施策をすることになったとする。でもその施策って、ユーザー体験という観点だけで、ビジネス的な観点が抜けてたりする場合もあるよね。

確かにデザイナー側からすると、その観点抜かしてしまったりします。

その2つの観点のバランスをとって、どっちかあげたらこっちもあがるよ、ってするのが PdMの一番大事な仕事なのかな、と思う。

なるほど。では、UXデザインという役割の上にPdMという役割があるみたいな感じなんですかね。

そうかもしれないね。確か深津さんはそんなことを言っていて、UXデザイナーはPdMの補佐みたいな色合いが強いとか言ってたね。

ツイートもされてましたね!

ね。そこは確かにそうだな、という感覚はある。
UXデザイナーとPdMは一緒に見えるか、むしろUXの方が根源なのでは?って思えちゃうけど、そうじゃない
ユーザーもビジネスも両方見るのがPdMの仕事なんじゃないかな。

▲目をつぶってしまった石坂さんと黒すぎる僕の肌

2. 「何を作るか」をアジャイルに

バランスをとってやることを決めるのがPdMの仕事だとおっしゃっていましたが、どのような粒度でやることを決めるのでしょうか。

PdMは大きな方向性を決めるのが仕事。つまり、自分たちがターゲットだと思っている人たちがどういうものを必要としているのか、という話。

大きな方向性...

例えば、SHOPCOUNTER(COUNTERWORKSのメイン事業です)で言えば、お客さんは自分のお店を出すために場所を借りることを求めているのか、スタッフを簡単に雇えることを求めているのか。

そういう粒度で何をやるのかを決めるのが、PdMのやらなくちゃいけないこと。

わかりやすいです。

その大きいレベルで、きっとこういう課題があって、こういうものを当てたら良さそうだっていうのをPdMがやったら、あとは、その下のレベル、つまりどのように実現するかと言う部分は、デザイナーとエンジニアでやってほしいなっていうのはある。

なるほど、登る山をPdMが決めて、登り方をデザイナーやエンジニアが決めるっていうわけですね。

とは言いつつ、「何を作るのか」という部分にもデザイナーやエンジニアに入り込んでほしいと思ってる。いちばん大事なとこだから。

「何を作るのか」ですか。

うん。今まではね、作るプロセスを中心に考えてた。アジャイル開発っていう、「短期間でアウトプット出して、仮説検証サイクル早く回していきましょう」って考え方があったと思うんだけど、あれを当てはめたのも作るプロセスだけ。
「何を作るのか」というのを考えるところもアジャイルにしていかなきゃいけない。そこが一番大事な課題だと思う。

はーなるほど。言われてみればそうかも。
機能をリスト化して、それを短期間で実装して、実行管理していくっていう感じですよね。何を作るのかはプロダクトオーナー任せだったような...

「何を作るのか」の精度が高ければ高いほど、手戻りが少ないというか、時間や労力の無駄も少なくすることができるよね。

確かに、そりゃそうだ。

3. SHOPCOUNTERは、「何を作るのか」にリソースを割かなきゃいけない

どの事業も、「何を作るのか」をしっかり考えていった方がいいんですかね。

うーん、全部が全部「何を作るのか」にリソースを多く割く必要はないと思っている。

そうなんですね。

事業を二つのタイプに分けて話したいんだけど、一つは、「もう既に世の中にある概念を効率化していく事業」。なにを作るかで悩むことはない。必要としているものはわかっている。
だからそういう組織はPdMが一人で、エンジニア/デザイナーが大量にいるって言う形でもいい。「なぜ・何」を作る側にリソースを割く必要がない。

確かに。完成図はざっくり見えていて、あとはそれをどう実現するか、って方が大事ですもんね。

そう。でも一方で、うちみたいな事業は何が正解なのかがわからない。言い換えると不確実性が高い。まあ、まだ設立3年目で若いっていうのもあるけど。

というと...?

そもそもマーケットがどこにあるのかとか、あるとしても、具体的にどういう人なのかっていうのもわからない。それがわかったとして、どういうソリューションを提供するとフィットするのかもわからない。

確かに。今はスペース掲載サイトですけど、「もっと気軽にリアル店舗を出店できる環境を整えたい」という実現したい未来像から言えば、わからないことだらけですね。

そう。だから「何を作るのか」考える人の割合が多くないと、無駄な開発しちゃう。開発リソースを持て余してしまう。「どのように作るのか」とは比較した時に重要度が圧倒的に違う。

「何を作るのか」が決まっていない状態で、「どのように作るのか」を頑張っちゃダメ。肝に命じておきます...

4. 本質的な目的を捉えるためにしていること

そう言えば、この会社って「なぜ・何を作るのか」つまり、「誰が抱えているどんな課題に対してどういう価値を与えるのか」を考えるのが大事みたいな風土あると思うんですけど、それって何でなんですか?

そもそもCEOの三瓶さんが、プロダクトがどうあるべきだよね、みたいな思想がめっちゃある。ユーザーへ価値を提供することによって、対価を得るべきみたいな考え。
その上で、ちゃんとビジネス成果に還元することで、成立するって話で、原則として、ユーザーに価値を提供することをしない限り、ビジネスとしては儲からない、だと思っている部分が大きいかな。

CEOがきちんとその考えを持っていることってやっぱりでかいんですね。

あと具体的には、コンセプトシートという仕組みを導入したり。
何か戦略をうつときに、「誰にどういった価値を届けるか」、「誰のどんな課題を解決するのか」という項目を記載してもらう。
これやったら盛り上がるんちゃう?みたいなところから始まっても、誰にどんな価値があるのかを考えることになる。

僕も使っていきます...!!!

あとはみんなの意見にレビューするときは、誰のどういう課題を解決するのかという観点でレビューをしつこくしている。

それはめちゃくちゃ感じます。
MTGのときも、結構ビシバシそういうところ突いてますよね...!

この記事も誰にどういう気持ちになってもらうのか、っていうところも考えないとね。多分それって、UXの話。デザイナーとしても必要。文章のテイストも、ノリで決めていいわけじゃない。

はいいいいいい!!!(ノリ)
ありがとうございました!!!!!

インタビューを通して感じたこと

インタビューを通して、「どのように作るか」ではなく、「なぜ・何を作るのか」つまり、プロダクトを発展させるためにも「誰にどのような価値を届けるのか」を考えることの重要性を改めて感じました。

最近デザイナーの界隈的には、「デザインの意図をきちんと説明することが大事」という共通認識が取れ始めたと思ってます。

でもその意図というものが、「誰にどのような価値を届けるのか」というところに結びついているものではないといけないと感じました。

Aという会社は、「シンプル/スマート」なイメージだから、HPは「シンプル/スマート」な方向性でいこう。

ではだめで、

課題を解決したいお客さんは(顕在的/潜在的)に「シンプル/スマート」なイメージを求めているから、Aという会社は「シンプル/スマート」なイメージを大切にして、それをHPに反映させていこう。

が良いのではないかと、思いました...!!
根源的なアイデンティティが会社や事業にあるわけではなく、価値を届けたいユーザーにある、と言う意味ですね。

まあ「言うは易し、行うは難し」です。
ごちゃごちゃ言わず頑張ります、ごめんなさい...

おわり。


サウナ代へと昇華します