#39 空の巣
岸田政権が誕生してしばらく経った。政治は専門でないので、あまり採点をするようなことはしたくないが、現状維持路線で特に何かが変わることはなく、元を辿れば、それを国民が望んだというところだろうか。
実は、我が家では河野氏が総裁になることを願って、ハラハラしながら応援をしていた。
そのキーワードは「夫婦別姓」である。総裁選の段階では河野氏と野田氏は賛成に回り、岸田氏はどっちつかずといった感じだった。
そんな中、総裁選の始まる少し前に我が家(というより妻の実家)で紛争が勃発した。義理の弟が入籍をするというめでたい報告があったのだが、その際に姓を婚約者側の姓にしたい、と言い出したのだ。
最近、周囲では話題になっていたので、新しい選択として個人的には面白いと思っていたが、妻の実家ではまさかの告白に大きな問題となった。少なくとも義母は非常にショックを受けたようだ。
義弟の婚約者は仕事の都合上、姓を残したいとの意向(理解できる)で、夫婦別姓がベストだが、現状ではそれが不可能であるので義弟に姓を変えて欲しいという流れだ。
なぜ義母がショックを受けたのかを少し考察していたのだが、姓を変えてと言われてこだわりなく変えるような男は何でも嫁の言うことを聞いてしまう訳だ。母親としては手塩にかけた息子が、唆されて自分のものでなくなるという喪失感を与えたのだろう。
と、いうワケで僕と妻は河野氏を応援していたのだが、それは叶わず、日本はまた変化のない時間を過ごすことが確定した。
さてここで、通称「Big Gay Rainbow speech」と呼ばれる、ニュージーランドの議員がLGBT法案に賛成したときの演説を思い出して欲しい。
「This bill is fantastic for the people it affects, but for the rest of us, life will go on.」
夫婦別姓もこの手の問題のはずなのだが。
(2021/10/13)
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